
La Cave à Vanilles ~秘密の地下室~
久しぶりに"EPICES-ROELLINGER"へ
いくつか胡椒を選んでいると、店内にOlivier Roellinger
(オリヴィエ・ロランジェ)さん本人が
以前は、ミシュラン三ツ星レストランは高いだけでどこまで実際楽しめるの?
そこで食べるくらいなら靴が欲しいかも・・・なんて思ったり、高級フランス料理
というものに懐疑的な気持ちの方が強かった頃、
帰国中に見たTV番組で石坂浩二さんが、ものすごく美味しそうに食べた
オマール料理、画面からも香ってきそうなお皿に目が釘付け
それがオリヴィエさんの"les Maisons de Bricourt" というレストランでした。

そこは素敵な一軒家。
そしてそのお料理を初めて食べた時、想像以上の美味しさに、びっくりして
ポロっと涙が出るほど
このレストランは、ブルターニュ地方のカンカルという小さな村にあり、
地元の人にも愛される、自慢のお店だったのですが、
数年前自ら突然の三ツ星返上、レストランを閉店。

時々新聞や雑誌で目にするものの、最近はどうされているのかな・・・?と
思っていたので、思いきって話しかけてみました。
K 「オリヴィエさん、私はあなたの料理のファンです。
あなたのレストランへ行くことが一年で一番の楽しみでした。」
O 「ありがとう、マダム!今、ちょっと時間ありますか?
良かったら秘密のカーヴへ案内しますよ。」
K 「え? カーヴってどこに?」
こっちこっちと連れて行かれたのは、ややお店の左奥。
床の一枚の板をグっと開けると、その下には地下に続く石段が。
狭い石段を下りると、そこは小さなワイン・カーヴのよう
すぐにドアを閉めて!と言われてドアを閉めると、そこには
オリヴィエさんが世界中から集めたモノが箱積みに。
この箱の中は、全てバニラビーンズ
バニラビーンズは乾燥を嫌うので、ドアは開けっぱなしにしてはダメで
このカーヴの隅にも水がめが置いてあり、一定程度の湿度をキープ
バニラビーンズと言えばお菓子作りにはよく使うものの、
そんなに種類があるんだろうか・・・?と、思っていると
オリヴィエさんがユーモアたっぷりでお話をしてくれました。
バニラは、メキシコ原産
コロンブスの時代にヨーロッパに入ってきたそうで、フランスではルイ14世が
この魅惑的な香りの熱狂的にファンに
ブルボン王朝時代にフランスではバニラ栽培に本格的に着手し、
フランス領ではバニラのプランテーション栽培がスタート。
そして現在でも良質のバニラは、タヒチ、マダガスカル、ニューカレドニア、
レユニオンなどフランス海外県で栽培されているそう
オリヴィエさんは20年以上前からバニラを研究し、世界を旅する中で
フランス領に広まったバニラの原木を探すことを決意。
一年間、メキシコを探しまわってその原木をついに見つけたのだそう。
(そんな話だったと思うのですが、ちょっと私のフランス語理解力は低い
ので間違っていたらみません。)

単にバニラと言っても、原産地によってかなり香りが違います。
それぞれの香りを嗅いでみましょう、と
まず、バニラの香りが人工的なバニラ香とは全く違います。
優しく、官能的でなんともいえない甘く熱い香り
産地ごとに香りを嗅ぐと、基本に漂うバニラの香りを元に、その奥に
キャラメルや木の根っこなど、産地ごとにハッキリ目立つ違いが
確かにありました。
バニラはデザート以外にもオマール料理やサラダなど食事に合い、
一層お料理の幅を広げるものなのだそう
バニラの香りは大好きなので、いつまでもこのカーヴで香りに
包まれていたいよ、な気分に
とても小さなカーヴなので大人が4~5人入ればいっぱいな感じ。
記念の一枚をカーヴの中で。
そのバニラビーンズたちは、お店ではこんな風に試験管のようなものに
入れて売ってます。
プレゼント用にこんなセットもオススメ

あまりに種類が豊富なうえに、実際にお料理ではどのくらいをどうやって
使っていいのか私には検討もつかず・・・。
でも最高に美味しいクレーム・ブリュレが作れそう
そして今回買った胡椒は、早々にソルドでゲットした胡椒ミルに入れて。
意外ですが、肉より魚料理に合う黒胡椒などもあり色々楽しめます。
20種類くらいあるオリヴィエさんの胡椒は、とても繊細で美味しい
ひとひねりで、お料理の味も格段に変わる魔法のスパイス。
相談すれば、お店の方が親切に色々教えてくれますし、また店内に胡椒、
スパイスミックス、オイル、バニラなどなど商品の一覧表があり、それぞれ
どんな料理に合うかも記載されているので、リストを見ながら探すのも
楽しい大好きなお店ですおまけのパリ
パリっ子たちがヴァカンスに出かけてしまうと、街を歩いていても
不思議なくらいフランス語は聞こえてこなかったり、いつも混み合う
夕方のスーパーもガラガラだったり。
看板ワンちゃんもちょっと暇そう。
いつからヴァカンスなのかな
繁華街を離れると観光客もまばら。
静かな夏のパリもいい?
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<INFO>
EPICES-ROELLINGER PARIS
51 bis, rue Saint-Anne 75002 PARIS
01.42.60.46.88
http://www.epices-roellinger.com/
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