キツネ印のヤン・クーヴルーのお菓子
ファッションウェークが始まると忙しくなるからと、その前日に来てくださったお客さまのKさんからお土産を頂きました。ぺバーミントグリーンの箱とキツネの紙袋が可愛いヤン・クーヴルーのケーキ!
「本当はお好きだと言ってたル・ムーリス のセドルック・グロレのケーキを持って来たかったのに、店に土曜日まで閉店の張り紙がしてあったので、ヤン・クーヴルーに行ってきました」
彼女のお宅、うちの店、セドリック・グロレの店、ヤン・クーヴルーの店はバラバラの場所にあり歩いていける距離ではなのです。エステに来る前にわざわざセドリック・グロレの店に行き、さらにヤン・クーヴルーの店まで足を運んでくださったお心遣いが嬉しくて心が温かくなりました。
エステをしながら、
Kさん:でもどうしてセドルック・グロレが急に閉まってたのかしら?
私:今スキーバカンスの期間だから、もしかしたら彼もスキーに行ってるのかも。
Kさん:そういえば、彼のインスタに雪山でスノボーしている写真があった!
フランスの学校は6週間ごとに2週間のバカンスがあり、その期間大人もバカンスをとる人が多いのです。日本だと店をしょっちゅう閉めていると潰れてしまいますが、「バカンスだから閉めます」というとお客さまも「あっそう!」と納得してしまうのがフランスです。
さて、仕事が終わって店を出た途端に急にどしゃ降りの強い雨。エステの予約をしていたので風で傘を飛ばされそうになりながらシャンゼリゼまで行き、雨の中歩いている間に紙袋が濡れて破れてきたのでヒヤヒヤしました。エステサロンに着いたら「ケル・クーラージュ!こんなひどい雨の中来るなんて、なんて勇敢なの!」と驚かれました(笑)エステをしてもらっている間ケーキを冷蔵庫に入れてもらい、また雨の中紙袋を抱えながら大切に持ち帰りました。
私がパリで一番美味しいと思っているヤン・クーヴルーのパリブレスト。トロッとゆるめのクリームとカリカリのプラリネがすっごく美味しい。Kさんは私がこのパリブレストが大好きだと知って選んでくれたのです。
もうひとつはKさんオススメのコロンとした形がかわいいレモンと青じそのタルト。タルトにたっぷり詰められたクリームが爽やか。青じそのおかげでレモンの酸味が少なくなり、まろやかな優しい味でした。
Photo: Food&Sens, Yann Couvreur
今パリでは才能ある若くてハンサムなパティシエの活躍がめざましい。
その中のひとりがヤン・クーヴルー。キツネ印が目印です。
ARCHIVE
MONTHLY