
閑臥庵の普茶料理
前回のブログの閑臥庵ですが、個室でお食事もいただけます。どちらかというと、食事の方がバーを利用するようです。
日を改めて、大阪からやってきた友人ふたりとのランチに庵で待ち合わせ。
昔ホテルのスパに勤めていた時分にお世話になった方と先輩ですが、彼女達と会うのは何年ぶりだろう・・? 渡仏以来、連絡が取れなくなったのですが、ずっと会いたいと思っていたらひょんなことから、帰国直前にまた繋がることができて、久しぶりの再会となりました。
会うなり、「元気??懐かしーい!!」と一気に昔にタイムスリップ。
長年会っていない間に、Sさんはママになり今やエステスクールの経営者、Mさんはサロンを開業する傍ら通訳業など多方面で活躍し、そして私も再渡仏して仕事をするようになり、それぞれ人生の変化がありました。
さて、まずはお抹茶と干菓子が出されます。江戸初期に中国からもたらされた精進料理の普茶料理は油を多く使い、大皿でとり分ける料理が多いこと、5色の色使いに意味があること、出汁は昆布でとること、胡麻豆腐が代表的な普茶料理であること、また料理の呼び方などを、庵主の方が丁寧に説明をしてくださいました。
どの品も繊細で上品な味。塩を一切使っていないのに、出汁がしっかりとしているので非常に満足度があります。
話を友人に戻すと、「やっぱり日本人の同僚っていいなぁ」と心が温かくなりましたね〜(^O^)
フランスでは、仕事仲間としょっちゅう「Boire un pot(ボワール アン ポ)」と言って、仕事後に職場で「一杯やりましょう」といういうことはある反面、職場を離れるとプライベートに切り替えて一緒に出かけることは稀ですが、私にとって日本で働いていた頃の思い出は、仕事後にいつも同僚たちと一緒に食事や呑みに出かけたり、お互いの家に遊びに行ったり、とプライベートを共有していたことで、こうして今も友情が続いていることはすごく嬉しいことです。
一通り近況報告が終わって、思い出話に花が咲いたのですが、同時に顔から火が出るような恥かしい過去も蘇ってきてしまいました(汗)
今だから書けるけれど、当時、一生立ち直れない(とその時は思った)大失恋をした私を少しでも気分転換させようと、大阪のリッツ・カールトンのランチに連れ出してくれた彼女達。他のお客さんがいるのも憚らず、大泣きしながら事の顛末を話し、前菜とパスタとメインを食べていたそうで、かなりのインパクトだったらしいです・・・。さらに、別室に用意されたデザートビッフェも腕を支えられるようにしてよたよたと取りに行き、泣き崩れながらも涙と一緒にケーキを頬張っていたとか(~_~;)
細く千切りして水にさらしたジャガイモの酢の物。シャリシャリの歯触りが美味。
話を聞いているうちに思い出した!
リッツでのランチの後は、当たると評判の占い師がいる占いの館に付き合ってくれて、茶髪で、スーツもスカーフも靴も全部ヒョウ柄だけど、そのヒョウ柄模様がちぐはぐ&全部の指にゴールドの指輪という、大阪ファッションの間違えた見本のようなマダムに占ってもらったら、「復縁はできない。ご苦労様ってお金をそっと渡してあげてたら彼は離れていかへんかった。」と告げられて、ますます不幸のどん底に突き落とされたのでした(笑)
その後も紆余曲折あり、どれも墓場まで持っていきたいほどの恥話ばかり。
その都度付き合ってくれた友人たちや両親に感謝してもしきれないですが、そうやってもがいて考えて色々と行動したことが、結果的に再びパリで仕事するきっかけに繋がったのだから不思議なものです。人生どんな経験にも無駄はなし。
揚げたそうめんをクリのイガに。中はサツマイモを濾して練ったもの。
さて、お料理は写真の品以外にもたくさん出されましたが、それぞれ野菜の旨味がしみじみと体に行き渡り、体が欲している清々しさを感じさせるのが普茶料理だと思いました。
毎日ここで食べていたら、健康的にスルスルと美しく痩せれそう。
食後、先述の庵主の方が他の部屋や宮家の方が使われる部屋や庭を案内してくださり、陰陽師の所作についてなど、興味深い話をユーモアを交えてたくさん聞かせてくださいました。
友人たちも京都らしいとすっかり閑臥庵が気に入って、早速次回の食事会もここに決まりました(^O^)/
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