Comme d'habitude 〜パリ・東京行ったり来たりblog〜

Les Enfants du paradis~天井桟敷の人々~

私にとっては今シーズン最後のパリ・オペラ座ガルニエ宮のバレエ公演
"Les Enfants du paradis"(直訳:楽園の子供達)を観に行ってきました。

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こちらのバレエは2008年に初演されたパリ・オペラ座のオリジナル作品。

Marcel Carne(マルセル・カルネ)監督の映画"Les Enfants du paradis"(邦題:天井桟敷の人々)を、
オペラ座現役エトワールのJose Martinez(ジョゼ・マルティネス)が振付し、
衣装も現役エトワールのAgnes Letestu(アニエス・ルテステュ)が担当し、
初演当時もとても話題になりました

そして、何より私の大好きなMathieu Ganioがキャスティングされた忘れられない作品

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作品にちなんで、今回もオペラ座に入ると劇場内のあちこちに大道芸人の姿が。
私の側にもやってきて、「チケットを寄こせ~」と一悶着
最初から盛り上がる演出です。

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あらすじは、

<1幕>
19世紀のパリ。美人なガランスと彼女を取り巻く男たち4人、バチスト、フレデリック、ラスメール、伯爵
の関係を中心に物語は進む。
大勢の人で賑わう「犯罪大通り」から物語はスタート。

女たらしで売れない俳優・フレデリックは街中でガランスに一目惚れ
ガランスに饒舌に迫るものの、彼女は軽くあしらう。
ガランスとやくざな友人ラスメールは、犯罪大通りで「フュナンビュール座」のパントマイムを楽しんでいた。

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そしてラスメールは、隣りで余興に見入っていたお金持ちそうな紳士から懐中時計を盗む

ガランスは、その犯人の濡れ衣を着せられ警察に捕まりそうなるが、
一部始終を見ていたパントマイム芸人のバチストによってスリのシーンがコミカルに
パントマイムで再現され、皆が笑う中、彼女の疑いは晴れる

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これがきっかけで、バチストはガランスに恋する

その後、偶然ガランスと再会するバチスト。
お互いは惹かれ合うものの、バチストは、か~なりの奥手というか純情。
自分の部屋に連れて来たものの、途中で逃げ出してしまう・・・。
同宿のフレデリックがガランスを誘う・・・

そしてバチストのパントマイムは少しずつ評判になり、彼の計らいでフレデリックとガランスも
同じ舞台で共演することに。

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その公演を観ていた伯爵がガランスに一目惚れ
財力でガランスを口説くも、その場は断るガランス。

ガランスはフレデリックと一晩を共にしたことで、フレデリックに想いを寄せていた下宿の女主人に
逆恨みされ、またまた警察沙汰に やむなく、ガランスは伯爵に助けを乞う。


<幕間>
1幕が終わると同時に天井から沢山の紙切れが降ってきました
そのビラにはシェイクスピアの「オセロ」公演案内が。

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そして、なんと入口正面の大階段でフレデリックが演じる「オセロ」のお芝居が始まりました。

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幕間まで観客を楽しませる演出で本当に楽しいこのバレエ
アイスクリームを食べながら寸劇を見下ろし、あっという間の幕間でした。


<2幕>
ガランスは伯爵夫人として暮らし、一方バチストは同じ劇団の女性で最初から一途にバチストだけを
想っていたナタリーと結婚し、男の子を授かる。一見、幸せ家族。

でも、自分の舞台で客席にいるガランスの姿を見つける。
そして伯爵主催の舞踏会に潜りこみ、バチストとガランスは再会。

一方、舞踏会では伯爵がラスメールを侮辱。
侮辱されたラスメールは、腹いせにガランスとバチストの関係を暴露。
二人の関係を知った伯爵は嘆き、街をさまよう中、追ってきたラスメールに刺されてしまう。

ガランスとバチストが一緒に部屋にいるところに、妻のナタリーが踏み込み修羅場
部屋を飛び出すガランス。ナタリーがすがるも、バチストはガランスの後を追う。

ナタリーの嘆きと悲しみを知ったガランスは街の喧騒の中、バチストのもとを去っていく・・・。


実際にガランスがステージからオーケストラピットに降り、観客席の間を静かに歩いて去る。
そして幕が下りました。

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カーテンコールには、
振付したジョセ・マルティネスの登場で客席は一層盛り上がりました。

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ストーリーがしっかりしたお話なので、バレエでありながらお芝居のような感じ。
幕間にも演奏が続いたり、お芝居があったりで、大階段や客席を使っての演出は普段のバレエと違い、
とても楽しく、あっという間の2時間40分。

衣装もクラシックで優雅。うっとり。
ただ2幕1場のフィルムをドレスにしたようなモダンなドレスは、なんなくスタイルが悪く見えて・・・・。


キャスティングは、こちら。

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バチスト役はStephan Bullion(ステファン・ビュィオン)。
振り返ると、今シーズン私が観たバレエの多くに出演していたStephan Bullion。
今、とても勢いのある注目のダンサーなんだろうなぁと思う。

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今回のバチスト役、やや無表情で一途で純情な男性の雰囲気が良くでてました。
役柄のせいもあって、ちょっと暗い・・・。その陰のある感じがまた良かったです。

ガランス役のLudmila Paglieroは、途中からサラ・ジェシカ・パーカーに見えてきて、
一瞬頭に"Sex and The City"のオープニング曲が
(いかん、いかん、と思いステージに集中!)

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モテモテの時は、まわりが見えないというか、人の気持ちも本当に自分が求めるものもかわからない。
気が付いた時には、もう手遅れな悲しい感じも伝わってきました。


フレデリック役のKarl Paquette。
とても良かったです。ちょっと金髪で、いかにもバレエの王子様。
笑顔が可愛くて、華がある
個人的には、今後がかなり気になる存在です。

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ラスメール役のStephane Phavorinも体が鞭のようにしなかやで、とても動きが綺麗でした。
線が細い印象なのですが、踊ってるととてもセクシーで

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美しいガランスに振りまわされた男たち。
そして、振りまわした本人も最後は幸せという訳でもなく、ちょっと物悲しいラスト。
本当に好きな人に出逢うこと(そのタイミング!)、そして一緒になることって難しい・・・。

このバレエの元になった映画"Les Enfants du paradis"は第二次世界大戦中に作られたモノクロ映画。
3年前にTUSTAYAでレンタルして見たのですが、とてもオススメ

という訳で、今シーズンのオペラ座バレエは終了ですが、とても充実したシーズンで感無量

そうそう!先日新たにガルニエ宮併設のレストランがオープンしました。
場所は、ブティック隣り。

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この時期はテラス席も。

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今度デジュネでも食べに行ってみようかな、と思います。

KEICO

新潟県の老舗旅館に生まれ育つ。
上京、進学、就職、まさかの出逢い?で結婚し2004年渡仏。
現在は夫と共にパリ・東京を行ったり来たりな生活中☆
そんな毎日からのグルメ・ファッション・カルチャー・バカンスなどの話題を中心にブログ更新致します。

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