パリで春節のお祝い

何度かパーティーで会ううちに、仲良くなった中国人の友人から春節を祝うパーティーに招かれました。彼女とそのパートナーは、パリ郊外のセーヌ川に浮かぶ小島にある、セーヌ川を見渡せる広い庭やプールがあるそれはそれは素敵なお家に住んでいます。

遅れて着いたら既に招待客は皆んな到着していて「ニーハオ！」と一斉に挨拶されました。というのも、てっきり招待されているのは中国人の方達かなと思っていたら来ていた全員がフランス人で、先に到着していた彼らも私を見てやっと中国人が来たーっと思ったらしい（笑）

アペリティフでは、やはりフランスでも感染者が見つかった新型コロナウイルスによる肺炎が話題に上がりました。パリでも中国人のツーリストが薬局でマスクを大量に購入している姿を見かけるし、インフルエンザにかかっても絶対にマスクをしないフランス人ですが、とうとう今朝マスクをして歩いている人を見かけました。

さて、サロンでのアペリティフの後はテーブルに移動して食事ですが、実はテーブルに着席するのはドキドキする瞬間です。フランスでは男性と女性が交互に座ることになっていて、ホストが席を決めるのですが、フランス人並みの会話力がない私にとって会話が弾むかどうかは隣に座る人次第。自分の席を探すと、彼女のパートナーの隣の席に自分の名前プレートを見っけ！大人数の食事の場合、ホストの隣の席は特に大切なゲストという意味合いがあるし、彼はとても親切で優しい人なのでホッと胸を撫で下ろしました。

前菜はネムと生春巻き、そして焼き餃子。レストラン以外で中国の方が作る本格的な中華料理が食べるのは初めてなので楽しみにしていたんだけれど、餃子以外はレストランにケータリングしてもらった料理で、餃子は彼女が生まれて初めて作ったということが判明。中国人にとって餃子作りはお手の物だと思い込んでたけれどそうでもないのね。

私も和食をほとんど作ったことがないので、本格的な和食を食べられると思って私の家に来たフランス人の友人達がフレンチを出されて拍子抜けするのと似ているかもしれない ^m^

でも今日のために北京に住むお姉さんから餃子の作り方をレクチャーしてもらったとのこと。餡を入れて包んだ餃子を茹でて、さらにオーブンで高温で焼いたら硬くなっちゃったと言っていましたが、それでも小麦粉を練って作った皮は厚みがありモチモチ、きれいな半月形に包んであって、初めてでこんなに上手に作れるなんてさすが幼いときから慣れ親しんでいることはあるなぁと感心しました。私が餃子の皮が麺棒で上手に伸ばせないからパスタマシーンで伸ばして丸型でくり抜いてると言ったら驚かれました。

メイン料理は、北京ダック、豚肉の炒め物、炒飯、焼そばと豪華！北京ダックがすごく美味しかった。

レバノン出身の人がいたのと私が日本人なので、会話はカルロス・ゴーン氏の話題に。お正月の会見は日本で見ましたが、日本人と私の周りのフランス人の感じ方の違いの差が大きくて面白いと感じます。どうやって国外に出たかはノーコメントで、ひたすら妻に会えなかった辛さを訴えて、日本の司法制度を批判するゴーン氏の会見は結局何を言いたかったかが不可解というのが大方の日本人の感想のようですね。他方、愛する妻に会えなくて本当に辛かっただろうなぁ、日本の司法制度は確かにおかしいんじゃないの？、どうやって国外に出たかなんてもう済んだことを今更説明する意味はない、というのが私の周りのフランス人の捉え方。２時間半も同じことを繰り返し主張していたゴーン氏は日本人からしたら不理解だったかもしれないけれど、フランス人にとって自分の正当性と感情を長々と訴えるのは当たり前のこと。少なくとも私のフランス人の友人達は皆んな納得していたし、家族との結びつきが強いレバノン出身のゴーン氏が長い間奥さんに会えなかった悲しみが心に響いたようです。レバノンでは日本政府がこの問題に終止符を打つためにゴーン氏を国外に出したんじゃないかとも言われているとか。さすがにありえないと思うけれど・・。

デザートはフルーツの盛り合わせ。ざくろ、ドラゴンフルーツ、マンゴスチン、ライチ、柿、クレモンティン。

「果物の女王」と呼ばれるマンゴスチン。初めて食べましたが、柔らかくて上品な甘さで、ライチにような味です。皮が真っ赤で中に黒くて小さな種が沢山入っているドラゴンフルーツは、見かけとは違ってあっさり。低カロリーで食物繊維が豊富なので女性に嬉しいフルーツですね。

食事の後は男性達は葉巻とコニャック、女性達はプチフールを食べながらおしゃべり。婚約したばかりのカップルの秋に予定している３日間もの大きな結婚式の話と、ダイヤモンド商の人がいたのでダイヤの話で女性達は大盛り上がりでした(^o^)

そして、ダンス！ダンス！ダンス！

皆んなは小島の住民なので、まだまだ残って楽しんでいたけれど、私は午前２時には猛烈に眠たくなってパリへの帰路に就きました。40〜６０代の集まりだったのですが、皆んなすっごい元気！彼らの湧き溢れるパワーに日本人は叶いません。

こうして、初めての春節のパーティーは、心温まるもてなしと美味しいお料理で忘れられない楽しい夜となりました。