日本人と全然違うフランス人気質
バスに乗っていたときのこと。曲がり角を曲がった途端にキキキーとブレーキを踏んでバスが停車。
フランスでは停留所が急に変わったり、急に乗客は全員降りてくれなどの急な変更は日常的茶飯事。また何かあったのかなと思っていたら、バスの運転手が勢いよくクラクションを鳴らし始めました。そして・・・数分後、ずーっと鳴り響き続けるクラクション。さらに、バスが狭い道を防いでいるせいで前に進めない車もクラクション鳴らし始めたり、イライラして怒鳴ったりし始めて、うるさいったらない!
どうやら、曲がり角の横断歩道にはみ出して路上駐車している自動車のせいで、バスが曲がり切れずに停車。そこで、車の持ち主がまだすぐ近くにいると考えた運転手がクラクションを鳴らしたという訳らしい。
ところが、いつまでたっても持ち主現れず・・・(汗)
「大丈夫、ギリギリ曲がれるよ!」という乗客達の声を頑として否定する運転手。
乗客のひとりの女性はトットと諦めて、非常識な車の持ち主を罵倒しながら下車。フランスでは怒りながらブツブツ言ったり怒鳴ったりしてひとりで道を歩いている人をよく見かけるけれど、感情を押し殺すのが苦手らしい。
そのときパトカーが通りかかり、乗客達が叫んでパトカーを止めようとするも、ポリスのお兄ちゃん達は気が付かず通過。バスが道の真ん中にデーンと停まってるのに気が付いないってことある?!もしかして無視?
続いて、青色灯を点けた白い車が近ずいてきたので、ポリスか?っと乗客一同が一瞬沸き立つも、ひとりのマダムが「あれはね、刑事の車よ。だからバスのことは管轄外よ」と自信たっぷりの知ったかぶり顔で言ったため、皆んな白い車はスルー(笑)
そして、ここで驚きの展開が。「会社に連絡したから待つしかない」という運転手をよそ目に、乗客達がどうするかを相談し始めたではありませんか(爆)
あーだ、こーだの話し合いの中、ムッシューが問題の車のドアを勝手に開けたらなんとロックされていないことを発見。車を動かしたら簡単だとバスの運転手に訴えるも運転手は拒否。
だったら勝手にサイドブレーキを下げて、皆んなで押して車を動かしちゃえーっとあっという間に話が纏まった。男性はバスから降りて車を押すように指示するムッシュー。
ギアを下げたムッシューと他2名の男性、さらに後から参加した女性計4人で押したその顛末はというと、車の前のポールに車が激突。ついでにその前のバイクも倒れて、結局バスが曲がれるスペース作れませんでした(汗)
なんでも自力で解決してしまおうというフランス人はよほど暇なのか、それともDNA?普段は個人主義なのにいざという時の結束力は強いものね。デモやストが多いし、きっとフランス革命もこういう風に起こったんだろうなぁ。
結末を見届けたかったけれど、次の予定があり残念ながら時間切れ。実はこの道から数十メートルも歩けば同じ方向へ行くバスがいくらでも走っているのです。すぐに他のバスが来て乗ったら、降りる直前で「只今道路が通行止めになりました。ルートを変更するので終点までバスは停まりません」とのアナウンスがあり、結局終点から20分もトボトボと歩いて帰宅する羽目になりました・・・。
ムッシュー達はどうしたのかなぁ?あのときバスを降りなかったらもっと早く帰れてたりして。いっつもこんなことが起こるから、フランス人は自力でなんとかしようとするんだと、歩きながら悟りました。
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