
フランス人が大好きリ・ド・ヴォー
ブタペスト在住の友人が来ていて「何が食べたい?」と訊くと「リドヴォー!」。リドヴォー(ris de veau)とは仔牛の胸腺のことで、フランス人はリドヴォーが好物という人がとても多い。私が生まれて初めてリドヴォーを食べたのは、30歳の誕生日を祝ってもらったプラザアテネホテルのアランデュカスでした。ちょうど歯列矯正の器具をつけた数日後で痛くて食べられない状態でレストランに行ったのがそもそもの間違いだったのですが、ふわっとしていて柔らかいよとレストランの方に勧められるまま口にして苦手な臓物系だと分かってもすごく後悔したのでした(>_<)
前置きが長くなりましたが、そんなわけでいつもリドヴォーがメニューにあるレストラン「NEVA」へ。
前菜はうなぎのコンフィ。友人は最近アルコール禁止のイスラム教徒の国からブタペストに引っ越したばかり。フォアグラとワインが好きな彼女にとって、ワインが飲めて、フォアグラの生産量世界一のハンガリーはさぞ暮らしやすいだろうと思っていたらそうでもないとのこと。私が20年近く前最後にハンガリーに行ったときはまだ東欧色が色濃く残っていると感じたけれど、今まだ色々な面でその名残がありなかなかスムーズに事が運ばない事も多いのだそう。
彼女のメインは当然リドヴォー。気が変わって、私もアランデュカス以来口にしていなかったリドヴォーを頼むことに。注文するとき、「カリカリに焼いてね(通常リドヴォーは外側をカリッと焼きます)」と頼んだら、サーヴィスのムッシューがオーダーの紙に「Très Très Très Très Très croquant !(ものすごーくカリカリ!)」と書いてました(笑)
さて、出てきたリドヴォーは外側がカリッ、中はふんわり柔らかで長年苦手だと思い込んでいたのに食べることができました。ただしメニューには説明がなくオーダーのときは分からなかったのですが、この日に限って醤油を使った照り焼き風味のリドヴォー、付け合わせはほうれん草のお浸し風で、私は和食よりフレンチ派で照り焼きはあまり好みじゃなく、どうもリドヴォーとは縁がないなぁ〜とちょっと残念でした。
デザートは、ここのスペシャリティーのチョコレート。チョコレートのボールに上から熱々のチョコレートソースを注ぐとチョコレートのボールが溶けてアイスクリームが顔を出します♡
ところで、前回ブログで新しいベットを買ったことを書いたけれど、夏にダニにかまれたので布団と枕を捨てたんです。デパートに布団を買いに行ったらガチョウの羽布団を勧められたけれど値段がすごく高い。一方、敬虔なクリスチャンの友人からは修道女が羽布団を作ってくれるところがあるからそこで買うように強く勧められて修道院に問い合わせたら、フォアグラ生産で有名なペリゴールのガチョウの羽を使ってオーダーメイドで作るので2〜3ヶ月掛かるとのこと。他方、動物愛護主義者の友人からは羽をむしられたガチョウの写真が送られて来て、ポリエステルの布団を買うように言われ・・。只今布団と枕がなくて、ホテルのようにフラットシーツと毛布で寝ていて、暖房しているからそれでもOKなんですが、寒さが増してきて布団が欲しいなぁと思っている、という話を友人にしたら、「ガチョウの羽布団はハンガリーで買うのがお勧め!」。
さすがフォアグラの国だけあり、ガチョウの羽布団がフランスの半額ほどで買えるらしく、ハンガリーを訪れるツーリストは皆んな羽布団を買うらしい。ハンガリーで温泉に入って羽布団を買うのもいいなぁ、なんて考えているうちに冬が終わってしまいそうだけど(笑)
*NEVA Cuisine
2 Rue de Berne, 75008 Paris
https://www.nevacuisineparis.com
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