
ニック・フーケのハット&ヤン・クーブルーのパリブレスト
ファッションウィークの間、パリに滞在しているハットデザイナーのニック・フーケにハットをオーダーするというフランス人の友人と、彼らが滞在しているマドレーヌのホテルを訪ねました。
フレンドリーに出迎えてくれたニックとアリー。友人は彼らがファッションウィークのため年に4回渡仏するたびにハットをオーダーするので、その度に付き添いの私も顔見知りになりました(^o^)
彼らにお菓子を買って行こう!、とシャンパンとお気に入りのパティスリー「デ・ガトー・エ・デュ・パン(Des gateaux et du pain)」のケーキを持って行ったら、ニックも「僕もヤン・クーブルー(Yann Couvreur)」のケーキを買ってきたところだよ」と喜んでくれました。
「ヤン・クーブルーのパリブレスト!」と、ちらりと友人を見たら目が合ってニヤリ♡ 二人とも甘いものが大好きで、今度はここのケーキを試そうと話していたので内心二人で小躍り。
ケーキを食べながら、世間話とオーダーするハットの相談。ニックのHPからもオーダーできるけれど、こうして直接オーダーすると、デザインやツバの幅まで細かいところまで自分にぴったりと合うものを作ってもらうことができます。友人はオーダーしてから次期ファッションウィークに、ニック本人から受け取るのを楽しみに待っていて、いつもハットを脱ぐたびに型崩れしないよう木型のハットキーパーを入れて、ハット専用の小さなブラシで手入れしています。
ハットの内側はシルクの布地、後部には目印の小さなリボン。箱も含めて、ハットの内側も美しく、どこから見てもカッコイイ。
価格は1500ユーロ前後。ニックによると平均月に350個の注文があるそうで、それだけファンが多いという証。
最初に希望していたブラックチェリーの色ではなく、春夏にもっと明るい色がいいと、ナチュラルベージュにアイボリーのリボンを選択。写真のデザインに、ニックがトレードマークのマッチにデコレーションを増やして遊び心を加えることになりました。
にこやかにお別れの挨拶をして部屋を出た途端に、
友人:おい、見たか?!(怒)
私:見たよ〜。あなたが何か言い出すんじゃないかと思ってヒヤヒヤした!
実は、ニックは私たちがお土産に持っていったケーキと彼が買ったケーキの両方の箱を広げたのに、お土産のケーキを皆んなで食べている途中にさりげなく彼のケーキの箱の蓋をしまって、キッチンへ持って行ってしまったのでした。
友人:どうしてパリブレストを僕たちに食べさせてくれなかったのかな?どういう気なんだ?(怒)
私:単に多いと思ったんじゃないの?心理は精神科医のあなたの専門でしょう?
友人:心理なんて関係ない!きっとマル・エルべ(Mal elevé! :躾ができていない)なんだよ!
フランスでは、躾のできていない子供やそのまま育った大人を「マル・エルべ」と表現して、よく使う表現です。友人は、いつも高価なハットをオーダーしているのに、ニックがケーキを見せるだけでキッチンへ持って行ってしまったのがショックだったようで、その後も数日間「ニックのパリ・ブレストが・・・」とブツブツとぼやいていました。
そして、次回ニックに会うときに、ヤン・クーブルーのもっと大きなパリ・ブレストをお土産に持っていくそうな。フランス人のお菓子の恨みは深い(笑)
(注)ニック・フーケはとても親しみある男性です!
Nick Fouquet
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