イエナのマルシェで、魚とレバノンサンド。

昔は料理好きを自負して料理学校に通ったこともあったけれども、「仕事の疲れやストレスはキッチンへ立つと吹っ飛ぶ」という私の何十倍も料理への情熱と愛情があるパートナーと一緒に住むようになってからは、私は食べる専用に徹して料理をする機会はめっきり減ってしまいました。人間、楽な方へ流されるのは早い♪ でも隔離措置で４週間仕事を休まなくてはならないと分かったら、消えかかっていた料理への興味がフツフツと湧いてきて「私が買い物も料理もするから、仕事から帰ったらゆっくり寛いでね〜」と宣言しました。

まずはマルシェへ行こう！家から歩いて５分程の距離にイエナのマルシェ ( Marché Président Wilson ) があるのですが、普段はマルシェがある土曜日は仕事だし、買い物も彼に任せっきりだったのでマルシェに行くのは久しぶりです。一緒に行くのを楽しみにして朝８時半に目を覚ましたらもう彼の姿はなくて・・。魚を品定めするためにいつも朝早く行くのは知ってたけれど、起きて化粧するのを待っていたらいい魚がなくなるとあっさり置いてけぼりにされました(´Д` )

気を取り直して、昼に再びマルシェへ行く彼に同行。数軒ある顔馴染みの魚屋さんがアラを取っておいてくれて昼頃に連絡をくれるのです。彼がアラを貰いに行っている間にウロウロ。隔離措置になった直後に多くのパリジャンが田舎へ移動したのか思ったよりも人が少なかったです。その分、魚もまだ沢山残っていて透明感が高くて新鮮そう。

迫力ある地中海産のマグロ！キロ幾らなのでトロの部分だけ切ってもらっても同じ値段でお得感がありますが、筋があったり脂が少なくて、日本のような薄いピンク色をした舌に乗せるととろけるようなトロは残念ながらなかなかお目にかかりません。だから生で食べるならお刺身にするよりもタルタルにして食べることが多いです。

料理するとは言ったものの、魚を触ったり捌くのは大の苦手で、恥ずかしながら出来るのはイワシとアジ程度です・・。このイカを買ったと言われて見たらデカイ！目が怖くてホテルイカの下処理すら出来ないのに、こんな大きなイカの下処理なんて無理だ〜。既に１週間分の献立を考えて買い物を済ませたと言うので、あっさりと「買い物と料理をする」から「魚料理を教えてもらう」へと変更しました(^_^;)

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もうひとつ、マルシェで楽しみにしていたのはレバノン料理の屋台のサンドウィッチ。マルシェから戻った後はフュメ・ド・ポワッソン（魚のダシ）をとったり料理の準備で忙しいし、昼ごはんは簡単に済ますためにレバノン料理屋さんでサンドウィッチを買ったという話をよく聞いていたので一度食べてみたかったのです。

ピタと呼ばれるナンを薄くしたような円形のパンが、目の前で熱い鉄板に張り付けられてどんどん焼かれて良い匂い。サンドウィッチは、プレーンとタイムのソースを塗った２種類のピタのどちらか、スパイスに漬け込んで焼いたお肉（鶏肉かラム）、野菜、ソースなどを選ぶとピタの上に乗せてクルクルっと巻いてアルミホイルで包んでくれます。フランスはレバノン系フランス人が多くレバノン料理が浸透していて、どこのマルシェでも必ずレバノン料理の屋台が出ています。大勢が集まるパーティーでもテイクアウトしたレバノン料理が出てくる確率が高くて、野菜や豆類が多くヘルシーだとパリジャンに人気です。

アルミホイルのままオーブンで少し温めてから食べました。薄いピタがサクっと軽くてお肉もジューシーで美味しい。やっぱりマルシェは楽しいな。旬の食材が豊富で美味しいレバノンサンドもあるし、うららかな春の陽気はマルシェ巡りにぴったりですね。