オーガニックな子育て

フランスの粉ミルク事情

今回はミルクのお話なのですが、前回のお風呂での洗い方の話から、たくさんご質問を頂いていたので、その件をまず少しだけ。
前回の記事の中で、お風呂には何回入ってもいいけれど、泡をつけて洗う回数は週2回と記載していましたが、湿度のある日本の夏ですと、頭に皮脂がたまり、こもるので、もっと洗いたいはずです……。そんな時には迷わず洗ってください!
湿度があるということは、自然に肌がしっとりするので、秋、冬、春とは、べべちゃんの肌の保湿度も全然違うはず。そんな風に赤ちゃんのお肌の様子を見ながら洗ってみてくださいね!!

さて、さて、フランスでは、赤ちゃんのためのオーガニックのチョイスが大変多いです。食べるものから、体につけるものから、体に身につけるものまで。
母になって、センシティブな赤ちゃんに農薬を使っているものをあげたくないという気持ちから、オーガニック栽培された野菜やフルーツを買うようになって、そのうち家族全員に、なんていうケースは稀ではありません。(こうしてフランスではオーガニックショップが増えましたよ!)
そして今度は赤ちゃんにケミカルな製品を使いたくない、とオーガニックの粉ミルク、そして保湿クリームやウォッシュを使うことから始まって、そのうちにはママンのスキンケアもオーガニックに、と移行していくケースが多いのは事実です。

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そういうわけで、今回は口にするもの、フランスの粉ミルク周りの話です。

ベベにとって、ママンの母乳が一番オーガニックではあるわけなんですが、フランスでは、母乳を勧める産院が実はあまり多くないそうです。
私がお世話になった産院は、母乳アドバイザーなる助産師さんがいて、母乳育児に不安を抱えたママンの相談役になってくれていました。
周りの友人ママンに聞くと、「母乳育児は大変だから、粉ミルクがおすすめ」と助産師に言われた、とか「母乳は最初の2週間だけでいいのよ。」と言われた、とか。産院によって傾向があるようです。

私の場合、最初から2人がお腹いっぱいになる母乳は供給できないであろうと思っていたので、母乳と粉ミルクの混合乳で育てる場合について、色々とリサーチしていました。
というのは、母乳を飲むことは、まるで小さな赤ちゃんにはスポーツするくらいの体力が必要。でも哺乳瓶の飲み口は吸うのに頑張らなくても飲めてしまうので、それに慣れてしまうと母乳を飲まなくなる、と赤ちゃんのエキスパートから聞いていたからです。
そういう訳で、母乳コンサルタントの助産婦さんとアポを取りました。
このセッションは、マンツーマンの母親学級、みたいな感じで本当に親切に色々と教えてくれました。
助産婦さんは、「そもそも、母乳コンサルタントなんて名前があること自体ちょっと不思議なのよ。フランスでは、母乳だと飲んだ量が確実にはわからないし、どんな栄養素もくまなく摂取できたからわかるから、粉ミルクの方が確かだって考える人が多いのよ。」
ははぁー! そういう見方もあるのかぁーと、予想だにしていなかった助産婦さんの話に、妙に感心してしまいました。さすがはサイエンスの国フランス。
1+1=2が確実という考え方! 笑
フランスって、ものすごく感性的なことと数学、科学的なことが同居している国。計測できるものの方が安心する人は、母乳にまで及ぶのかと驚きました。

その助産婦さんによると、母乳というのは本当によくできていて、抗体はもちろんのこと、早産で出てきた子供には、お母さんから早産の子供用の母乳が出るのだそうです。うーむ、人間の体ってやはりミステリー。すごくよくできているっ。

さて、肝心の混合乳の方法なんですが、結論から言うと、これと言う絶対的な方法はなくて、赤ちゃんによるのだそうです。
がっくり。
私がいくら前のめって調べても、最終的には子供達のお好みによる、ということです。
それは、母乳を飲むのと哺乳瓶から飲むのでは、吸いつく力だけではなくて、吸う時の口の形まで違うのだそうで、生まれたての赤ちゃんが器用に使い分けることができるかどうかという事もあるそうです。
しかし! 母乳を飲むのに限りなく近いヘッドを持ったTommee Tippee という哺乳瓶ブランドを教えてもらいました。このブランドは、ほぼネットでしか購入できないレアなブランドで、帰宅後すぐに淡い期待を持って6本セットをオーダーしました。

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実際に、産院では特殊な吸い口の哺乳瓶を支給されていたのですが、退院する前の日に、「じゃあ、お家の哺乳瓶の吸い口でちゃんと吸えるかどうかテストするので、すぐ持ってきてください」と看護婦さんに突然言われ、最寄りの薬局で急遽手配することに なり、とりあえず手に入る普通の哺乳瓶を購入することに……笑
えぇぇぇー! 普通の哺乳瓶に慣れてしまって、母乳吸わなくなっちゃったらどうしよう!とかなり焦りましたが、2人とも問題なく混合乳を進めることができました。

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フランスは酪農が盛んな国です。それだけに、牛の飼料に使われている農薬のこと、またガンガンミルクが出るようにホルモン剤を投与されたりしていることを考えると、私は牛のミルクを子供たちに飲ませ続けることにかなり抵抗がありました。
フランスも他の国と同じように牛のお乳から出来た乳製品のアレルギーの子どもが多いので、赤ちゃん用に作られた米のミルクや、ヒツジ、ヤギのミルクというチョイスがありどれもオーガニックで手に入ります。

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まずは体重が3キロになるまでは規定のミルクを飲ませて、それからは、鍼の先生に勧められたこともあり、動物性のミルクではなく、植物性の乳児専用ミルクに移行しました。植物性のミルクは、一般的には、とうもろこしやお米、植物油(なたね、アーモンド、ココナッツオイルなど)そして、それに赤ちゃんの発育に必須ミネラルやオリゴ糖などが加えられているものがほとんどです。

私も当然のようにミルクの温度は“人肌”、と思っていたら、産院では常温で良いと言われ (母乳を冷やして保存した場合だけ、温めて人肌にもどします)、かつ、ミルクとミネラルウォーターを混ぜて作るとを教わったのです。混ぜる水には、Mont Roucous というブランドのミネラルウォーターを先輩ママン パパから勧められました。
ミネラルが多すぎないので、赤ちゃんのお腹のバランスに一番良いそうです。常温で飲む傾向は、本当に近年になってからだそうですが、なんてシンプルなの!!!!と感動しながら日々の生活を送っていたら……、ライスミルクは簡単には水では溶けなかったのです。
そこで、かねてから先輩双子ママンから強く勧められていた、BEABA から出ているBib’Expressoという、ボタン一つで37度のお湯が出てくるマシーンを購入。
このマシーンは、37度のお湯が出てくるだけではなくて、冷やして保存しておいたものを37度の湯せんで温めるよう機能もついていて、本当にスグレものです。

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このように、ライスミルク生活を始めたのですが、後天的な食べ物アレルギーを防ぐには、早くから食べ始めると良いと先生がおっしゃっていたことも覚えていたのです。そのため、4カ月になったころには、乳製品もまんべんなくあげてみようと、ライスミルクと草を食べて育った牛から取れたオーガニックミルクを交互にあげることにしたのです。

ちなみに、ある時、うっかり牛のミルクを37度であげたことがあるのですが、私たちが感じるように、ミルクの匂いが立つのが気になるらしく、温まったミルクは飲まなくなって、すっかり常温慣れしていました。

子供達と旅にいく時には、ミルクをたくさん持っていくのですが、5月に日本に行ったときにオーガニックの粉ミルクを試しに探してみたのですが、ネットでもオーガニックのお店でも取り扱いがなくなっていてびっくりしました。(私の探し方が甘かったのかもしれませんが)腸内がまだ整っていない赤ちゃん用のミルクこそ、オーガニックをあげたいんじゃないかなーと思ったりもして、日本でも手に入りやすくなるといいのに!と思いました。

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このオーガニックな子育てページでも、私と子供達のオーガニックライフを少しご紹介させていただいていますが、先月もっと多くの方々に、「オーガニックがなぜ良いの?」をわかりやすく伝えるウェブメディア、Spring Stepを立ち上げました。

ぐりとぐらというふたりの未来を作っていく命が生まれ、これから社会を担う子供たちが、もっとこの世に夢をたくせるような世の中を作るのは大人の責任かな、なんて急に母親になって、襟をただす気持ちになったのです。
オーガニックは、農薬を使わず「体に安全そう」ということだけではなくて、環境にもたらす影響も大変大きいのです。森で生活を営む小さな部族を守り、また動物や地球を健康にします。
この、Spring Stepでは、オーガニックのことだけではなく、食べ物や植物の力、セルフマッサージで体をリセットするホリスティックなトピックそして、様々な素敵な女性の生き方をご紹介していきます。
ベビーマッサージのやり方も動画であげていますので、ぜひご覧くださいね。

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