Comme d'habitude 〜パリ・東京行ったり来たりblog〜

"Madame"と"Mademoiselle"

2011年も今日で終わり。今年最後のブログ

このブログを始めて約1年経ったのですが、スタート当初は何をどんな風に書こう?と迷いが多く、
そんな中で友達が色々意見や感想を率直に伝えてくれた事がとてもありがたかったです。
この場をかりて改めてメルシー

もらった意見の一つに、
ケイコがパリに暮らす日常で感じることを綴って欲しい。
ガイドブックにはないパリの空気感みたいなものを教えて欲しい、と。

確かに日々感じること、考えることは多々ある。
そういうことも書こうと思いながらなかなか書けずにきてしまい、つい安易なことばかり綴ってきたと思う。

という訳で今年最後は、いつもと違ったトーンでパリのスナップ写真を混ぜながら書いてみます。

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                    (ソルボンヌ前のカフェはいつも人気)

30ちょい過ぎでパリに来た私は、ほぼ100%フランス人からは「マドモアゼル!」と話しかけられてました。
未婚女性、若い女性にかけられるこの敬称"mademoiselle"いう言葉は、響きも可愛く感じられたし、
若く見られてる?というのは、ちょっと嬉しい気分に

若い=色々な可能性がある、そんな気持ちになるせいか、
アタシもまだまだ捨てたもんじゃないかもね?! と、当時ちょっと小鼻が膨らんでいたに違いない。

でもそれは特別なことではなく、欧米人に比べるとアジア人は童顔なので、30代、人によっては40代でも
「マドモアゼル」と呼ばれるのは珍しいことでないんだけど・・・。

ある日美術館で年齢を聞かれて30過ぎだと言っても、信じてもらえず25歳料金で鑑賞したり、
マルシェでも
「ちゃんとゴハン食べてる?もっと太らないとな、マドモワゼル!これ、サービスだよ。」とか。
若く見られた結果、小さななオマケのような嬉しい出来事が何度かありました。

そんな報告を家族にメールすると
「フランス男に騙されないように
「いきなり妊婦で帰国しないように」という目の覚める返事でした

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                       (ノートルダム大聖堂の横顔)

でも、「マドモアゼル!」と呼ばれてウキウキできたのも最初だけ。
だんだんとパリじゃ、マドモアゼルより"Madame"(マダム)の方が絶対的に魅力的だと思い知りました。

実際道ですれ違って目を奪われるのは大人の女性だったり、話をして聞いて面白いと感じたり、
ウィットに富んだコメントを返すのも経験豊かなマダムたち
上品な振る舞いでハッとしたり、可愛いしぐさでドキっとするのが、年配のおばあちゃまマダムだったり。

もちろん、パリのマドモアゼル達もカワイイいい人は沢山いる。
でも、マダム達にはカワイイとか綺麗とか、そういうもの以上のものを身につけている。

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               (美男美女ほど強面やブチャイク顔の犬を連れている?!)

そんなことを感じはじめると、街中のカフェや美術館で「マドモアゼル」と言われると、なんとなく上から
もしくは同等な目線で話しかけられているように感じられ、「マダム」と言われると、その瞬間その言葉には
強い敬意が込められ、相手からの敬う気持ちを感じるように。

一方、「マダム」と呼ばれる度に「マドモワゼル」と訂正し続けた、と言われるココ・シャネルの逸話にも、
彼女なりの意地とプライドが感じられ、それはそれで考えさせられます。

ここ数年の私は「マダム」と言われた時には心の中でガッツポーズ
「マドモアゼル」と言われた時は、今日のどこがまずかったのだろう?と振り返るようになりました。

今はパリに来た当初より時間も経ち、既婚者だし、実際に老けたのだからマダム率が高くなりましたが、
それでも時々「マドモアゼル」なことが。
そんな時は、スッピンに近い顔で大抵だらしない格好のことが多い

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            (最近ブルドッグがしている首輪が気になる・・・ロックなビスがクールで)

日本では、とかく「若さ」がもてはやされ、尊重されるような気がする。
それは社会のせいか?文化のせいか?男のせいか?

でも、パリ、フランスでは年を重ねる中で生まれる余裕というか、色々な経験を重ねがら自分らしさを
貫く女性が尊重され輝いているように思う。
更に男性達がそんな大人の女性達をより大切にするから、女性は更に綺麗になる。
そして彼女達の気持ちは、とても「若い」ことが多いように思う。
「若さ」と「子供っぽさ」は似ているようで、実は全く別物。
そこを履き違えずに、自然と気持ちを「若く」持てることも彼女達の魅力の一つなのかも。

生き続ける以上は年は取り続ける訳で、どうしても見た目の「若さ」、パン!とハリのある肌では
なくなってしまう
でも、それとは別に充実した雰囲気が肌はもちろん全身ににじみ出てくるような女性になりたいし、
気持ちはいつもパン!とハリのある気持ちでいたい。
そんな風にパリに暮らしていると強く思う。

パリが教えてくれることは色々。
そんな「色々」を自分の中に取り入れたり、消化して私も一歩でも素敵なマダムに近づきたい。
"Madame"には、女性への最大の敬意が込められるのだから。
な~んてことを感じながら、パリの街を歩いてます。


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             (ノートル・ダムの塔は高く、天を突き刺すようでいつ見ても感動する)

2011年も今日で終わり。
イイことも悪いことも明日は何が起こるのかわからないのだけれど、日々幸せを感じながら、
今日という一日を大事に過ごしたいです。

今年も色々な感動をくださった皆様に、心からの感謝と来年もよろしくお願いします、な気持ちです。
そしてブログを読んでくださる皆さんにも心からお礼を。
来年が皆さまにとってよい年になりますように。

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              (いつも通る道。石畳は滑りやすいけど、やっぱりパリが好き!)

よいお年を。

Amities,

KEICO

KEICO

新潟県の老舗旅館に生まれ育つ。
上京、進学、就職、まさかの出逢い?で結婚し2004年渡仏。
現在は夫と共にパリ・東京を行ったり来たりな生活中☆
そんな毎日からのグルメ・ファッション・カルチャー・バカンスなどの話題を中心にブログ更新致します。

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