Comme d'habitude 〜パリ・東京行ったり来たりblog〜

Cezanne et Paris

今回の帰国前のお話になりますが、Musee du Luxembourgで開催中の"Cezanne et Paris"
(セザンヌとパリ)を観に行ってきました

こちらもパリの自宅からは徒歩で行ける美術館の一つなので、つい新しい展示が始まると気になります。

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と言うのも、リュクサンブール公園の敷地内にあるこの小さい美術館で毎回企画される
展示会は、話題性が高く、小規模な展示でも珍しいものや良質なものが数多く集められる
ということもあって左岸のマダム達に人気です

集まるお客さんは、ややご年配の方が多く、ゆったりとご夫妻で鑑賞していたり、
お孫さんを連れた綺麗なおばあちゃまの姿などをよく見かけます

そういうおばあちゃまのスカーフ使いとか、なんとも素敵なんですよね~。
あ~、こんな素敵なおばあちゃんになりたいよぉ・・・と、絵よりもそっちが気になることも多い美術館


さて、今回のセザンヌ展、
この展示の前に出かけたグラン・パレで開催中の
"Matisse, Cezanne, Picasso... L'aventure des Stein"や、
オルセー美術館で観る絵と比べるとどうなんだろう?と。

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ポール・セザンヌは裕福なブルジョワ家庭の息子として南仏、Aix-en-Provenceに生まれました。

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これまで見た彼の絵には、こんな感じの南仏の山をはじめとする風景画が多かったので、
故郷のAix-en-Provenceで長く過ごしたと勝手に思い込んでいたのですが、パリと南仏を
往来しながらも、画家としての生涯は主にパリとその周辺で送ったことを知りました

なので、今回の展示では今とあまり変わらない19世紀のパリの街並みの絵がたくさんあり、
ある意味とても新鮮に見えました。

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そもそも裕福な家庭に育っているのでお金に困ることはなかったそうですが、父の期待は
息子に法律を学んで法律家になってもらうこと
一度は地元のエクス大学の法学部に入っていながらも、親の希望と自分が好きな絵を描くことの間で
葛藤があったそう。

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親の期待と自分のやりたいことが一致しないのは、誰の身にも起こることだな・・・と。
むしろ親の期待や望み通りに子供が生きるってことが少ないだろ~なんて、
思いながら上の肖像画を眺めてみました。

結局、法学部を中退して絵を学ぶためにパリへ上京するのですが、作家のエミール・ゾラに相談の手紙を
送っていることを知りました
エミールの返事には、
「”本物”の法律家でも”本物”の画家、どちらでもいいけど、絵具で汚れた”普通の人間”にはなるなよ。」と。

そのエミール・ゾラとの出会いは、エクスの中学時代。
パリからやってきたエミールが田舎のエクスに馴染めないでいた時に、親しくしたのがセザンヌなのだそう。
そのお礼にエミールが籠一杯の林檎を送ったそうで、それがきっかけで彼は林檎の絵を描き始めたそう。

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セザンヌの林檎の絵にはそんなエピソードがあったとは! 友情の林檎ですねー。
(ゾラとは、40代の頃に絶交してしまうのですが・・・)

そして、今回展示されている絵の面白いところは、現在の持ち主の他に元々の持ち主についても
記されているのですが、エミール・ゾラが持っていた絵がわりと多いのです。
他にもピサロやマティスの名前も!
画家仲間をはじめとする芸術関係者が多く持っていたということは、当時の彼らに大きな影響を与える画家
だっということは、容易に想像できます。

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風景の他には、奥様の肖像画や林檎などの静物画を沢山描いているセザンヌ。
静物画をジーっと見ていると、「ちょっと実際とは違っていてデフォルメされる部分があるんだよ」と
隣りでお孫さんを連れているマダムが説明していました

わかる?
わかんない・・・。と心の中で私はつぶやいたのですが、チビッ子にはわかったのかも

また、セザンヌはモデルを務める奥様がちょっとでも動くと
「林檎は動かないぞ」と、叱ったそう
厳しい&嫌味っぽい夫だな・・・。「お気持ち、お察しします。」の気分になりました。

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セザンヌは、父親と確執がずっとあって、奥さん・オルタンの存在をずっと隠していたそうです。
バレると仕送りがストップするという理由から
女性としては、ちょいと許せない気がするのですが、絵が売れるまでは生活が大変という現実。
オルタンは、セザンヌの才能を愛して信じていたから耐えることが出来たのかなぁ・・・

それにしても、南仏画家・セザンヌと思い込んでいたので、今回の展示で彼の描くパリの風景は、
とても新鮮だったし、私の中ではパリの風景はユトリロの描いた絵がとてもインパクト大だったので、
それとはまた全然違ったパリの顔を見せてもらったような気がしたとても興味深い展覧会でした。


今日の最後のパリ写真は、何度かブログには描いているこの美術館があるリュクサンブール公園
今は寒々とした姿ですが、春夏は花がいっぱいの公園。

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花が多いので、養蜂もやってるみたいです

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通りかかったこの日は、たまたまその蜂蜜の試食会開催中でした

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食べてみたかったのですが、時間がなくて素通りでした・・・。
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<INFO>
Musee du Luxembourg
19, rue de Vaugiard 75006
*Cezanne et Paris(セザンヌとパリ)展は、2012年2月26日まで。
http://www.museeduluxembourg.fr/
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KEICO

新潟県の老舗旅館に生まれ育つ。
上京、進学、就職、まさかの出逢い?で結婚し2004年渡仏。
現在は夫と共にパリ・東京を行ったり来たりな生活中☆
そんな毎日からのグルメ・ファッション・カルチャー・バカンスなどの話題を中心にブログ更新致します。

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