
辻井伸行 in Paris☆
Théâtre des Champs-Elysées(シャンゼリ劇場)で開催!
(パリ情報フリーペーパー「OVNI」↓)
シーズン初めにチケット予約をして、楽しみにしていた日本人ピアニスト辻井伸行さんのソロ・リサイタルへ行ってきました。
2009年に第13回ヴァン・クライバーン国際ピアノ・コンクールで日本人として初優勝し、国際的に活躍している辻井伸行さん。
クラシック音楽門外漢な私は辻井さんの音楽について何も語れませんし、その天才ぶりとクロノロジーについてもこれまでも色々と書籍やTV番組等で紹介されていると思うのでここでは割愛ですが、その演奏はこれまで経験したピアノリサイタルの中で生涯忘れない感動的な夢のような時間でした。
しかも真ん中2列目という席からの鑑賞で最初から最後まで1秒たりとも目が離せず!
もう少し左寄りだったら手元がよく見えたと思うのですが、この席からは辻井さんの表情がとにかくよく見え、一瞬一瞬の息遣いまでも聞こえてきて、聴くだけの私がどんどん緊張してしまい終始心臓がバクバク。
そんな気持ちいい緊張感も普段なかなかないことです。
そして今回の演目は、こちらのシューベルト、スクリャービン、ショパン。
テクニック的なことは私はわかりませんが、緊張感とともにその美しく激しく無垢なキラキラした音にひたすら酔いました。
辻井さんの表情がよく見えるだけに、その顔は初め純粋無垢な子供、無邪気な少年のように見えたのですが、演奏が続くにつれどんどん厳しく鬼気迫る瞬間だったり、激しく苦悩する姿にも見えたり、ピアノの神様が降りてきた?と憑依的に感じたりで、溢れ出す音とともに惹きつけられました。
アンコールはショパンの2曲、「ノクターン」と「革命のエチュード」。
辻井さんが弾き出した途端、涙腺崩壊。
「ノクターン」はそれまで私には綺麗だけど感傷的で、ちょっと哀しさも感じていたのですが、辻井さんの音楽からは優しく優雅で、とても甘美な世界が心の中に広がりました。
そしてダイヤモンドのようなキラキラした星の欠片が降り注ぐような夜の風景が広がり、全身がキラキラに包まれとても幸せな気持ちになりました。
その後の「革命のエチュード」は、もうゾクゾクして身震いというか武者振るい?!
久しぶりに胸が熱くなる高揚感、生まれたきた以上どんな場所でもどんな状況でも命燃やせ!最後はそんな気持ちになりました。
興奮冷めやらぬままの帰り道。
イルミネーションが綺麗に輝く中、感動の余韻に浸りながら熱くなった心と体には心地好い寒さを感じながら歩いて帰りました。
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