マスク着用の7月の結婚式

デコンフィヌモン（外出禁止措置の解除）以来初めての本格的なお出かけは、友人カップルの結婚式でした。

結婚式といっても日本のような披露宴ではなく、マリアージュ・シヴィル（Mariage civil）と呼ばれる役所での市民婚です。フランスでは市民婚が義務付けられていて、教会で式を挙げるにしてもまずその前に地区の役所で市民婚を済ませなければなりません。市役所にはサル・ド・マリアージュ（Salle de mariage）と呼ばれる婚姻専用のサロンがあり、そこで親族や新郎新婦のそれぞれの証人、友人らが見守るなか市長（または市長助役）の前で婚姻の宣誓をします。

コロナの影響で週末に予定されていた教会での式とパーティーは秋に変更になったので、今回は１６区の市役所での市民婚のみ。親族に高齢者や持病がある人がいるため、参列者全員が直前にPCR検査を受けました。

市役所の入り口で手をアルコール消毒して、サル・ド・マリアージュに入る前にもう一度アルコール消毒します。サル・ド・マリアージュの中に入って着席したらマスクは取っても可、椅子は２席空けて座ります。１６区のサル・ド・マリアージュは広いので大人は２０人まで入室が許可されていましたが、先日ブライダルエステをしたお客さまはパリ郊外の市役所での式で、サル・ド・マリアージュが小さかったため新郎新婦とそれぞれに1人の証人の４人しか入室が許可されず家族は外で待っていたそうです。

結婚行進曲の音楽が流れ始めたら出席者は起立。トリコロールのタスキをかけた市長助役が現れて壇上に上ります。通常は、婚姻に関する憲法と婚姻契約を結んだ日付けや、新郎新婦や両親、証人の名前や生年月日、職業などを読み上げて、新郎新婦および証人が婚姻届けにサインして、指輪の交換と誓いのキスをする流れで３０分も掛かりません。

ん？？？ところが、市長助役の話がやたらと長い！社会情勢の話から始まり、新郎新婦やNYやロンドンから来ていた証人や親族達の仕事やアメリカやイギリスの話、再婚同士だったのでそれぞれの子供達へも話を振り、さらに舞台女優だった新婦の母親へも質問。というのも、この日は平日で彼らがその日唯一の結婚式だったため時間に余裕があり、話好きな助役は好きなだけ喋る事にしたらしく・・・。コロナで延期されていた結婚式でバカンス前の6月〜７月半ばの土曜日はものすごく混み合っているそうで、３０分毎に入れ替えで式をして「まるで結婚式の工場だ！」と嘆いておられました(^_^;)

市長助役の長い話と共に無事式が終わり、市役所から出てくる新郎新婦を待ち構えてバラの花びらとお米を投げかけたら、皆んなで彼らのアパルトマンへ移動。市役所に来なかった人達も次々と到着して今度はカクテルパーティ！

幸せいっぱいで片時も離れたくないとはいえ、アラフィフとアラシスの新郎新婦。子供や両親の前でよくあれだけイチャイチャできるものだわ（笑）日本人には絶対に無理ですが、フランス人の彼らだと様になっていて幸せオーラが出まくっていました♡

パティスリー「ルノートル」からサーヴィスの人が４人来ていて、マスク着用でテキパキと動いておられました。数分毎に見つめ合いヒシッと抱き合ったりキスするふたりの横で、黙々とクロカンブッシュ（フランスのウエディングケーキ）を取り分ける姿が対称的。

ダンスをする彼らや他の人達を横目で見ていたら、強制的にダンスに参加させられてしまいました。こういうノリってフランス人は本当に好き。医師や歯科医の人は「仕事柄今はちょっとダンスはやめておくよ」と断っていましたが、長いバルコニーがある２間続きの広いサロンの窓が開け放してあったし、皆んなPCR検査をしたし大丈夫かな？沢山の人に会ったのもお喋りしたのもダンスも久しぶり！ずーっと我慢していたから、日常に戻った感覚がものすごく新鮮で楽しかった(^o^)/♪

色んな意味で、一生忘れられない思い出の結婚式になりました。