フランス家庭料理トマト・ファルシでピクニック
バカンスでフランスに帰省していたNY在住の友人Aと彼女の息子が明日NYへ戻るため、彼女らと彼女のお姉さんカップルとディナーをすることになりました。
急に決まったディナーだったので、朝早起きして手取り早くできるパンナコッタを6人分作って冷蔵庫に冷やして、ハチミツと抹茶のマドレーヌを焼いておきました。アパルトマンの中庭でピクニックすることにして、夕方仕事から帰宅して急いでテーブルを用意。
さあ、料理しようとキッチンに立ったらAからのメッセージに気が付きました。「ちょうどパリに来ているアルメニア人の友人家族も呼んだからよろしく♪」
もぉぉぉ〜っ(怒)。゚(゚´Д`゚)゚。
Aがパリに到着した日も中庭でピクニックをしたのだけれど、7人の予定が前日に4人増え、当日うちに到着したら前触れもなく更に3人増えていて、しかも彼らの友人ではあるけれど私の知らない人達を勝手に招待していて、ピクニックの翌日から私は2日間寝込んだのでした。
彼女は料理をほとんどしないため、人数が増えるとそれだけ買い物や料理の量も増えるということがピンと来ないらしい。料理はオーブン料理だからなんとかなってもデザートは絶対に足りない。もう私は知ーらない!
ついさっきビアリッツの別荘から戻って来たばかりのAは、少しは悪いと思ったのかなぜか六角形にスライスしたスイカを持参(笑)ちょうど良いや。デザートの足りない分はスイカでカバーしよう。
お姉さんのパートナーはワイン狂で、すごく美味しいシャンパンやワインを持って来てくれて、ようやく私のイライラもおさまりました。
前菜はピサラディエール。パイ生地にじっくり飴色になるまで炒めた玉ねぎとアンチョビ、オリーブを乗せて焼いた南仏の料理です。人数が増えたので、先日訪れたサルトル=ヴァル ド ロワールの、毎年リエットコンクールで金賞を獲り続けているお肉屋さんが作った豚のリエットや燻製肉も追加。
メインはトマトのファルシ。日本ではピーマンの肉詰めに比べてトマトのファルシはあまりポピュラーではないようですが、フランスの夏の家庭料理の定番で、必ずお米を付け合わせます。ファルシ用のすでにスパイスが加え混ぜられたひき肉がお肉屋さんで売られていますが、私はスパイスが強すぎる気がするので、ファルシ用の肉と同量の豚肉などを別に挽いてもらい混ぜています。トマトに挽肉を詰めてオーブンで焼いたら、たくさんの肉汁とトマトの果汁が溢れ出すのでそこに生のお米を加えて、更にオーブンで焼いて肉汁とトマトの果汁でお米を炊き上げます。
皆んな大絶賛!特にお米が美味しい、美味しいとたくさん食べてくれました。
日本人は自宅に人を招くとき料理は多めに用意して、おそらく残る位でちょうど良いと思うのですが、フランスではお皿に料理が残っていると「美味しくなかった」ということになります。そのせいか、フランス人、特にパリジャンのお宅に招かれると、人数分きっちり或いは少なめで「もうちょっと食べたいのになぁ」と思うことがしばしばあり、その「もうちょっと」をチーズやデザートでカバーするわけですが、料理が苦手な人の家に呼ばれたらかなりの確率でひもじい思いをして帰宅することになります。
いつも私はフランス人から「食べきれない!多すぎる!」と言われるけれど、そのおかげで急に人数が増えても対処できたんだから、やっぱり日本のように多めに用意するのが正解だと思うなぁ。
いつも勝手に人数を増やす友人Aはケロっとしたもので「これがアミチエ(友情)なのよ!前もって約束して待ち合わせするなんて水臭くて嫌い。私は友人が突然訪ねて来てもウェルカム。思い立ったらすぐ会えるのが本当の友人ってものよ」と言うけれど、
「それなら自分の家でやってくれー!!!」っと、心の中で叫ばずにはいられませんでした(´Д` )
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