
"Le Relais Paris"(と「パリのソルド事情」)
着なくなった洋服はどうしよう?
これはずっと悩むというか、スッキリした解決策がなかった問題。
状態が良いものやブランド物扱いできるものは東京ではリサイクルショップへ、
パリでもdepo と呼ばれる委託販売店へ持ち込んでいるのですが
ただ、そういうお店ではどうにも売れそうもないモノだけど、状態としてはひどく痛んでもいないし、
まだ着れるけど自分では着ない。
そんな中途半端なものが実は一番多く、処分に困っていました
捨てればイイのですが、まだ着れる服を捨てるという行為は、なんだかとても忍びない。
と罪悪感を感じて処分できず、結果的にクローゼットがパンパン
今のアパルトマンに暮らし始めた頃、定期的にアパルトマンに慈善団体が古着の回収に
来てくれていたので、そちらに出すように
ところが最近は悪用する人がいるのか?回収の連絡が来なくなってしまいました。
そんな中、最近マダムTに教えてもらった街中にあるこの洋服&靴のリサイクル回収ポスト
"Le Relais Paris"。
Emmaus(エマウス)という慈善団体とパリ市が提携して不要品をリサイクルし、
その収入を生活に困っている人の救済に当てるというもの
状態の良いものは安価で販売、すぐ使えるそうなジャージ類やタオルなどは、そのまま寄付され、
どうにも使えないものはリサイクルとして処分されるそう。
このシステムを知ってから、こちらに洋服や靴を入れています
という訳で今日は、夫の服を。
(ちょっと笑える後ろ姿になってますが、意外とポストの投函口の位置が高いのです。)
ちょうどポストに入れ終えたところに回収の車が現われ、
「ボンジュール、マダム。ポストに入れてくれたの?」
「はい。でもちょっとだけ。」
「メルシーボークー!」
「こちらこそ、助かってます。」
「メルシー」と言われると、ちょっとイイことしかも?な気分になれたものの、服を捨てる罪悪感が
薄れたからと言って、じゃんじゃん入れるようになるのは違うと思う。
こうして処分に至る服は、ちゃんと考えないでソルド(セール)だから、流行だからと言って飛びついた
ものがほとんど
「安いから、まぁいっか」な買物はしないことが大事!と、ソルド前に自分に言い聞かせてます。
さて公式Soldes(ソルド)が1月11日(水)スタートですが、
今日のパリ写真とともに、私が過去に経験したソルドにまつわるお話を。
(11時。綺麗な青空とノートルダム大聖堂。でもセーヌ川の水かさは連日の雨のせいか増してます。)
このブログでも何度か書いてますが、公式ソルドが始る前にプレセール、プライベートセール、
シークレットセールなどが12月初旬~1月初旬にあります
だんだんDMが減り携帯にメールが来て、そのメールを来店時に見せると対象商品を教えてもらえ、
会計時に割り引きにするというものも。
(マレにあるメンズのセレクトショップのプレセールのご案内)
そう思うと公式ソルドの前に、イイものは消滅しそうな気もするものの、さすがオシャレな街、
モード発信地のパリは、商品数がハンパなく多いので、それなりに商品は残っている
ただ、公式ソルドに至るまでに、そういったプレセールなどで沢山の人が手にしたり、試着しているので
痛んでいる商品も意外と多い
(14時。只今プランタンのウィンドーは、シャネルでいっぱい。K・ラガーフェルド人形がキュート?)
日本じゃそんな痛んだ商品は陳列しないと思うので、大して注意しないで買ったりすると
ボタンが1つ無かったり(換えボタンも紛失)、ヒップの部分が少し避けて穴が空いてたり、
ジッパーが壊れていることも
なので細かいところをしっかりチェックした方が良いです
そのホツレ等を指摘すると、たいていお店側は更にディスカントを申し出てくれます。
それで買って自分で直すか、それなら要らないと言うか、
「それはご自身がお決めになることです。」
(ミタさんっぽく言ってみたかった、このセリフすみません・・・。)
(16時。アルマ・マルソーからエッフェル塔を見ると、空にはすごい数の飛行機雲!)
ソルドで驚いたことは色々
最初に驚いたのは、試着室が混んでる場合は普通に売り場で遠慮なくバンバン下着姿になる
マダムやマドモアゼル。
脱ぐのが前提か?意外とセクシーでない下着が多い
更に前日には試着まで終えておくという周到な準備
すごい情熱だな・・・と感心しつつも、気がつくと私も気になるものは下見や試着はするようになっていた・・・。
驚きついでに「これセールになりますか?」と聞くと「ノン」と自信を持って答えたマドモアゼル店員。
他のお店で同じ商品を「これセールになりますか?」と聞いたら「ウィ」の返事。
悪気があってもなくても、人によって言うことが違うということにも驚いた それがパリ?!
(19時。自宅近辺のイルミネーションは、毎年地味。でも月と一緒で綺麗でした。)
パリジェンヌ達は、そんなソルドの喧騒には慣れているんだろうけど、そんな彼女たちを一瞬
唖然とさせたのは或る日本人の母娘
左右に分かれて、着る着ないは別に小さめサイズのものをとりあえず片っぱしから一気に両手に
抱える作戦に出た
そして抱えきれないほどの洋服を持って試着室へ。
店員さんも周りのお客さんも結構辛辣な事を話しだしました
全く日本人は・・・な話になって、その冷たい視線が偶然そこに居合わせたジャポネーズな私にも注がれ、
なんとも居心地が悪かった
(19時。とても短い通りで人通りも少ない。イルミネーションはちょっと一人占め気分。)
でも、フランス人がみんなスマートとも限らない。
散々並んでようやく会場に入れる、という時に突然後ろに割り込みしたフランス人マダム
「みんな並んでますから、並んでください。」と言ってみた。
「私は、おばあちゃんだから長く並べないの。」
最終的には「あなたの言ってることはわかんないよ~。耳も遠くなってね~。」と。
なんてベタな言い訳だろうと、呆れると同時に何とも言えない怒りがフツフツと
でも、やっぱりお年寄りには親切に・・・なんて思っていたら、そのマダムは会場に入るやいなや
脱兎のごとくスカーフ売り場を目指して突進
全然「おばあちゃん」な様子は無かった。
(19時30分。最近気になるお花屋さん。わりと遅くまでやってるみたい。)
彼女の買物に付き合う彼氏も多い
ただ、さんざん市中引き回しの刑に合っているのか、顔はお疲れ。
そんな男性と目が合うと、「疲れたよ~、トホホ」なジャスチャーを返される。
それでも、そうやって彼女の買物に付き合うアナタは優しい!頑張って!とエールを
タッチの差で手にした帽子、思わず
「あなたにそれ似合いますね」「ありがとう」な会話をしつつも、内心それ手放してくれないかなぁ~
な気持ちも見え隠れるする会話も時々聞こえてきたり
毎回ちょっとしたドラマ?があることも面白いソルド風景。
そして一段落した頃に友達に「ソルドで何か買った?」と、聞くと
「実は、このバッグ」
「実は、このピアス」
「実は、この靴」
と、ちょっと照れながらも彼女達が見せてくれるとびきりの笑顔は、普段の笑顔とはまた全然違う
可愛さというか魅力で、同性ながらキューンとなって、そんな顔を見るとこっちも幸せになる
彼女達のこういう笑顔を沢山見るためにも、世の中のご主人や彼氏諸君には広~い気持ちで
見守って欲しいもんです
私の方はとりあえず友達に頼まれているお財布&バッグを大義名分に初日に参戦
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<INFO>
Le Relais *回収ポストの設置場所など地図付きで掲載されてます。
http://www.lerelais.org/
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