
まさにベル・エポック。庶民のビストロ「ブイヨン・シャルティエ」
もう4月だというのに雨がしとしと降る寒い夜。温まりましょう、と友人を誘ってビストロ「ブイヨン・シャルティエ」に行ってきました。
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サロンのブルジョワ階級のマダムたちに言わせると、"パリで初めてできたファーストフード"。
彼女たちにとって一生縁がない場所だそうですが、庶民の私にはお財布にも胃にも優しい、大好きなビストロです。
ベルエポックの元は銀行だった高い天井のホールは、ギャルソン達の行き交う靴の音や、人々の声や、椅子やテーブルをガタガタと引く音が、一日中騒々しく響いてあたたかい雰囲気を作っています。
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まずはここのオリジナルワインで喉を潤しながら、メニューを広げた途端に値段の安さに目を丸くする友人。
前菜はポタージュスープ1ユーロ、その他も2〜6ユーロ。メインはどれも10ユーロ前後と何でも安いから驚くのも無理はない。
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3ヶ月ほどご無沙汰しているうちに、ワインラベルのデザインが変わり、グラスにも「シャルティエ」と店名が刻まれていました。
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「安いんだから」というわけで、前菜から4皿頼む、まさにその考え方が庶民の私たち(笑)
エスカルゴ、アボカドの小エビソース、ポワローネギのビネグレットソース、ゆで卵が一気にテーブルに並ぶと、まぁ豪華!
ポワローネギは別名「貧乏人のアスパラガス」と呼ばれる、蒸して柔らかくしたポワローネギにソースをかけていただく前菜の定番。ゆで卵も前菜としてビストロや家でよく食べるおなじみの前菜。私はこの二つを一緒に食べるのが好きで、ポワローとゆで卵がメニューにあると必ず頼みます。
渡仏間もない友人は、ゆで卵をレストランで食べるのを珍しいと面白がっていました。
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ボリュームたっぷりの前菜の後は、がっつりお肉。
友人はステーキアッシュ(ハンバーグステーキ)、私はコンフィ・ド・カナール。
コンフィはラードの中で鴨のももを低温でじっくり煮た料理。これだけでも脂っこいのに、さらに添えてあるのが鴨の油で揚げたジャガイモ。こってりフランス料理って美味しいから大好き♡
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それにしても、日本語でおしゃべりできるってなんて楽しいんだろう ♪
中身の薄い話で盛り上がり、ゲラゲラ笑って、「お腹いっぱいだけどデザートも食べよう」と、庶民は安さの魅力に負けてチーズを頼み、さらにワインも一本追加。
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甘いデザートも必ず。ここのデザートは、下手なレストランよりよっぽど美味しいのです。
どろりとチョコレートソースがかかったバニラアイスクリームが入った大きなシューと、ダム・ブロンシェ(バニラアイスクリームにチョコレートソースとクリームがのったもの)。
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最後の〆のエスプレッソまでしっかりいただいたら、さすがに食べ応えありました。
ふ〜、お腹いっぱい!
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お会計は、紙のテーブルクロスに書きなぐった注文を、ギャルソンが鉛筆を舐めながらノロノロと計算してくれます。合ってんだか合ってないんだか分からないけれど、全部で60ユーロでした!
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ところが後でフランス人に話すと「シェルティエで60ユーロもするなんて値段が上がったの?」「ギャルソンが計算間違えたんじゃない?」と訝かられることしきり。
いつも二人で50ユーロを超えたことがないけれど、前菜4皿、ワイン2本、チーズと普段よりずっと沢山食べたんだからそんなもの。逆にシャルティエでこんなに食べたことにびっくりしたディネでした^m^;
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