CHICHI PARIS ~パリに住むエステティシャンのblog~

4度目のヴェルサイユ宮殿へ。いい加減なフランスのサービス。

晴天の日曜日、ヴェルサイユ宮殿の庭園にある離宮、大トリアノン宮殿をやっと訪れることができました。

やっと、というのは4度目にしてようやく入ることができたから。

1度目は数年前。当時は今のようにネットだけではなく、大トリアノン宮殿の入り口でもチケットを販売していました。大トリアノンと小トリアノンの共通チケットを買って中に入って15分もしないうちに、「閉館なので外に出てください」と、まだ何も見ていないのに追い出されてしまった。閉館時間を確かめなかった私が悪いけど、チケットを売るときに一言言ってくれればいいのにと悲しい気持ちで帰りました。

2度目は去年の10月。コロナで人数制限がありトリアノン宮殿のチケットは売り切れていた。代わりに、通常は無料だけれど、その日は夕方から大噴水ショーが行われるために有料になっていた庭園への入場チケットを購入。夕方4時半に「5時から噴水と音楽のショーが行われるので、大噴水の前にお集まりください」と館内放送が流れ、噴水の前で待っていたけれど、5時半を過ぎても始まらない。前を通りかかった係員に訊ねると「技術的な問題があって中止のようです」とそっけない返事。開始の館内放送はしておいて、中止の知らせはしないなんて信じられないと、ぷんぷんしながら帰りました。

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そして3度目は3週間前。その日の朝に、トリアノン宮殿のチケットをHPから購入。

大トリアノン宮殿に行くと、なんと電気系統のトラブルで、閉館していました…。

せめてHPに 、”本日は大トリアノン宮殿は閉館しており、小トリアノン宮殿だけしか見学できません”と記述するべき。今日しか来れない人もいるだろうに、閉館しているのにチケットを販売するなんていい加減すぎる!

パートナーは怒り心頭の私を促して小トリアノン宮殿へ行き、受付の人に事情を説明して、次回同じチケットで大トリアノンを見学できるか訊いてくれたけれど、皆んな分からないと首を捻るばかり。フランスは分業で、自分が受け持つ仕事以外はしないので、一見単純なことでも責任者の承諾がいる場合が多いのだ。幸い受付のカトリーヌという女性が、責任者に電話を回すから自分で説明するように言ってくれて、小トリアノンの事務所からパートナーが電話で交渉することになりました。

「どの日に来るか指定しろって言ってるよ」偉そうに責任者は次回来る日を指定するように言っているらしい。

「じゃあ、来週の日曜日にしよう」という私に、他の日してくれという彼。仕事で来週ヴェルサイユ宮殿に3日間来る予定があるという。「大トリアノンは来ないでしょ?」「大トリアノンにも来るよ」「仕事なんだから見学しないでしょ?」「そうだけど、今日来て、明々後日からまた3日間来て、さらに日曜日にも来るのは気が乗らないよ〜」「気持ちは分かるけど、天気予報によると来週は晴天だけど、再来週から天気が崩れるらしいよ。どうしようかなぁ」

そもそも宮殿側のミスなんだからいつ来たっていいはず。日を指定しないと許可しないという責任者に、とにかく日は分からないけど日曜日に来ると押し通して、15分の押し問答の末、3月末までは再びトリアノン離宮への入場できる許可を取り付けました。

電話を切った後、パートナーはカトリーヌさんに頼んで、プリントアウトしたチケットに証人として一筆書いてもらい、日付とサインを入れてハンコも押してもらっていた。何事もまず証拠ありきのフランスでは、次回来たら「聞いていない、知らない」と突っぱねられる可能性は大いにあるから、念には念を入れる必要があるのです。こういうのがフランスは疲れる…。

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前置きが長くなりましたが、こうして3週間後、4度目にしてようやく念願叶って訪れた大トリアノン宮殿。チケットの日付が違うと咎める受付の人に、一筆入りのチケットを見せると「カトリーヌが書いているんだから入っていいわよ」と、すんなり入館できました。

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小トリアノン宮殿は前回入ったので駄目だと言われると思ったら、ここでもカトリーヌの一筆入りチケットで「OK!」。カトリーヌの一筆、すごい効き目だ。機転を利かせたパートナー偉い!

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有名な鏡の間がある宮殿や庭園から少し離れている離宮まで来る人は少なくて、小トリアノン宮殿の庭園にはマリーアントワネットが愛したという田園風の風景が広がり、花が咲いていて、樹々の間をリスが走って行く姿が見えました。今の季節はピクニックや散歩をするのにぴったり。たくさん歩いて気持ち良い時間を過ごしました。

それにしても、フランスのサービスっていい加減!年間800万人もの見学者が訪れるヴェルサイユ宮殿ですが、コロナが収束して今後ますますツーリストが増えるはず。フランスが誇る素晴らしい名所なのだから、サービスを向上するというよりも、基本的なサービスを見直したほうがいいじゃないだろうか。

***

ヴェルサイユ宮殿の広大な庭園では、ジョギングやウォーキングをしている地元民も多く見かけます。私達がよくヴェルサイユ宮殿に行くのも、コロナでジムへ行かなくなって以来、歩くことが唯一の運動だからです。

その日、歩いた距離は15キロ!

でも、小トリアノン宮殿にあるアンジェリーナでホットチョコレートとキャラメルモンブラン、さらにあまりの可愛さにレモンのタルトも食べちゃったので、消費カロリーはプラマイゼロ(泣)

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chichi

立神詩帆 / Shiho Tatsugami
2002年渡仏。エコール・フランソワーズモリスで学び、エステティック・コスメティックCAP国家資格を取得。2011年からパリ7区でエステサロンCHICHI(シシィ)を自営。All About のフランス流美容ガイドとして、パリジェンヌから学ぶ美容情報やライフスタイルに関するコラムを掲載中。
好きなものは、フランスの食文化、1日の終わりのアペリティフ、アルゼンチンタンゴ、旅。

www.chichiparis.com
https://allabout.co.jp/gm/gp/1693/
Instagram: @chichi_paris7

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