
ノルマンディーへ!久しぶりのプチバカンス。
ようやく自宅から10km以内の移動制限がなくなったのて、仕事の再開を前に連休を利用して4日間ノルマンディーへ行ってきました。パリから出たのは昨年の8月のバカンス以来です。長い間我慢してきたので、本当にやっと、やっと〜という気持ち!
パリから車で2時間のノルマンディーは、パリジャンが短い休暇や週末を過ごす人気の土地ですが、日をずらして早めに来たので渋滞もなくスムーズに到着しました。
何はともあれ、まずは海へ!誰もいない海を独占♪飲食店や観光施設はまだ閉まっているので、お昼はテイクアウトした名物のそば粉のギャレットを、カモメの鳴き声をBGMに海を眺めながら食べて海辺を散策。あまりに久しぶりで、何をしても何を見ても嬉しい。
立ち寄った街で、ジャン・ギャバンとジャン・ポール・ベルモンド主演の映画「冬の猿」のロケ地になったキャバレー・ノルマンディーに遭遇!昔日本で観ていた映画のロケ地を見れるのは嬉しいです。名優ふたりの演技が光るしみじみとした良い映画でしたが、今の人はもう知らないかも。
ノルマンディーは酪農と林檎の生産が盛んな土地で、車窓には次々とりんご農園と牧草地が交互に映り、今の季節はりんごの花が満開です。宿泊していたオーベルジュの庭の小さなりんごの木も、綻びかけた可憐なピンク色のつぼみや白い花がほっこりと目を楽しませてくれました。
朝・晩の食事はルームサービスで、アペリティフ・前菜・メイン・チーズ・デザートと、オーベルジュのレストランからその都合出来たてを運んできてくれます。部屋で毎晩食事するなんて日本の旅館気分。すっかり気に入ってしまいました。
それにしても、食い意地が張っているが為に、今までなら旅先で名物店やレストランを探すために、いかに多くのエネルギーと時間を費やしてきたことか!今回は無論オーベルジュのレストラン以外の選択肢がないので、ネットで調べたりここのレストランは美味しそうだとかそうでもないとか一喜一憂することもなくて、レストラン探しから解放されるとこんなに余裕があるんだと新鮮に感じました。
朝食のクロワッサンとパン・オ・ショコラは、バターの風味たっぷりで、ふんわりサクサクです♡
海も山もある土地柄、夕食は地元の新鮮な食材を使った美味しい料理でした。普段はメインの後は甘いデザートで、チーズを食べることはあまりないのですが、せっかくなのでスイーツの前にチーズも必ず。
カマンベールチーズのムースとドライフルーツ。
ポン・レヴェックという名前の、ポン・レヴェック(Pont-l'évêque)村で作られる四角いチーズも、カマンベールと同じくらい有名です。
今回の旅で一番感動したのが、意外にも修道院のモン・サン=ミッシェルでした。世界中の観光客が押し寄せる世界遺産ですが、20年前に訪れたときはあまりの人の多さと喧噪に閉口して、長時間並んでやっと食べた名物のオムレツにもそう感激することはなく、もう訪れることはないだろうと思っていました。ところが、パートナーが是非にと言う。5歳のときに着いた途端に母親の体調が悪くなってすぐに引き返して以来訪れることがなく、ずっと行きたいと思いつつも、いつも混雑しているし、大体普通のフランス人がそんなに何度も訪れる場所ではないらしく今日に至ったらしい。日本へ旅する外国人が必ず訪れる広島の宮島に、行ったことがない日本人が実は多いみたいな感じかしら?
早朝に出発して、牧草を食べている羊の向こうにモン・サン=ミッシェルが見えてくると懐かしさで胸がキュン。雄大な風景の美ししさは20年経っても変わりません。
駐車場からモン・サン=ミッシェルまでの2.5kmの遊歩道を歩いている間に数家族とすれ違いましたが、中に入ると人が少なく(50人位いたかな?)観光のメッカの修道院も「ラ・メール・プラール ( La mère Poulard )」のオムレツ屋もお土産屋も閉まっていました。でも、そこには本来の修道院としての役割を取り戻した、神聖なモン・サン=ミッシェルが静寂に包まれていました。
ガイドの案内で裸足で歩く干潟を歩いている人達が見えました。テレビで見てぜひやってみたいと思っていたのに、すっかり忘れていました。次回は必ずやりたい!はまるとズブズブと沈む底無しの場所があり危険なので、専門のガイドに頼むことが義務づけられているそうです。
休みが近づくたびに懲りもせずに、年中「バカンス!バカンス!」と国民総勢で大騒ぎするフランス人を、長年ちょっと白い眼で見てきたけれども、今回ばかりは人生に休暇と息抜きは大切だとしみじみ思いました。
エトルタやオンフルールなど海辺の街の他にも小さな村々を訪ねて、放牧されている羊や馬を眺めて、純粋に散歩したり景色だけを眺める特別なことは何もなかった旅でしたが、新鮮な空気をいっぱい吸ってリフレッシュできました。
パリに戻った途端に、夏のバカンスの行き先を話し合ったのは言うまでもありません。ビバ・バカンス(´∀`)/
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