クリスマスリースとご近所付き合い
前回のブログで書いた、留守中に玄関に吊るしていたクリスマスリースに、アパルトマンの隣人がヤドリギの枝を刺してアレンジしていた話には続きがあり・・・。
翌日そのヤドリギを切ってリースに刺してみたら、なかなか雰囲気が出て可愛らしくなったので、満足して再び玄関ドアに吊るして出掛けました。
そして夜に家に戻ったらまたドアが変化してました↓
隣人の呼び鈴をピンポーン。部屋着のままトランクスとTシャツ姿でドアを開けたご主人のJが「リースのアレンジ変えてたね?」
「ちょっとだけ変えたんだけど・・。それよりもギ(Gui )をどうもありがとう。」
ギとは白い果実がついたヤドリギのことです。
「これも別荘の近くの森から採ってきたんだ。フランスではギを年明けまで吊るしておいて、その後は風呂のお湯に入れると良い香りで肌がスベスベになるんだよ♪」
「日本でも柚子やみかんの皮をお湯に浮かべるからやってみるね。メルシー。」
《そんな訳ないでしょー!》と心の中でツッコミながら家に戻りました。年末から年始にかけてギを玄関先や部屋に吊るしておくのは本当ですが、決してお風呂の湯には入れません。フランスでは年が明けたら吊るしたヤドリギの下でキスをすると、その一年に幸福が訪れると言われています。
もしかしたら勝手にクリスマスリースをアレンジした仕返しかな?でも先に勝手にアレンジを加えたのはJの方だし、もらった物をどうしようが私の勝手じゃないの?!
ちょっと考え直して、やはりJ夫妻がお裾分けしてくれた彼らの家の庭で採れたリンゴで作ったタルト・タタンを半分切ってJの家に引き返しました。リンゴに酸味とシャキッとした硬さがあって、自画自賛するのもおこがましいけれどもすごく美味しそうなキャラメル色の焼き上がったのです。
今度はJの奥さんも笑いながら出て来て「さっきの彼の話嘘だからねー。本気にしてギをお風呂に入れちゃダメよ」
「そうそう冗談だよ。日本にヤドリギないかと思ってさぁ」と言うJ。
彼は去年か一昨年かにフランスに功績があった人に贈られる最高勲章であるレジオンドヌール勲章を大統領から授与されていたけれども、トランクス一丁で裸足の姿からは全く想像もつきません(汗)
フランスのご近所付き合いって案外昔風だなと常日頃感じています・・・。
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