
"La Dame a la Licorne"~私の唯一の望み~
自宅から一番近い美術館がmusee Cluny Paris(パリ クリュニー中世美術館)。
大好きな美術館の一つ。気になっていた"EPEE"(剣)展を終了間際に観てきました。
この建物は、中世のお屋敷が美術館になっているのですが、その下というか横には古代ローマ遺跡が
偶然発掘されたというのも驚きです
3世紀頃のガロ・ロマン時代の共同浴場の遺跡だそうで、道路沿いに簡単に覗けます。
(柵があって遺跡内には入れませんが)
古代ローマの共同浴場と言えば!
最近気になるのは、その古代ローマの風呂と日本の風呂をテーマにした
「テルマエ・ロマエ」(ヤマザキマリ)という漫画
親友Yちゃんの家で、読ませてもらってから続きが気になっているのですが・・・。
(Yちゃんよ、今度遊びに行くまで処分しないで、とお願いしたい!)
(そして漫画好きのアトランタに暮らすMちゃん、これオススメ漫画よ
)
ところで、この美術館には文字通り中世時代の彫刻、装飾品、レリーフ、タピトリー、絵、本
などなどなどの美術コレクションがたっぷり。
中世と一言で言ってもその歴史は4~15(16とも)世紀とも言われ、とにかく長い
教会の綺麗なステンドガラスも、こんな至近距離で観察できたり、
芸術的に凝った天井の作りもじっくり、見れる。
女性としては装飾品は特に気になる。
驚くのは何世紀も経っても変わらない「金」や、今でもできそうなピアスや指輪
教会で使われていたような、こんなものも。
そして特別展のEPEE展へ。
時代ごとに沢山の「剣」が展示してあったのですが、
実際に戦いに使われたものはコレで人を斬ったのかな?と思うと、ちょっとゾッとする。
王や貴族が儀式に使った剣は、この上なく贅沢な芸術品という感じで面白い。
夏休みの研究課題らしい小さな男の子達が必死にスケッチしてる姿もチラホラ。
で、実際に剣を持てるコーナーがあったので、ジャンヌ・ダルク気分で持ってみると、重い
やっぱり映画で見るように、両手で持って相手をぶった切るという感じ。
とても片手では振りまわせません。(と言いながら片手で持ってる力持ち・・・)
ところで!
この美術館で最も有名で魅力的な展示は15世紀末の"La Dame a la Licorne"(貴婦人と一角獣)
のタピスリー6連作です
一つの部屋に6枚ぐるりと並べて展示されています。
そのうち5枚は五感を示しているといわれ、最後の1枚をどう解釈するか?が謎かけのようになっています。
さっそく1枚ずつ。
味覚(La Gout)、
侍女が持つお皿の中に手を伸ばしているので食べ物から味覚とわかる。
聴覚(L'Ouie)
貴婦人が楽器に触れているので、これは聴覚。
視覚(La Vue)、
貴婦人が鏡を持ってユニコーンを写しているので視覚。
嗅覚(L'Odorat)、
貴婦人が侍女の女性から花を受け取って、その花で冠を作ってます。
「花」から連想されるのは、香りなので嗅覚。(このへん、ちょっと難しいですが消去法で)
触覚(Le Touche)
貴婦人がユニコーンの角を掴んでいるので、触覚。
ここまでの5枚は比較的簡単に推測できます。
問題の最後の1枚は、ブルーのテントの上に"A Mon Seul Desir"(私の唯一の望み)
という言葉が入っています。
一般的には、貴婦人が装飾品を外し箱に入れようとしているように見えるので、
自ら贅沢をやめる"自由意志"を表しているとか、
欲望を断ち俗世から離れる行為などと言われてるそうです
これ、私はその時に自分がどんな気持ちかで見え方が変わってくるように感じて
何度見ても面白いと感じる作品です。
宝石を自ら手放すように全てを捨て去るように見える時、
いやいや、これから宝石を身につける、貪欲に生きようとする姿に見える時、
それとも手放すか身につけるか迷って見える時・・・。
今回の私には、これは自分の意思で宝石を選んだように見えました。
沢山ある選択肢の中で、彼女が自分の意志で選ぶネックレス。
そう見えた時の唯一の望みとは、自分の意思で選び取る自由や自立と自己表現かな?と。
作者不明、依頼主不明、誰が何の為に作れせたものなのかわからないというのが、ミステリアスで
想像力を刺激する感じ。
最後のタピスリーに託された「私の唯一の望み」どう見えます?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
<Info>
Musee National de Moyen Age(musee Cluny Paris)
6 pl Paul Painleve 75005 Paris
http://www.musee-moyenage.fr/
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大好きな美術館の一つ。気になっていた"EPEE"(剣)展を終了間際に観てきました。
この建物は、中世のお屋敷が美術館になっているのですが、その下というか横には古代ローマ遺跡が
偶然発掘されたというのも驚きです

3世紀頃のガロ・ロマン時代の共同浴場の遺跡だそうで、道路沿いに簡単に覗けます。
(柵があって遺跡内には入れませんが)
古代ローマの共同浴場と言えば!
最近気になるのは、その古代ローマの風呂と日本の風呂をテーマにした
「テルマエ・ロマエ」(ヤマザキマリ)という漫画

親友Yちゃんの家で、読ませてもらってから続きが気になっているのですが・・・。
(Yちゃんよ、今度遊びに行くまで処分しないで、とお願いしたい!)
(そして漫画好きのアトランタに暮らすMちゃん、これオススメ漫画よ

ところで、この美術館には文字通り中世時代の彫刻、装飾品、レリーフ、タピトリー、絵、本
などなどなどの美術コレクションがたっぷり。
中世と一言で言ってもその歴史は4~15(16とも)世紀とも言われ、とにかく長い

教会の綺麗なステンドガラスも、こんな至近距離で観察できたり、
芸術的に凝った天井の作りもじっくり、見れる。
女性としては装飾品は特に気になる。
驚くのは何世紀も経っても変わらない「金」や、今でもできそうなピアスや指輪

教会で使われていたような、こんなものも。
そして特別展のEPEE展へ。
時代ごとに沢山の「剣」が展示してあったのですが、
実際に戦いに使われたものはコレで人を斬ったのかな?と思うと、ちょっとゾッとする。
王や貴族が儀式に使った剣は、この上なく贅沢な芸術品という感じで面白い。
夏休みの研究課題らしい小さな男の子達が必死にスケッチしてる姿もチラホラ。
で、実際に剣を持てるコーナーがあったので、ジャンヌ・ダルク気分で持ってみると、重い

やっぱり映画で見るように、両手で持って相手をぶった切るという感じ。
とても片手では振りまわせません。(と言いながら片手で持ってる力持ち・・・)
ところで!
この美術館で最も有名で魅力的な展示は15世紀末の"La Dame a la Licorne"(貴婦人と一角獣)
のタピスリー6連作です

一つの部屋に6枚ぐるりと並べて展示されています。
そのうち5枚は五感を示しているといわれ、最後の1枚をどう解釈するか?が謎かけのようになっています。
さっそく1枚ずつ。
味覚(La Gout)、
侍女が持つお皿の中に手を伸ばしているので食べ物から味覚とわかる。
聴覚(L'Ouie)
貴婦人が楽器に触れているので、これは聴覚。
視覚(La Vue)、
貴婦人が鏡を持ってユニコーンを写しているので視覚。
嗅覚(L'Odorat)、
貴婦人が侍女の女性から花を受け取って、その花で冠を作ってます。
「花」から連想されるのは、香りなので嗅覚。(このへん、ちょっと難しいですが消去法で)
触覚(Le Touche)
貴婦人がユニコーンの角を掴んでいるので、触覚。
ここまでの5枚は比較的簡単に推測できます。
問題の最後の1枚は、ブルーのテントの上に"A Mon Seul Desir"(私の唯一の望み)
という言葉が入っています。
一般的には、貴婦人が装飾品を外し箱に入れようとしているように見えるので、
自ら贅沢をやめる"自由意志"を表しているとか、
欲望を断ち俗世から離れる行為などと言われてるそうです

これ、私はその時に自分がどんな気持ちかで見え方が変わってくるように感じて
何度見ても面白いと感じる作品です。
宝石を自ら手放すように全てを捨て去るように見える時、
いやいや、これから宝石を身につける、貪欲に生きようとする姿に見える時、
それとも手放すか身につけるか迷って見える時・・・。
今回の私には、これは自分の意思で宝石を選んだように見えました。
沢山ある選択肢の中で、彼女が自分の意志で選ぶネックレス。
そう見えた時の唯一の望みとは、自分の意思で選び取る自由や自立と自己表現かな?と。
作者不明、依頼主不明、誰が何の為に作れせたものなのかわからないというのが、ミステリアスで
想像力を刺激する感じ。
最後のタピスリーに託された「私の唯一の望み」どう見えます?
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<Info>
Musee National de Moyen Age(musee Cluny Paris)
6 pl Paul Painleve 75005 Paris
http://www.musee-moyenage.fr/
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