
パリ1区☆Église Saint-Eustache(サン・トゥスタッシュ教会)
<パリブログ:Paris Quotidien>
パリの歴史再発見散歩。
(関連記事→ https://madamefigaro.jp/paris/blog/keico/3-passage-verdeau.html)
パリ中心部・レ・アル(Les Halles)地区に位置する大きな『Église Saint-Eustache』(サン・トゥスタッシュ教会)へ。
メトロの出口を出ると目の前にバーン!
大きくてカメラに収まらない。
昔一度入ったことがあるものの、ひたすらその大きさに驚き、当時工事中だった周辺の雑然とした雰囲気も落ち着かず、パッと見て早々に出てしまったのでした。
天井たか〜!
調べてみると天井の高さは33mあり、実はノートルダムよりも高いではないか☆
建築的特徴としては、ゴシック+ルネサンスの"ハイブリッド建築"。
外観はノートルダム大聖堂のようなゴシック様式の重厚感がありつつ、正面ファサードにはルネサンスの優雅さも見られるということで、これは建築史的にも貴重です。
改めてその広さに驚きながらゆっくり鑑賞&お詣り。
あれ?これって!と近づいた作品は、やっぱり!のアメリカ人画家Keith Haring(キース・ヘリング)のもの。
その説明をざっくり読むと、これは彼が最後に残した作品「Altarpiece: The Life of Christ」(オルターピース:キリストの生涯)。
ブロンズをベースに白色金の箔を施した神々しい三連祭壇画。
そんなモダンアートと一緒にルネサンス時代の作品が数多く、こんなにあったとは!と改めて知り驚きました。
まるで穴場な美術館、アートスポットのよう。
また巨大なパイプオルガン(約8000本!)はヨーロッパでも最大級で、音楽家の聖地とされる音楽の殿堂でもあることも知らなかった...!
この巨大パイプオルガンが奏でるコンサートは圧巻だそうなので、また機会を見つけて是非聴いてみたい♬
歴史的特徴としては、もともとこの地にはサント・アニエス(Saint Agnes)を、その後サン・トゥスタッシュ( Saint-Eustache)を祀る礼拝堂があったそうです。
サント・アニエスのアトリビュートは、仔羊。
名前をラテン語読みすると「仔羊」に似てるからと言われてます。
またサン・トゥスタッシュのアトリビュートは、角の間に十字架がある鹿。
ある時、彼は狩りで大きな鹿に出会い、その鹿の角に十字架に架けられたイエスの姿を見たことを機にキリスト教に改宗したという伝説。
(ステンドグラスはじめ絵画にも羊や鹿が描かれたものたくさんあるので探しだすと面白い)
サント・アニエス、サン・トゥスタッシュ、どちらのアトリビュートも動物ですが、このエリアが古くから中央市場「レ・アル」(Les Halles)として発展したのもそんな守護神のお陰なのかも?!
商人や庶民の教会として親しまれ、周囲の住民の多くがパン屋、肉屋、魚屋などで、職人や労働者の信仰の中心でもあったこともなるほどね〜と納得です。
こちらもアート作品で、イギリスの彫刻家Raymond Masonによる「Le Départ des Fruits et Légumes du Cœur de Paris, le 28 février 1969」(果物と野菜のパリからの旅立ち、1969年2月28日)。
1969年から1971年にかけて制作され、長く続いた伝統市場のレ・アル(Les Halles)閉鎖をテーマにしたもの。
晴れた日は終日綺麗に見えるステンドガラスですが、個人的には夕暮れ時の光が柔らかく差し込む時間帯がベスト☆
パリの真ん中にあるだけに著名人との関わりも色々で、あの!劇作家のモリエールやルイ15世の公妾・ポンパドゥール夫人は、この教会で洗礼を受け、あの!リシュリュー枢機卿は、ここで聖職者になり、あの!モーツァルトのオカンは、パリ滞在中に亡くなった際にこの教会で葬儀が行われたそうです。
何も知らずにブラッと入った十数年前と違って再訪することで改めて知った色々でした。
最後にもう一度と美しいステンドガラスを見上げると、夕陽で照らされた十字架の影が壁に表れ、神秘的でとても美しかったです。
ほんのちょっとだけ森の中で鹿の十字架を見たサン・トゥスタッシュの気持ちがわかる気がした瞬間でした。
*****プチおやつ部*****
あいにくの雨で肌寒かった日に友人マダムIさんが作ってくれたホカホカに温かい「きび餅ぜんざい」。
最高に美味しかった♡
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