
パリ8区☆Hôtel de la Marine(オテル・ドゥ・ラ・マリーヌ)
☆パリブログ☆
ここ数年で新規オープン、またはリニューアルオープンした美術・博物館も色々のパリですが、そんな中で私のお気に入りNo.1と言ったら、2年前にパリ8区にオープンしたコンコルド広場に面した『Hôtel de la Marine』(オテル・ドゥ・ラ・マリーヌ)。
自宅から徒歩圏内というご近所ロケーションなこともありますが、その工事はなかなか長く、コロナ前からいつオープンするのだろう…とずっと気になっていたのです。
細いエントラスを抜け、チケットカウンターを目指し、見上げた中庭のガラス張りの天井がうわーっ!
まだ全然見学前なのにその美しさにいきなり感動。
「Hôtel de la Marine」(オテル・ドゥ・ラ・マリーヌ)=「海軍の館」という意味ですが、ここはフランス革命後から2015年までフランス海洋省のあった場所です。
事前予約をし、窓口で受けとったのは、「confidant」 =「秘密を打ち明けられる友人、親友」と名付けられたヘッドフォン。
ヘッドフォンにコンフィダン(confidant)なんてネーミングするところにフランスらしいユーモアを感じる〜。
それには、いくつかコースがあるのですが、1時間半で見学できる「グランド・ツアー」が個人的にはオススメ。
では、コンフィダンをつけたら階段を上って見学スタート。
とにかくコンフィダンが使いやすく、とても面白く、充実してて1時間半なんてあっという間。
しかも日本語あり。
ひと昔前は、こういうガイドは平坦な説明で退屈。
それも日本語訳がヘンに感じたりでしたが、こちらはとてもわかりやすく、日本語グッド。
円卓に写し出された説明も私が立つ位置には日本語表示。
隣りの夫(英語ガイド選択)を見たら英語表示、斜向かいにいた人はフランス語表示。
いちいち説明ガイドの番号などを押す必要もなく、その部屋に入れば、オブジェの前に立てば、ヘッドフォンから自動的にそれに即した説明が流れてくるから何もする必要なし。
ユニークなのは、その音声ガイドの脚本構成。
かつてこの館に住んでいた、今はゴースト(?)が水先案内人チックに寸劇を交えながら案内してくれるのです。
順路を間違うこともなくスムーズに無駄なく進める。
私は日本語訳で聞いたのですが、英語訳で聞いた夫にもその内容、ガイドを確認すると、とてもわかりやすい英語で面白かったと同じ感想でした。
展示物は、海軍・海洋省関係のものだけかと思いきや、ここは18~19世紀のフランス装飾芸術も満喫できる文化遺産満載!!
王室の住居で使われていた家具、調度品、生活用品、宝飾品などを多数展示。
というのも、もともとこの場所は王室調度品保管所としても使われていたと。
そのあたりを過去のフィガロ・ジャポン記事から引用しますと、
ヴェルサイユ宮殿の主役がルイ14世なら、オテル・ドゥ・ラ・マリーヌはルイ15世。
まだリヴォリ通りもない時代に、チュイルリー公園とシャンゼリゼ大通りを結ぶいまのコンコルド広場を造り自身の騎馬像を設置し、広場に面して王室の家具調度品保管所として建築させたのがこの建物である。
フランス国王に仕える主席建築家アンジュ=ジャック・ガブリエルによる建築で、保管所を管理していたのがマルク・アントワーヌ・ティエリー・ドゥ・ヴィル・ダヴレー。
彼との縁故関係から、ここにフランス革命を機に1789年に海軍省の本部が入ることに。
以来2015年まで海洋省が使い続けていた。
今回、建物を所有するフランス文化財センターによる修復工事によって、保管所長のアパルトマン、小サロン、食堂などが18世紀当時の調度品を再現して蘇った。
生地や壁紙は、修復不可の場合はオリジナルに忠実に新たに作り直すという力の入れよう。
生牡蠣食べてる〜、とか
どんなカードゲームなんだろう?とか、
当時のお風呂の様子がリアルに再現され、王侯貴族たちの当時の暮らしぶりを垣間見る感じで、まるでここでいまだに誰かが暮らしているみたい!?
ヴェルサイユ宮殿やフォンテーヌブローのお城を彷彿とさせる眩い調度品たちは、近くで細部を覗き込むほどに精巧で贅沢な職人技が感じられ、この時代の家具、インテリアが好きな私はいくらでもこの館の中で時間を過ごせる〜と思いました。
こんなところに暮らしたら…、こんな机でブログ更新…な妄想を一瞬だけ。
でもちなみにこのデスクは、マリー・アントワネットの処刑が署名されたデスク。
一見小ぶりなシンプル机ですが、ただのアンティークじゃない…。
その机の様子もまだ誰かが使っているように感じられて。
「こちらへどうぞ」と案内されたその先は、
バーンと目の前に広がったのは、煌びやかなサロン。
シャンデリアの美しさに見惚れました。
このシャンデリアが欲しい…。
(最近欲しがるものが変わってきた?!)
見学コースの最後に圧巻!な気持ちになれるのが、コンコルド広場に面した「ロジア」と呼ばれるテラス。
美しきパリ、コンコルド広場を一望です。
見学コースの充実ぶりと最後に臨むテラスからのパリ景色に感激でいっぱいになる『Hôtel de la Marine』(オテル・ドゥ・ラ・マリーヌ)は、一気に私の中でのパリの大好きモニュメントベスト5入り☆
館内隣接のレストラン「Café Lapérouse」(カフェ・ラペルーズ)や「Mimosa(ミモザ)は、また機会をみて出かけてみたいと思っています。
*****おまけのNY*****
家具と言えば。
旅先の海外のベッドって大概高さがあるけれど、これは私史上1番の高さだよ〜、足がつかない、寝返り打ち過ぎて落ちたら怪我するかも?!と思っているNYのベッドです。
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