Comme d'habitude 〜パリ・東京行ったり来たりblog〜

"Merletto"に恋してしまった♥

私にとって今回のヴェネツィア滞在のハイライトは、日帰りでブラーノ島に行ったこと
ブラーノ島は、ヴェネツィア本島からヴァポレットで45分くらいところにある島。
ヴァポレットから、遠く長い橋の上を走る列車やすれ違う沢山の船や途中の島々を眺めながら、
ゆっくり流れる時間を楽しんでいると、ちょっとした遠足気分。

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そして到着したブラーノ島は、カラフルな壁の家が立ち並ぶとても可愛い島
教会の塔はちょっと傾いていて(!)、これまたレトロな雰囲気と言うかなんというか

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この壁には色々な言われがあり、海に漁に出ていた夫が霧の中でも我が家を確認できるように、とか
酔っ払った漁師のご主人が他人の家と間違わないように、などなど色々あるようですが、
とにかくカラフルで可愛い街並み

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その漁師の夫を島で待っていたのは、家で内職をする妻。
漁の網作りから派生したのが"Merletto"(メルレット)、ブラーノレースだそう。
という訳で、Museo del Merletto(レース博物館)

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荷物預けロッカーも素敵なレース柄。

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2階建ての小さな美術館ですが、2階では島のおばあちゃん達が賑やかにおしゃべりしながら
レース編みを実演中。
残念ながら継承者不足なのだそう。

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小さな島には沢山のレースのお土産物屋さんがありますが、機械編みのものはリーズナブルで
イニシャルの入ったハンカチなど1000円しなかったりするので、軽いしお土産にはイイ感じです。

そして伝統技の手編みで作られたものは、お店の奥や2階などにあって日焼けしないように大切に
クローゼットの中に仕舞われているので、お店の方にお願いして見せていただくことになります。
手のひらサイズでも10万円くらいするものも少なくなく、その金額には一瞬驚くものの
手間隙だけでなく、その技術をもう再現できる人がいない柄もあったりするので、そういう意味では
「投資」にもなるのだそう。

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そういったブラーノ島の伝統の手編みレースとはどんなものかを美術館では間近でじっくり見れます

引き出しのような棚がいくつかあり、引き出しを引くとそこには様々な時代のレースが。
引き出しを引く度に「わーーー」と、その綺麗さに感動の溜息連発

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ヨーロッパ各地やフランスの田舎を旅すると土地土地のレースがあり、家の窓やドアに飾れていたり、
民族衣装などにも使われるレース。
身近なところでは、アンティーク市や蚤の市などでも目にします。
それにしても、この博物館で見た「メルレット」(レース)は、本当に素晴らしかった

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機械編みと何が違うか?と言えば、とにかく複雑で、その複雑さが美しく、しかも立体感があるのです。
繊細すぎて実用的とは言えないけれど、なんともエレガントなオーラを醸し出すレース。
繊細さを出す為に、白髪の毛などを使って細い線を表現したりしたものも。

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こんな手袋でヴァージンロードを歩くことを想像するだけで、また溜息。

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展示の最後は、素敵なレースドレスを着たマネキンが2体。
中世の貴族たちの装飾には欠かせないものだったレース。
肖像画を見ても襟元や袖口にレースがあると一気に華やかになるのがわかりました

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このブラーノ・レース誕生にまつわる伝説はいくつもあるそうですが、海に関係するものが多く、
それはとてもロマンティック
という訳で最後に、その伝説の一つ「ドルフィーナとポールのお話」を。

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漁師ポーラは美しいドルフィーナと結婚の約束を交わしていました。
ポーラはドルフィーナに婚約の贈り物を贈りたいと思いましたが、貧しくその余裕がありません。

そんなある日、ポーラの漁の網に引っ掛かったのは、複雑なカタチをした海藻。
しかも表面には塩が凝縮し、キラキラと美しく、まるで人魚のベール
ポーラは、網からそっと外し、ドルフィーナに贈りました。

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ドルフィーナはその美しい贈り物に感激すると同時に、美しさが失われることを心配し、針と糸を使って、
丹念にその海藻を模写し、完璧に表現しました。
それがブラーノ・レースの誕生です


この島に来て上質のレースとはどんなものか?を知ることができたことは、貴重な経験だったし、
人の手から紡ぎ出されるその美しさにとても感激しました。
そしてすっかりレースの魅力の虜。メルレットに恋していまいました

おまけのパリ

パリっ子が好きなサロンと言えば、ワインサロンと並んで"Salon International de l’Agriculture"
(農業国際見本市)が人気
毎年大統領らも訪れては「この牛、サイコー」と農業国ならではを国民へのアピール。

家畜の品評会や美味しい特産物の販売などで、子供から大人まで楽しめる人気のサロン。
とにかくすごい人混みです。

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今年は日程的に無理で行けませんでした。

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そのサロンにグルメなTAご夫妻は行かれたそうで、戦利品なお土産としていただいたのが初めて見る
イタリア産の「レバーのソーセージ」

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ドライで濃厚でしっかりレバー風味、鉄分ばっりちのソーセージは、やっぱり赤ワインのお伴
という訳で、赤ワインと一緒に食前に少しずつつまみながら美味しくいただきました。

メルシー、TAご夫妻!

KEICO

新潟県の旅館に生まれるも女将にならず、上京、進学、就職、まさかの出逢いと結婚。
約10年間のOL生活の後、2004年渡仏。
現在は夫と共にパリ・東京を行ったり来たりな生活中☆


そんな毎日からのグルメ・ファッション・カルチャー・バカンスなどの話題を中心にブログ更新致します。

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