パリの魅力が詰まった、アラン・デュカスのセーヌ川ディナークルーズ
昨年秋に就航したアラン・デュカス氏の船上レストラン「デュカス・シュール・セーヌ」。アラン・デュカス氏プロデュースということで、今までのツーリスト向けのセーヌ川クルーズのイメージを払拭。船内の厨房で調理される本格的なフレンチが話題になっていてぜひ乗ってみたいと思っていたら、友人が経営する会社の創立100周年記念パーティーの招待状が舞い込みました。
場所は「デュカス・シュール・セーヌ」!わーい\(^o^)/
エフェル塔の真ん前、イエナ橋の桟橋が乗り場。この景色、まるで映画!船に乗る前からテンションが上がります♪
実は「デュカス・シュール・セーヌ」に乗りたかった一番の理由は衛生状態。今まで4区、5区、6区といつもセーヌ川の側に住んでいますが、夜が更けると川縁で必ず目撃するのが小さなネズミ。そして「ラ」と呼ばれる体長30〜50センチもある巨大ネズミ!パリのカフェは夜が更けると小さなネズミがチョロチョロとテーブルの間をすり抜けて行くけれど、川沿いの歩道や船上のネズミに比べたらまだ可愛いものです。趣味のアルゼンチンタンゴのレッスンやダンスパーティーは、定休日の船上レストランを借りて行われることがよくあり、まずは巨大ネズミが走る川沿いの歩道を歩いて船まで行き、優雅に踊っているように見えて、実はフロアを右へ左へ走り回るネズミを「こっちに来ないでー」と横目で追いながら踊っているのです(汗)とっても素敵でロマンチックなセーヌ川の船上カフェやレストランですが、実情を知っていると食べ物や飲み物を食べる気には到底なれません・・・(>_<)
ところがこの「デュカス・シュール・セーヌ」は厨房はもちろん船の中のあらゆる所に徹底して防鼠システムが施されていて、ネズミやラが一匹足りとも侵入できないらしいのです。以前お目にかかった時に、厳しいプロフェッショナルな印象を受けたけれど、さすが巨匠アラン・デュカス☆
船内はシルバーで統一された大人の雰囲気で、天井の照明がキラキラと輝き、対岸の光と相まって美しい。
友人の会社は主にコスメや香水の容器のフタを専門にデザイン・製造していて、船の飾り棚にも並べられていました。いつも家に呼んでくれるのでフタを作っていることは聞いていたけれど、こんなに多くの製品を手がけていたなんてすごいと驚きました。
7時半出航。カクテルが終わる頃、船がゆっくりと進み始めました。橋を間近に、しかも横側から見ると新鮮に感じます。
各々が自分の席に着席し、友人のスピーチでディナーがスタート。会社の歴史や関係者や従業員への感謝を述べる彼はいつも見る姿ではなく、大勢の社員に愛されている社長の姿でした。
さて食事ですが、期待通りとても美味しい!友人はワインをこよなく愛する美食家で、この日のために特別メニューを組んでもらったと言っていましたが、船でこんなにクオリティーの高いワインや食事をいただけるとは思いませんでした。
船は白鳥の島をぐるりと周遊。再びエッフェル塔を通り、グラン・パレ、コンコルド、チュイルリー公園、オルセー美術館、ルーヴル美術館と進みます。
ジュリエット・ビノシュとドニ・ラヴァン主演の映画「ポンヌフの恋人」で有名なポンヌフの橋を潜ったところがシテ島。火事で焼け落ちてしまったノートルダム大聖堂を眺めながら、私がパリで一番好きなサン=ルイ島に到着。続いて、夏にタンゴを踊るティノ=ロシ庭園、植物園、そして夜空に浮かび上がる蛍光グリーンの建物アンスティチュ・フランセ・モードが見えたらUタウンして水路を引き返します。
招待客は会社の支店や工場がある地方から来ている人も多かったので、皆んな食事と会話の合間にしっかり景色に魅入っていました。
デザートのショコラを食べて、 食後のエスプレッソを飲み終えた頃、約2時間半の船の旅も終了。エッフェル塔がピカピカと煌めく絶好のタイミングでイエナ橋に戻って来ました。
次々と現れるライトアップされたパリの名所を進む美しい船、美味しい食事と気持ち良いサーヴィス。パリは世界で一番美しいガストロノミーの街ですが、「デュカス・シュール・セーヌ」はそれをぎゅーっと凝縮して体感した素晴らしい体験でした。もちろんネズミは一匹も現れませんでしたよ!
記念に貰った食事のメニュー。浮き出たパリの地図に波が立っているデザインがおしゃれです。
今回は小雨が降った寒い日でデッキに出れなかったので、春か夏にまた乗ってみたいな。昼か夜か迷うところですが、やっぱりパリの夜景の美しさに敵うものはないですね♡
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