観客も参加する舞台「Les Inassouvis」
舞台俳優の友人が「舞台の評判が良くてロングランになったから今度は関係者を招待して公演することになったんだ!君の名前も招待客リストに入れておくよ」と誘ってくれて、舞台「Les Inassouvis」を観て来ました。Inassouvisは欲求不満という意味のフランス語です。
受付で、演者が迎えに来るからワインを飲みながらバーで待つように言われ待っていたら、くすくす、イヒヒと意味不明の言葉を笑いながら囁いたり怒鳴ったりしながら、ゾンビのような衣装を身に着けた演者が続々と登場。次々に観客の腕を取って、囁いたり戯けたりしながら地下の舞台に連れてゆくというユニークな開演でした。
「キューン。クンクン」大きな犬が手を舐めて来たので驚いて手を振り払ったら、なんと肌色のラクダシャツと股引を着て、四つん這いになって、首輪をつけて鎖で繋がれ、しかもエリザベスカラーを着けられた犬になりきった友人でした!手を舐めた悪さをしたためか(?)鞭で打たれて、怒られながら鎖を引っ張られてしょっぴかれてゆく犬、というか・・・友人(汗)
舞台と観客席の境目が曖昧で、観客をほとんど強制的に参加させて進行。役を与えたり、踊ったり、歌ったするように言われてもフランス人はノリノリで参加。芸達者な人たちです。幕間もゾンビに腕を組まれてバーに連れていかれて野菜のスープを皆んなで食べるという具合で、いつゾンビに連れていかれて一緒に踊ったり舞台に引っ張り出されるかと、消極的な日本人の私は、まるで先生に指されませませんようにとドキドキハラハラする学生のように緊張しました。
こういう演出もあるんですね。今まで知らなかった演出法でしたが、理解するというより心で感じて新しい世界に触れるというふうで、とても面白かったです。最初犬だった友人も途中からゾンビに昇格していて良かった )^o^(
この劇場(Théâtre Elizabeth Czerczuk ,T.E.C)で上演される演劇は、どれもゾンビみたいな衣装と動きをする一風独特な演出が特徴で、劇場の中も一歩足を踏み入れると、独特の世界が広がっています。
後日友人と会ったとき「絶対に好きそうな世界観だと思った!」と言われたけれど、そういうふうに思われているのは、喜んで良いのか悪いのやら・・・(^_^;)
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