フランスのスーパーに売っている、酢飯のONIGIRI
昨年の夏のバカンス明けから、近所のスーパーのサンドウィッチコーナーの一角におにぎりや海苔巻きが並ぶようになりました。握り寿司のパックはよく見かけるけれど、おにぎりが売られているのを見るのは初めてです。東京オリンピックで海外の選手におにぎりが人気だったと話題になっていたので、一時的な和食ブームだと思っていたら、今ではすっかり定着しました。
SHAKISHAKIという会社が製造していて、おにぎりはそのままアルファベット表示でonigiri。いつも見かける具は牛肉照り焼き、チキン蜂蜜マスタード、サーモンクリームチーズ、ナスミソ、ツナスパイスの5種類。
あんまり期待しないで食べてみたら、なかなか美味しい!食べる前に常温に戻さないとお米が固くなってパサついているし、もちろん日本のコンビニには敵わないけれど、フランスで食べるおにぎりだと思うと全然悪くない。角を引っ張るとパリッとした海苔が巻かれる仕組みになっているのも、日本のおにぎりと同じ。具がおかかや鮭でなく、こってり系が多いのもフランスっぽくて面白いし、ナスミソや牛肉照り焼きなら完全に日本の味です。
ただ、ひとつだけ違うのはごはんが酢飯だということ。フランス人は白いごはんだけを食べるのが苦手で、和食を出すと必ずと言っていいほど、ごはんとおかずを混ぜるか、汁やソースをごはんにかけて食べる。だから、おにぎりも酢飯の方がお寿司のイメージで受け入れやすいのでしょう。
海苔巻きの表示はRollで、具はツナスパイスとサーモンシシトウガラシの2種類。
ランチを食べる時間が取れない日は、隙間時間に冷たいままパクッと食べれるおにぎりや巻き寿司は丁度良く、忙しかった昨年の年末は具を変えて毎日のように食べていました。インスタントのお味噌汁もつければ、立派な和食ランチに。お気に入りはナスミソとサーモンクリームチーズのおにぎり。ちなみにお値段は、おにぎりは3,4ユーロ(約440円)、海苔巻きは6.4ユーロ(約800円)とやや高めで、サンドウィッチの方がずっと安い。おにぎり2個とお味噌汁で千円を超えてしまう贅沢ランチ。でも、ここはフランス。割高でも仕方ない・・。
その後、陳列棚にはチキンカツカレーが加わり、さらに韓国のキンパやビビンバも並ぶようになったけれど、やはり全てお米は酢飯という共通点が。酢とカレーって合うの?日本にはお寿司屋さんが考え出したシャリカレーがあるらしいけれど、フランスの酢飯カレーは試行錯誤の末の酢飯というよりも、よほど日本食=寿司のイメージが強いか、単に酢飯と白米を分けて製造するのが面倒なので酢飯で統一しただけな気がする(^_^;)
酢飯のチキンカツカレーを食べてみる気にはなれなくて、やはり夏以降に別のスーパーに置かれるようになった、KUMOという会社のチキンの照り焼き弁当(8.2ユーロ)にトライしてみました。こちらもお米はやはり酢飯。酢飯の上に、照り焼きチキンと、酸っぱいもやしと人参のナムルのようなものが乗っていて、好みで小さなボトルに入った照り焼きソースを追加できるようになっています。説明には電子レンジで2分間温めて食べるようにと書いてある。
食べたことのあるような、ないような味??不思議な味だと思いながら食べ進めていたら、ピーンと来た。「ああ、実家の京都で冬に食べる蒸し寿司だ!」
翌日、懲りずにサーモンの照り焼き弁当(8.9ユーロ)を購入。フランス人に照り焼きソースが人気なのです。こっちにはナスの炒め物とズッキーニと人参の和えたものが添えてある。
うーん、結論としては、暖かい酢飯と甘い照り焼きソースが口の中でいつまでもバラバラでかみ合わず、残念ながらもう一度食べたい味ではありませんでした(^_^;) 京都の蒸し寿司は好きだけど、残念ながらこちらは食が進まない・・。個人的にはこの値段なら他の物を食べた方がいいかな。でも、結構売れていて売り切れになっていることもあるから、フランス人の味覚には合うのかも。
それでも、味はともかくとして、日本の味がスーパーで買えるようになったことは本当に便利!先日具合が良くなくて寝ていたときにも、おにぎりを買ってきてもらって本当に助かりました。フランスにいて病気になったときに困るのが食事だからです。フランス人の病人食といえばスープや、バターやクリームを入れた野菜のピュレや柔らかく茹でたパスタ。でも、日本人の私はあっさりとしたお粥や雑炊が食べたい。作る元気もないときに手軽に買えるのは心強いです。
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