
最後の晩餐は"Le Meurice"
お世話になっている外交官のKご夫妻がついにフランスを離れることになってしまった
食いしん坊仲間の私達は何度も旅行をご一緒し、美味しいものがあると聞けば東奔西走してきた5年間。
楽しく、美味しい思い出は数えきれない。
そんなお二人とパリで最後の晩餐をするなら"Le Meurice"(ル・ムーリス)と、以前から約束していた。
そして先週ついに実現。
タクシーを降りた瞬間ドアマン3人くらいに囲まれドキっ。
入口床のHotel Meuriceの犬2匹のシンボルタイルを踏みながらホテルエントランスへ。
見上れば回転ドアの上にはバカラのシャンデリア
レストランの受付は入って右手。
絵のない額、無造作に置かれた椅子。モダンなアートだなぁ・・・と、しばし鑑賞。
予約を告げると、ダイニングルームにご案内。
なんだか緊張する
ところで、こちらのレストランは2003年からYannick Allenoがシェフに就任し、
2007年にはミシュラン3つ星獲得。
フランス料理界を引っ張る、今、最も旬なシェフの一人。
「目力」強烈
ダイニングルームに入ると、大きな壁画に圧倒される。
こちらは、ベルサイユ宮殿のサロンをイメージし、2007年にPHILIPPE STARCKがデザインしたもの。
まさに宮殿。気分はお姫様
天井画も美しく、更にシャンデリアがいくつも下がるこの上ない贅沢な空間。
あまりに非日常で、食べる前から気持ちはいっぱいな感じに。
フロア真ん中の席をいただき、益々緊張が高まる。
シャンパンとアミューズブーシュをいただきながらメニューの検討。
緊張したせいか、あまり味わいもせずにゴクリと飲みこんでしまった。情けない。
結局4人で"Menu Degustation"に決定。
アミューズ2皿目。
フネイユのムースにイワシのコロッケ(?)乗せ。
ムースの中にオレンジのような柑橘の隠し味。
ムースはふんわり軽く、たたみイワシのようなコロッケも中が空洞で全体的に軽い。
アミューズがこんな風に軽く始まると嬉しい。
Chair de tourteau en feuilles de calmar
かつら剥きしたようなイカにカニを包んで。
グレープフルーツの酸味、アーモンドクリームの甘さが絶妙。
次は何が出るのか?!
ワクワクして待っていると・・・・
Carottes maraicheres
なんと人参料理の3連発
まずは、
En gelee maltaise et concombre au Yuzu
柚子が効いたキュウリのジュレの上に甘い人参が・・・
この白いエスプーマ状の泡が独特の苦みがあり、説明してもらったものの、よくわからじ。
山椒の実のようにも見えけど、仁丹のような苦味。何の実か花か?
次に
Rapee au persil et aux petits raisons blonds vinaigres
濃いパセリのソースに薄く千切りされた人参を乗せ、間に白葡萄を。
パセリソソースの苦味が濃く、人参の優しい甘みと白レーズンの凝縮された甘さがアクセント。
とても体に良さそうな一皿。
Simplement cuite en papillote
アスパラとモリーユ茸、しかも下にはフォアグラムース。
私はアスパラの頭が大好き。
できればいつでも頭3センチだけ食べたい。
そんな密かな願望を叶えてくれたこのお料理には大いに興奮。
この日、一番好きな一皿でした。
フランス料理によくある光景。
この銀の蓋をジャ~ンと一斉に開けてくれる瞬間が好き。
Vapeur de cabillaud al'ail doux et au chorizo
コリコリのカビヨ(真鱈)にクリーム煮したアサリを乗せて完成。
下のネギが思ったよりシャキシャキしていて美味しい。
ただ、チョリソの味はあまり感じなかったかも。
こちらも季節のキノコ、モリーユ茸が。(モリーユ大好き!)
Agneau de lait des pyrenees
お肉は乳のみ仔羊。
臭みは当然全くなく、白に近いピンク色のお肉。美味しい以外の言葉が見つからない一皿。
お肉を真ん中にサイドにマッシュポテトのようなものが2列。
肉汁ソースが濃すぎないのもイイ。
Sainte-Maure de touraine foisonne
フロマージュは、ハイビスカスのジュレの上にムース状のシェーブルチーズ。
デザートのような綺麗な見た目と軽さのチーズでした。
やっぱり春は、シェーブルです!
さて、デザートを仕切るのは若きシェフ・パティシエCamille Lesceq
彼のデザートは世界一
軽いのに、軽いだけで終わらないフランス菓子らしいしっかり感も感じられる。
これ、なんのイル・フロッタントだったのか思い出せない・・・。
この時点で既にに時計は0時を回り、睡魔が忍びよる
Biscuit moelleux souffle au citron jaune
まさにタイトル通り、バニラとカフェクリームにカリカリのチョコレートサブレが下に敷かれた一皿。
この単純に見えて、でも一つ一つがとても丁寧に作られた完成された味を
掛け算で出すデザートは素晴らしい。
「弟子にしてください、カミーユ!」と叫びたいところですが、
何個でも食べれそうな味だったけれど、さすがに満腹。
ワインは、シャンパンの後
白は、Chassagne Montrachet-Morgeot 2005 "Domaine Ramonet"
赤は、Chamballe Musigny - Sentier 2006 "D.Duband"
と、いずれもブルゴーニュをいただきました。
なぜなら我々4人で繰り返し旅をしたのは、ブルゴーニュだから。
ある時は、収穫後の葡萄畑で葡萄を摘まんで、その美味しさに感激したり。
ある時は、「あんたたち、牛泥棒じゃ~ないだろうねぇ」と、村のお婆ちゃんに声をかけられたり。
毎回車いっぱいにワインを買って帰った楽しい思い出ばかりのブルゴーニュ。
ちょっと、しんみり気分のところにホテルマネージャーから嬉しいサプライズなプレゼントが
Hotel Meuriceの歴史をまとめた本と、皮のパスポートカバーをいただきました。
パスポートカバーは、ライトグリーンがとても美しく上品。
こんなゴージャスな雰囲気の中でシェフはじめスタッフの人達がとても気さくで親切だったので、最初は緊張していたものの、だんだんとリラックスして最後まで美味しくいただくことができました。
写真撮影は禁止だと思っていたのですが、ダメモトで伺うと、
「もちろんよ、どこでも撮ってください。」と、サンパなお返事。
そして周りを見ると他の客さん達も結構気軽に撮影していたり、スタッフの人達が各テーブルでカメラマンに。
フラッシュをたくなどして迷惑にならない限りは許可してくださるレストランが最近は多いようです。
(こちらのレストランは、十分他のお客様との距離もあったし)
この日、面白かったのはデザートタイムの頃、2組のカップルで食事をしていたフランス人グループの一人の男性が突然立ち上がり、みんなに聞こえる大きな声で「ハッピー・バースデー」の歌を歌い始めたこと。
その歌が、意外とウマい!
そして歌い終わると奥様にチュッと。(もちろん唇に
)
一斉に拍手が湧きました。
こういうことがサラリとできちゃうあたりが国民性?!
こうして私達の最後の晩餐は、夢心地のまま終わりを告げたのが夜中の1時過ぎ。
これからKご夫妻は、新天地エチオピアへ赴任される。
エチオピアでのお二人のご活躍を祈ると同時に、これからもよろしくお願いします。
パリ暮らしで身近に感じるようになったアフリカ。知りたいアフリカ。
必ず遊びに行きます!と誓って終わった夢のようなMeuriceの一夜でした。
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<Info>
Le Meurice
228 rue de Rivoli 75001 PARIS
http://www.lemeurice.com/paris-hotel
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食いしん坊仲間の私達は何度も旅行をご一緒し、美味しいものがあると聞けば東奔西走してきた5年間。
楽しく、美味しい思い出は数えきれない。
そんなお二人とパリで最後の晩餐をするなら"Le Meurice"(ル・ムーリス)と、以前から約束していた。
そして先週ついに実現。
タクシーを降りた瞬間ドアマン3人くらいに囲まれドキっ。
入口床のHotel Meuriceの犬2匹のシンボルタイルを踏みながらホテルエントランスへ。
見上れば回転ドアの上にはバカラのシャンデリア

レストランの受付は入って右手。
絵のない額、無造作に置かれた椅子。モダンなアートだなぁ・・・と、しばし鑑賞。
予約を告げると、ダイニングルームにご案内。
なんだか緊張する

ところで、こちらのレストランは2003年からYannick Allenoがシェフに就任し、
2007年にはミシュラン3つ星獲得。
フランス料理界を引っ張る、今、最も旬なシェフの一人。
「目力」強烈

ダイニングルームに入ると、大きな壁画に圧倒される。
こちらは、ベルサイユ宮殿のサロンをイメージし、2007年にPHILIPPE STARCKがデザインしたもの。
まさに宮殿。気分はお姫様

天井画も美しく、更にシャンデリアがいくつも下がるこの上ない贅沢な空間。
あまりに非日常で、食べる前から気持ちはいっぱいな感じに。
フロア真ん中の席をいただき、益々緊張が高まる。
シャンパンとアミューズブーシュをいただきながらメニューの検討。
緊張したせいか、あまり味わいもせずにゴクリと飲みこんでしまった。情けない。
結局4人で"Menu Degustation"に決定。
アミューズ2皿目。
フネイユのムースにイワシのコロッケ(?)乗せ。
ムースの中にオレンジのような柑橘の隠し味。
ムースはふんわり軽く、たたみイワシのようなコロッケも中が空洞で全体的に軽い。
アミューズがこんな風に軽く始まると嬉しい。
Chair de tourteau en feuilles de calmar
かつら剥きしたようなイカにカニを包んで。
グレープフルーツの酸味、アーモンドクリームの甘さが絶妙。
次は何が出るのか?!
ワクワクして待っていると・・・・
Carottes maraicheres
なんと人参料理の3連発
まずは、
En gelee maltaise et concombre au Yuzu
柚子が効いたキュウリのジュレの上に甘い人参が・・・
この白いエスプーマ状の泡が独特の苦みがあり、説明してもらったものの、よくわからじ。
山椒の実のようにも見えけど、仁丹のような苦味。何の実か花か?
次に
Rapee au persil et aux petits raisons blonds vinaigres
濃いパセリのソースに薄く千切りされた人参を乗せ、間に白葡萄を。
パセリソソースの苦味が濃く、人参の優しい甘みと白レーズンの凝縮された甘さがアクセント。
とても体に良さそうな一皿。
Simplement cuite en papillote
紙で包んで人参の水分だけで蒸した一皿。
美味しい蜂蜜と塩少々。
「甘い人参」と言えば、お肉の付け合わせの「人参グラッセ」。
不自然な甘さが好きではなかったけど、この人参はそれとは全く違う甘さ。
まるでサツマイモのように甘く、ホクホクで少しねっとり感もある。
こんなに美味しい人参が育つ大地ってどんな所?
フランスの野菜の美味しさを強烈に感じた瞬間でした。
Etuvee d'asperges vertes et morilles
アスパラとモリーユ茸、しかも下にはフォアグラムース。
私はアスパラの頭が大好き。
できればいつでも頭3センチだけ食べたい。
そんな密かな願望を叶えてくれたこのお料理には大いに興奮。
この日、一番好きな一皿でした。
フランス料理によくある光景。
この銀の蓋をジャ~ンと一斉に開けてくれる瞬間が好き。
Vapeur de cabillaud al'ail doux et au chorizo
コリコリのカビヨ(真鱈)にクリーム煮したアサリを乗せて完成。
下のネギが思ったよりシャキシャキしていて美味しい。
ただ、チョリソの味はあまり感じなかったかも。
こちらも季節のキノコ、モリーユ茸が。(モリーユ大好き!)
Agneau de lait des pyrenees
お肉は乳のみ仔羊。
臭みは当然全くなく、白に近いピンク色のお肉。美味しい以外の言葉が見つからない一皿。
お肉を真ん中にサイドにマッシュポテトのようなものが2列。
肉汁ソースが濃すぎないのもイイ。
Sainte-Maure de touraine foisonne
フロマージュは、ハイビスカスのジュレの上にムース状のシェーブルチーズ。
デザートのような綺麗な見た目と軽さのチーズでした。
やっぱり春は、シェーブルです!
さて、デザートを仕切るのは若きシェフ・パティシエCamille Lesceq

彼のデザートは世界一

軽いのに、軽いだけで終わらないフランス菓子らしいしっかり感も感じられる。
これ、なんのイル・フロッタントだったのか思い出せない・・・。
この時点で既にに時計は0時を回り、睡魔が忍びよる

Biscuit moelleux souffle au citron jaune
シトロンのソルベとスフレ(間にクリームを挟んで)。
ハンパない酸っぱさとテキーラが隠し味。
この酸っぱさが強烈で一気に目が覚める
Vanille Cafe Chocolat
まさにタイトル通り、バニラとカフェクリームにカリカリのチョコレートサブレが下に敷かれた一皿。
この単純に見えて、でも一つ一つがとても丁寧に作られた完成された味を
掛け算で出すデザートは素晴らしい。
「弟子にしてください、カミーユ!」と叫びたいところですが、
既に彼の下には14人ものパティシエ達がいるのだそう・・・。
プチ・フールは、バナナのミニマドレーヌを紅茶と一緒に。
何個でも食べれそうな味だったけれど、さすがに満腹。
ワインは、シャンパンの後
白は、Chassagne Montrachet-Morgeot 2005 "Domaine Ramonet"
赤は、Chamballe Musigny - Sentier 2006 "D.Duband"
と、いずれもブルゴーニュをいただきました。
なぜなら我々4人で繰り返し旅をしたのは、ブルゴーニュだから。
ある時は、収穫後の葡萄畑で葡萄を摘まんで、その美味しさに感激したり。
ある時は、「あんたたち、牛泥棒じゃ~ないだろうねぇ」と、村のお婆ちゃんに声をかけられたり。
毎回車いっぱいにワインを買って帰った楽しい思い出ばかりのブルゴーニュ。
ちょっと、しんみり気分のところにホテルマネージャーから嬉しいサプライズなプレゼントが

Hotel Meuriceの歴史をまとめた本と、皮のパスポートカバーをいただきました。
パスポートカバーは、ライトグリーンがとても美しく上品。
こんなゴージャスな雰囲気の中でシェフはじめスタッフの人達がとても気さくで親切だったので、最初は緊張していたものの、だんだんとリラックスして最後まで美味しくいただくことができました。
写真撮影は禁止だと思っていたのですが、ダメモトで伺うと、
「もちろんよ、どこでも撮ってください。」と、サンパなお返事。
そして周りを見ると他の客さん達も結構気軽に撮影していたり、スタッフの人達が各テーブルでカメラマンに。
フラッシュをたくなどして迷惑にならない限りは許可してくださるレストランが最近は多いようです。
(こちらのレストランは、十分他のお客様との距離もあったし)
この日、面白かったのはデザートタイムの頃、2組のカップルで食事をしていたフランス人グループの一人の男性が突然立ち上がり、みんなに聞こえる大きな声で「ハッピー・バースデー」の歌を歌い始めたこと。
その歌が、意外とウマい!
そして歌い終わると奥様にチュッと。(もちろん唇に

一斉に拍手が湧きました。
こういうことがサラリとできちゃうあたりが国民性?!
こうして私達の最後の晩餐は、夢心地のまま終わりを告げたのが夜中の1時過ぎ。
これからKご夫妻は、新天地エチオピアへ赴任される。
エチオピアでのお二人のご活躍を祈ると同時に、これからもよろしくお願いします。
パリ暮らしで身近に感じるようになったアフリカ。知りたいアフリカ。
必ず遊びに行きます!と誓って終わった夢のようなMeuriceの一夜でした。
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<Info>
Le Meurice
228 rue de Rivoli 75001 PARIS
http://www.lemeurice.com/paris-hotel
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