
Merci a tous!!
ここ数年、私の誕生日は料理好きの夫が自宅で料理を作っての
お祝いだったのですが、今年は久しぶりに外食へ
と言う訳で、お気に入り、パリ17区にある" La Bigararade"(ラ・ビガラード)
へ行ってきました。
テーブルについて早々に
"Bon Anniversaire"(誕生日おめでとう)と、
ソムリエのジュリアンがシャンパンをサービスしてくれました。
嬉しくて感激しながら、パクっと最初の自家製一口フォカッチャは
食べてしまい撮り忘れました
手で食べる「白海老のフリット」
焼いたライムは最初にかけずに最後にガブっとかじる感じで。
この後、「おてふき」として日本のような熱々のおしぼりが出されました。
この熱々のおしぼりを顔に乗せて「ふ~」とかいう、
典型的な日本オヤジの行動を夫が取るんじゃないか?!
とドキドキしたけど、アッサリ手を拭いて終わりだった。つまらん。
ここでジャポン文化を見せてあげても良かったのにな・・・。
「イカのお刺身」
イカのお刺身なのですが中に蜂蜜漬けの梅干し、そしてカリフラワーの
芯部分のスライスが。
シャキシャキのカリフラワーの食感の中に甘いイカとほんのり
甘く酸っぱい梅干しが合う
「生牡蠣」
本枯の出汁の緩いゼリー状のスープの中に半分に切った生牡蠣を。
毎回思うけれど、やっぱりシェフのペレ氏は本当にプレゼンテーションも
かなりのこだわりがあって美味しいからと言って丸ごとドーンとか、
そのまんまでは決して出さない。
今回はシャンパンで通すことに
という訳でジュリアンが勧めてくれたのが、こちら。
"fidele"とは名詞だと敬虔な信者、愛好家、馴染み客、みたいな意味。
どうでもいいけど、フランス人はワインやシャンパンを人に
喩えたりするので面白いです。
確かにフランスワインは複雑で色々な魅力があるので、
本当に人間の性格みたい。
「ジャイアンみたいな(=夫みたいな)シャンパンってある?」と
今度ジュリアンに相談してみよう
「帆立」
表面を軽く炙っただけで、ほとんど生の帆立にアンチョビと
生ヘーゼルナッツを挟んだもの。
緑のソースと一緒に帆立もこんな美しくなるのか・・・と感激した一皿。
「ルジェ」
こちらはフランスでは良く食べる「ルジェ」という白身魚です。
鱗が赤い魚です。
上には大根?カブ?ような野菜を薄くスライスしたものを、そして
まぐろのカラスミのスライスも。
「リー・ド・ヴォ」
ここ最近パリで食事に「リー・ド・ヴォ」の登場確率は高い。
やっぱり人気の食材なんですねぇ。
美味しくておかわりしたいところですが、残念ながらどのお皿も一口サイズ。
「サンピエール」
こちらも白身魚なのですが、フランスのレストランではよく見る食材
辞書によると「マトウダイ」なのですが、やっぱりちょっと日本の物とは
違うような気がします。
Saint-Pierreは、宗教画にも頻繁に描かれる鍵を持ってる
聖人の名前なので覚えやすい。
横腹にサン・ピエールがつかんだ跡という黒い斑点があるんだそうです。
スーシェフ・ジュリアーノの火入れは繊細かつ大胆。
黒いソースは、焦がしにんにくベース。
ここで赤ワインを。またまた"Cote Rotie"
パリのソムリエさん達は最近コート・ロッティを勧めることが多いんですが、
やっぱり今の時期の食材に合わせやすかったりするのかな?
それにしても「ソムリエ」というお仕事をしてる人の表現力の豊かさには驚きます

開ける前にお客さんにそのワインの性格、性質を言葉で説明するので、
当然表現力が求められると思うものの、1本のワインでよくそんだけ話せるな~と。
この赤いワインが合うと言われて出来てきたのは「リエーブル」でした

「リエーブル」は、「野兎」でジビエの一つ。
初めてフランス語を習ったのはグルメなお坊ちゃまな先生で、その先生が
「パリに行ったら冬は絶対リエーブルを食べて!も~冬のフランスの味!!」
と言いながら
ん~、美味しい♪と、投げキスのようなジェスチャーで「チュ」と

そして食べた時の衝撃は今でも脳裏に・・・。
くっさ~い&フォアグラソース濃すぎる、見た目も味も全てが濃く、
嗅いだことのない獣臭で私はお皿3分1ぐらいでギブアップ

こ、これが美味しいと言えないとフランスにはついていけないのか・・・と思うと、
パリに来たことを一瞬後悔するほど強烈な一皿でした。
あれ以来、私の中ではリエーブルは要注意料理

が、今回のこちらは信じられないエレガントなお肉。
臭くない!ソースも美味しい!
伝統の料理を新しく解釈して、フォアグラも薄くスライスしてあくまで隠し味、
一気にリエーブルへの偏見を無くしてくれた一皿

あまりに美味しいリエーブルの余韻に浸りながら「フロマージュ」を。
チーズにつけて食べてると美味しいと言われ出されたこちらは栗の蜂蜜。
以前長野で見つけた蕎麦の花の蜂蜜のよう。
色も香りもしっかりめで濃く、ミネラル分が豊富な感じとちょっとした苦味
もあって体に良さそうな味。
確かにチーズにとても合う

お口直しは抹茶のグラニテ
左のオレンジ色の野菜はなんだったのか、答えを探る前に胃の中へ
落ちてしまいました。
(下には美味しいクリーム。その甘いクリームの何系と表現しがたき味。)
真ん中は、林檎にメレンゲをくだいたもの
右はレモンのババロアとゼリーのようなデセールでこちらの定番デセール。
バニラアイスに胡麻ペースト、白胡麻が効いてます。
このへんでお酒がまわってきたようで記憶が・・・。
ただ、このサブレが美味しいという記憶はしっかり。
上に載っているのはマルメロの実のコンフィ、下は多分バニラクリーム・・・・。
そしてチョコレートケーキが

そっと出されたキャンドルに眠気と酔いも冷める。
なんだんかシックな感じで、これまでの私の誕生日らしからぬ雰囲気に・・・。
なんだか気がつけば30代もあと少しになってしまったことを改めて感じ、
毎日を大事にしたいと思いました。
体力的なものやお肌のハリ(?)は、確実に20代とは違うし
衰えちゃったな~とは思うものの、
年を重ねる中で様々な経験を通してパリマダムのような大人の女を
目指したいもんです。
「Bon anniversaire! ところでリエーブル大丈夫だった?」
と帰り支度のシェフが。
キッチンやスタッフの皆さんも、Bon anniversaire!! と。
ありがとうございます! 恥ずかしいやら嬉しいやら。
今日のリエーブルは、全然大丈夫!こんな美味しくエレガントな
リエーブルは初めて

とてもフレッシュな野兎が手に入ったのでエイジングもしてないんだそうです。
臭いものが良しとしてエイジングするのがジビエ料理だと思っていたのですが、
こんな風にフレッシュな状態で楽しむジビエがあるとは、衝撃的でした

やっぱりペレさん天才だな・・・と感動しつつ、私服もいつもオシャレさんだよね~。
帰りのタクシーの中ではエッフェル塔がキラキラタイムに

キラキラを見ながら色々なことを思い出し、いつになくしんみり気分になった
誕生日の夜でした。
色々な人に、色々なことに、ありがとうございますの気持ちです。
"Merci a tous!!"
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<INFO>
Bigarrade
106, rue nollet 75017 PARIS
01.42.26.01.02
http://bigarrade.fr/
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