
春の食卓、ホワイトアスパラガスのオランデーズソース
前回のブログの、偶然会ったビルギーの友人たち。
「今夜はどうするの?」のと訊かれて「うちでゴハン食べる」と答えたのがマズかった・・(汗)
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というわけで、私の狭いアパルトマンにおしかけて来ちゃった彼ら。
ホテル・ムーリス(←5つ星)で彼らの泊まっている部屋より狭い私の部屋に入るなり、
第一声が、目を丸くして、C'est petit!(狭い!)
素直すぎる感想ですね・・・。
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日本食が食べられる!と明らかに期待している様子。
前菜に出した、ホワイトアスパラガスのオランデーズソースに、肩透かしを食らったような顔をしていました(・_・)
オランデーズソースとはバターとレモン果汁を卵黄を使用して乳化したソースのことで、このオランデーズソースがかかったホワイトアスパラガスは、ベルギー料理の春の味覚です。
だって朝のマルシェで、とびきり新鮮なホワイトアスパラガスが手に入ったんだもーん。
急遽人数が増えたことに動揺。せっかく湯煎にかけて丁寧に攪拌しながら作ったソースが冷え固まってしまったのを、温めなおそうとして慌てて電子レンジにかけたら分離してしまいました(泣)
それでも、繊細なアスパラガスはシャンパンとの相性がぴったりで、本当に美味しい!
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そして、メインこそ日本っぽい品が出てくると思ったかもしれない彼らを、またもや裏切ってカルボナード。
カルボナードとは、ブラウンビールで牛肉を煮込んで、最後にマスタードを塗ったパン・デピスを加えて、溶けるまでコトコトと煮込んでコクと甘みを出した、ベルギーの伝統料理です。本場とちょっぴり変えて、添えるのをフリットや茹でたジャガイモではなく、ピュレにしました。
例えるなら、彼らにとってカルボナードは日本人にとって肉じゃがみたいな存在。
けれど、お肉はあのユーゴ・デノワイエで買ったものだし、このジャガイモは1キロ8ユーロもしたので(お金を払うときに気がついた 泣)美味しくないわけがない!
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食べなれた味だし、美味しいと沢山食べてくれたけれど、なんとなく納得いかない空気を感じるのは気のせい?
そりゃ、日本人の家に行ったらベルギー人だからってベルギー料理を出されたら嫌よね。私だって、ネタが新鮮でもフランス人の握る寿司やベルギー人の作る懐石料理を食べたいと思わないから仕方ないか(笑)
けれど今夜は彼らが来るとは思わず、そーいう献立だったんだから仕方ない。我慢してもらいます。
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チーズは「ローラン・デュボワ」のサン・マルセラン。たまたま家にあったこの1種類だけだったけれど、美味しいチーズ屋さんが少ないブリュッセルから来た彼らは絶賛していました。
ホッ、よかったー。
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デザートは7区の「ガトー・トゥーミュウ」のヴェルヴェンヌのババ・オ・ラム。
ガトー・トゥーミュウのババは、美しくて、ブリオッシュ生地がきめ細やかで私の大好物。一人用の小さなババより、4〜8人用の大きいババがオススメです。
土曜日の夕方、仕事の帰りにサンドミニク通りのガトー・トゥーミュウに寄るのが、目下ささやかな幸せ♡
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ベルギー人はフランス人よりお酒を飲む量が多いので、ラムが全然足りないと、上からラム酒をさらにドボドボと掛けていました。ヴェルヴェンヌの繊細さは消えるけれど、そのほうが絶対に美味しくなると私も思う。
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食後の談話で、
「あなたの家に招待されて、和食だと期待したらいつも違う」
と言われて、
私「ほら、トンカツを作ったことあるじゃない!」
皆「トンカツ? 」
私「エスカロップ・ド・ヴォー(仔牛のミラノ風カツレツ)みたいに、豚肉にパン粉をつけて油で揚げたやつよ」
皆「そんなもの食べたかなぁ?いつ?」
私「4、5年前かな・・・」
もともと和食党ではなく、和食は日本へ帰ったときに食べれば十分と思っているほど。作るのに手間が掛かるし(作ってもらうのは大好き!)、人をお呼びするときはあらかじめ煮込んでおいて、テーブルから離れなくてよいフランス料理を選んでしまうのです。
サロンの日本人のお客さまの中には、いつも本格的な和食を作るという方もいらっしゃるし、4年に一度の和食ではと、さすがに反省しました。
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それでも、やっぱりホワイトアスパラガスはおお浸しや天ぷらにするより、オランデーズソースで食べたいんだけどなぁ(^-^;
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