
優艶で幻想的な、オペラ・ガルニエ「ジゼル」公演
チケットがどーにもこーにも入手できないと聞いて、はなっから諦めていた今回の「ジゼル」公演。
私の情熱指数は、バレエ<<<アルゼンチンタンゴ なので、次の機会に観ればいいやっと思っていたのですが、バレエの先生の「オペラ座が確保している良い席を当日売り出すかもしれない」という言葉をふと思い出して、オペラ座のHPを覗くと、ポッと一席だけ今夜の公演の席が出ているではありませんか!
ずっと全日程完売だったのに!しかも、私が一番好きな舞台真横のプルミエバルコンのボックス席一列目。
もちろん、即効ゲット。
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バレエの知識が乏しいので、行く前に詳しい友人や先生にメール。
近々この公演を観るために渡仏する友人からは「キャストがイマイチ。私なら行かないけれど、脇役が良いから、脇役を楽しむんだったらいいんじゃない?」との返答が。
バレエの先生からも「キャストが変わったからチケットが動いたのかも」そして、今週だけで3回も観に行く彼女も今夜は行かないとのこと。
がーん。観る前から、ショックな前情報を耳に入れてしまった (-_-;)
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とはいえ貴重なチケットが取れたので、降りしきる雨の中、オペラ座へ。
チュチュや可愛いドレスを着せてもらった、将来のエトワールを目指す小さな女の子達をちらほら見掛けるのも、バレエ公演ならではです。
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席に着く前にバーでシャンパンをいただく。
サロンのお客さまのマダムに実際に起きた、このバーでの出来事。側に立っていた人にシャンパングラスを倒してしまい、慌てて服を濡らしてしまった失礼を詫びようと、その人の顔をふと見たら、50年間にこの回廊で開かれたポリテクニック(←超エリート校)のパーティーで、生まれて初めて踊った男の子だったという。即二人は恋に落ち、1年後に結婚。
それ以来、私がオペラ座に行くと言うたびに、運命の出会いがあるかもしれないからバーでシャンパンを飲むように、と熱心に勧めるのを忘れない彼女。そして、忠実にそれを守って、未だ出会いはない(笑)
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こんな豪華な回廊で、生まれて初めて踊った相手なら半世紀経っても忘れない?
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さて、私が取ったボックス席には私以外に3人の女性と2人の男性がいたのですが、皆んな劇場での顔なじみらしく「やあ!今日はこの席なんだね。昨日はどこの席だった?」と挨拶していました。
会話の内容から察するに、女性は3人とも14日間全日程を(すごい!)、男性2人も配役を変えて3回観る、バレエ大好きな人達らしい。
そして、「きっと今夜は昨夜と比べ物にならないわよ」
「まぁ、人の好みはそれぞれだからこういうのを好きっていう人もいるんじゃない?」と、
案の定、観る前から批評をぶつけ合って、ダンサーを切りまくっていました(-_-;)
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それでも、幕が上がると、舞台に引き込まれてそんな不安も何処かへ。
舞台から一番近いこの席だと、舞台の様子がまじかで見られることはもちろん、舞台の袖で待機するダンサーの様子や、オーケストラも視界内で、舞台の進行がいろんな角度から楽しめるのです(^o^)
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一番感激したのは、パ・ド・ドゥのフランソワ・アリュの見せ場。ダイナミックで高い跳躍力、素早い脚の動きが素晴らしかったです。踊り終えた後、ハァハァと肩を上下に揺らしている姿までじっくり観察(笑)
アルブレヒト役のマチュー・ガニオもハンサムで本物の王子様みたい♡ 2幕目の細い脚の動きが本当に美しかったし、またジゼル役のドロテ・ジルベールの私の手首より細く長い腕や、しなやかな身体にもうっとりでした。
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それにしても・・・
各ダンサーの見せ場でも、滅多なことでは拍手すらしない同席者たち。
フランソワ・アリュには全員拍手。しかしそれ以外のダンサーの見せ場は静観、気に入ったときだけ一人か二人がパンッパンッと2度ほど手を叩くのみ。
彼らの上から目線のピリピリムードに圧倒されて、私もすごく拍手し辛い (>_<)
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そうこうしている間に、あっという間に2幕が終了。
優艶で幻想的な世界にどっぷり引き込まれました。音楽も素敵。
配役を変えて、もう1回、いや3回位は観たい!
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ずーっと上から目線だった隣の席の女性。驚いたことに、カーテンコールでドロテ&マチューに「ブラボー!ブラボー!」と何度も叫んでいました。
休憩中も批判してたくせに。ドロテには一回も拍手せず、マチューには2幕目でようやく2回だけ手を叩いただけなのに?!
ダンサーの表現力や技術は気に入らなかったけれど、舞台全体としてはよかったということかしら?
熱烈なファンは、シビアな目を持つ観客でもあるんですね。
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