マスクに表れるフランス人の自国愛

薬局のショーウインドーのカラフルなマスクが目に入り、ふと足を止めました。布マスクより不織布マスクの方が効果が高いことが知られるようになってからは、不織布マスク或いは不織布マスクより効果が高いFFP2マスクを着ける人が増えました。私は仕事や買い物で外出するときはFFP2マスク、近所の散歩のように人との接触がないときは不織布マスクと使い分けていて、ピンク色の不織布マスクを着けて外出すると気持ちが上がります♪

先日のテレビ演説以来、マクロン大統領がよく着けているのは黒のマスク。

〈 photo : lejdd.fr 〉

個人的に気になっているのは、オリヴィエ・ヴェラン保健大臣がワクチン接種をしたときに着けていた、青と赤のゴムと白の不織布でトリコロールになっているマスクです。ワクチン接種のときは彼の厚い胸板と筋肉ばかりに人々の注目が集まったけれど、最近やたらとこの青と赤のゴムのマスクをしている人を見かけるので、じわりじわりと人気が出てきたのかも。ちょっと前にマクロン大統領も着用していたし。各マスク会社が政治家にせっせと自社のマスクを送っているという噂だけど宣伝効果抜群。

〈 photo : rtl.fr 〉

それにしても、マスクひとつとっても青・白・赤のトリコロールで溢れかえっている！

フランス製というのが何よりの宣伝文句で、どのメーカーも不織布マスクなら箱にデカデカと「フランス製マスク」の表示とトリコロール、布マスクなら青・白・赤の小さなトリコロールマークが縫い付けてある。輸入品より値段が高くても国産品は安心感があるしフランス経済に少しでも貢献したいという理由で私はフランス製を買っているけど、フランス人の自国愛の強さと自信をすごく感じてしまう（笑）

そして、フランス人と同じくらいトリコロールが好きなのは日本人かもしれない。以前ブログで書いた途端に、多くの人から何処で買えるのか質問をもらったマクロン大統領が着けていたトリコロールマスク。トリコロールが無ければただの紺色のマスクだけれど、トリコロールがあるだけでシックに見える！？

ご主人がマスクを製造している会社にお勤めだというお客さまがある日着けていた、白地に赤と青でエッフェル塔や凱旋門の絵柄のマスクが可愛いかったので「日本で販売したら売れるに違いない！」と言ったら、「シャルル・ド・ゴール空港の売店で販売してるんだけど、今ツーリストがいないから売れないのよ」。愛国心にも線引きがあるようで、エッフェル塔柄まで行くとフランス人にはトゥーマッチのようです(^_^;)

〈 photo : lest-eclair 〉

お客さまに表情が見えたほうがいいかなと思って試しに買った透明のマスクにもトリコロールが。２０回洗って使えて、２個で20.8ユーロ（約2700円）。主に手話をする人や耳の不自由な人がいる職場で使われているそうです。

「フランス万歳！」と言わんばかりにトリコロールマスクを嬉々として着けているわりには、ヨーロッパのなかで群を抜いて感染者が多いのが不可解ですが・・・。それでもマスクから国を思う気持ちは伝わってきます。