CHICHI PARIS ~パリに住むエステティシャンのblog~

マミーのディネ

ジュネーブに住むベルギー人とスペイン人のカップルが訪ねてきてくれたので、せっかくならディネも一緒にどうぞとお誘いして、早速「プップおばさんの料理帖」を取り出しました。

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季節ごとの献立が紹介されていて、例えば冬の献立は {根セロリの千切りサラダ・豚のロースト・栗のケーキ} という具合。

とはいえ、家にある材料で今日すぐに作る、となるとプップさんの献立とおりというわけにいかず、材料がある&食べたい料理をピックアップ。

庭に植えた高さ1メートルにも満たない、ちっちゃなリンゴの樹に実ったリンゴが思いのほか美味しくて、この実でデザートを作りたいと思っていたところだったので、今晩の献立は {チーズのスフレ・キャベツの詰め物・リンゴのアントルメ} に決めました。

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まずは、キャベツの詰め物(シューファルシ)から用意。フランスでは、葉がちりめん状で肉厚な、ちりめんキャベツとも呼ばれるサボイキャベツを使用します。ちりめんキャベツは寒い冬が旬で、ポトフやポテなど煮込み料理に欠かせません。

フランスのシューファルシは一人分ずつではなく、キャベツ状に葉を重ねて、どーんと大きくひとつのまとめて作ります。いつもはひき肉の塊の上に茹でたキャベツの葉を一枚ずつ重ねてゆき大きなボール状にするのですが、レシプに従って一枚ずつ葉にお肉を広げてミルフィーユ状に重ねていきます。

レシピでは、お肉は合挽き肉または豚のひき肉となっていますが、ちょっと変えて、お肉屋さんで挽いてもらって、豚と仔牛のひき肉を500gとソーセージを作るためのスパイス入りの豚のひき肉500g、計1Kgを使用しました。ちりめんキャベツは味が濃いので、ソーセージ用のお肉が入るとキャベツのパンチに負けず、より美味しくなるように思うので、私はシューファルシを作る時はいつもソーセージ用のひき肉をミックスしています。

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白ワインと水、スライスした玉ねぎと人参を鍋に入れて、形を整えて糸で縛ったキャベツをどんと乗せて、弱火で煮込んでいきます。

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キャベツ・お肉・香味野菜だけで美味しい煮汁が出るそうで、本当にその通りだと思うのですが、ここもちょこっと変更して、野菜ブイヨンの素とタイムとローズマリーも加えました。

ジョエル・ロブションのティーバックのブイヨンの素は、野菜の他にチキンとビーフもあり、簡単に本格的なブイヨンが作れるのですごく便利です。

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オーブンに鍋ごと入れて1時間半ほど煮込んだら出来上がり!

昔料理学校で煮込み料理をオーブンですることを教わって以来、煮込みは大抵オーブンでしています。鍋全体に均等に熱が伝わるので、底が焦げることなく、ふっくらと柔らかく熱が加わり、おまけにオーブンに入れたらほっとくだけ。その間火加減を気にせず、他の作業ができるので楽チン♪

スープを味見したらあまりに美味しいので、思いつきでジャガイモを加えてジャガイモに火が通るまでさらに15分ほど煮込みました。スープをたっぷり吸ったジャガイモ、美味いに違いない♡

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前置きが長くなりましが、というわけでディネ。

前菜は、ふわふわのグリュイエールチーズのスフレ。

スフレを食べるたびに、昔コンコルド広場近くにあったスフレ専門店で大きなスフレを食べたときの感動がよみがえります。それまで甘いスフレしか知らなかったので、塩味のスフレにびっくりしました。

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メインは先ほどのキャベツの詰め物、シューファルシ。

お、美味し〜い!!!!

お肉と葉をミルフィーユ状にしているので、味がよーくからまっていて、キャベツが美味しいこと!

ジャガイモも味がよく染みていてホクホク。スープも透明で深い味わい。

今まで作っていたトマト味のシューファルシもなかなかイケていると密かに自負していたけれど、コロッと心変わり。これからはシューファルシは絶対にミルフィーユ状に決まり!

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デザートは、リンゴのアントルメ。

プップさんのおばあさまが料理帖に残し、約150年、門外不出だったレシピだそう(すごい!)。

リンゴをお砂糖で煮て、バニラとオレンジピールで風味をつけます。リンゴがやわらかく煮えたら、オーブン皿に入れて、さらにオーブンでリンゴが飴色になるまで焼きます。

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よーく冷やして、クレーム・アングレーズを添えていただきます。

タルトタタンのリンゴだけのような感じです。デザートならタルトタタンよりこの方が、軽くてエレガントですね。

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みんな、本当によく食べました!どれも、すっごく美味しかった〜(*^o^*) 

ゲストの友人が一言。「僕のマミーの味だよ!日本人の君がマミーの味を作れるなんて感激だ!」

うふふ、プップさんと彼のマミーは同年代だものね。彼のマミーが生きていたら108歳。子供の頃、あんな料理を作ってくれた、こんなグテ(おやつ)を作ってくれた、とマミーの料理話に花が咲きました。

 

☆パリのエステ・顔ヨガサロンはChichi Paris    www.chichiparis.fr

 

 

chichi

立神詩帆 / Shiho Tatsugami
2002年渡仏。エコール・フランソワーズモリスで学び、エステティック・コスメティックCAP国家資格を取得。2011年からパリ7区でエステサロンCHICHI(シシィ)を自営。All About のフランス流美容ガイドとして、パリジェンヌから学ぶ美容情報やライフスタイルに関するコラムを掲載中。
好きなものは、フランスの食文化、1日の終わりのアペリティフ、アルゼンチンタンゴ、旅。

www.chichiparis.com
https://allabout.co.jp/gm/gp/1693/
Instagram: @chichi_paris7

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