Comme d'habitude 〜パリ・東京行ったり来たりblog〜

"Habemus Papam" と"美味な鹿児島"

暑さ真っ盛りの中で嬉々として出かけようとする私に、

「キミ、暑さに強いっていうより、やっぱり鈍感?いや、体がオカシイ?
信じられないよ、一番暑い時間に外に出ようとするなんて

と言われても、今のところ全然平気な私は元気に日比谷へ

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お目当ては、Oさんに教えていただいた只今公開中のイタリア映画
「ローマ法王の休日」(TOHOシネマズ シャンテ)

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原題は"Habemus Papam"(アベムス・パパム)
ラテン語で「教皇決定」という意味だそう。


簡単にあらすじを。(画像借用)

現ローマ法王の訃報に際し、新しい法王を選出するために各国からヴァチカンへ
枢機卿たちが招集されます。
そして法王選出選挙「コンクラーヴェ」がシスティーナ礼拝堂で行われることに

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しかし、その枢機卿たちが各々一心に心の中で祈っていたのは、
「神よ、どうか私が選ばれませんように・・・」と。

繰り返しの投票の末、メルヴィル(ミシェル・ピッコリ)が選出されます

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新教皇が決まってほっとする枢機卿会議の面々。
が、メルヴィルはバルコニーからの信者たちへの祝福と就任演説を目前に、
その重圧に耐えられず、なんとヴァチカンから逃げ出し、ひとりローマの街の中へ。

新法王が行方不明になったことを知った事務局広報は、そのことが
外部にもれないようにう画策しつつ、懸命に街中を捜索します。

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逃げたメルヴィルは、ローマの街の人たちや偶然知り合った劇団一座と
接するうちに、人生における大切なもの、信仰心、法王の存在意義などを
自問しながら自分の過去を振り返ります。

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そして最後にヴァチカンに戻った彼が取った行動は・・・。

というお話。

軽妙な予告編のイメージ通り、クスクスと笑える部分もあり、最初は気楽に
観ていられたのですが、次第にこの映画のテーマ、本質がチラホラ見え始めると、
うーん、と唸るような難しさが。

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その難しさとは、カトリックという私自身が知らない世界であるということも
ありますが、つきつけられる問題は、映画の冒頭でカトリック教会組織の
トップである枢機卿たち誰もが、自分は法王になりたくない、と思っている
ことに集約されているような・・・。

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組織の中にいる以上は誰もがトップに立ちたいと思い、狙うものだと単純な
私は考えていましたが、映画の中の枢機卿たちは、自分は「法王」には
なりたくないし、全世界のカトリック教徒に対する重責も負いたくはない。

でも、枢機卿という今のポジションや権限はキープしたい、と思う人ばかり。

誰かほかの枢機卿にまかせて、自分は関わりたくないと言う他力本願な姿勢。
ヴァチカン批判というより、ユニークな切り口で法王の存在意義を問う映画。

そして、法王をカトリックと言う組織のトップとしてではなく、一人の人間として描こう
としたのが、この作品の中で、主人公の精神分析を試みる心理学者を
自ら演じた監督、Nanni Moretti(ナンニ・モレッティ)。

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世界的な政情不安、経済の混乱、リーダー不在の今の世情と重ねて考えると、
各々いろいろ考えさせられるテーマだなと感じました。

また、今、自分がココに至る道を選んだのはどうしてか?何がきっかけか?
と、自分の過去を振り返ることは大切だと思いました。

でも、結局ある日突然この場所にいることになったり、今の状況になったのでは
なく、どんな人もそれまでの毎日の中で大小様々な選択をし、それを積み重ねた
過去の足跡の前に今立っている、ということも感じました。

私にとってはコメディというより、立場や宗教は違えど観客ひとりひとりに
問いかけるような作品だったかな、という印象でした。


続きは、美味しい鹿児島
鑑賞後は映画館の近くにあった「かごしま遊楽館」

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夫の親戚が鹿児島にいることもあって、彼にとっては”I Love 鹿児島”
という訳で、ちょっとお土産を

いつもはネットオーダーしていたものが、こんなに手軽に買えるとは!
その一つが「あくまき」
もち米でできたもので、きな粉と黒蜜をかけて食べます。

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そして産地直送とココで作ったばかりの揚げたてという「さつまあげ」を
それぞれ買って食べ比べ

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ところで、パリと鹿児島の間には古い歴史があると知ったのは、
以前パリで鹿児島の芋焼酎のお披露目パーティーに行った時。

時はフランスはナポレンオン3世の時代、1867年のパリ万博。
万博と言えば国ごとのパビリオンができ、自国の工芸品などが
出品されるので、日本からは江戸幕府のカタチで参加するところを、
江戸幕府とは別に薩摩藩は「日本薩摩太守政府」という名前で、幕府とは別に
単独出品したのだそう。

時代が時代なだけに薩摩藩の勢いを感じるエピソードだな、と思いました。

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ごはんのお供、黒豚味噌も。
こちらも以前はネットオーダーしてました。

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お菓子も少し

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ちょこちょこ買い物に来ちゃいそうです。

Oさん、美味しい情報もありがとうございました
鹿児島物産好きの夫を喜ばせ、私のカブもアップ
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<INFO>
かごしま遊楽館
京都千代田区有楽町1-6-4千代田ビル1~3F
http://www.pref.kagoshima.jp/yurakukan/

「ローマ法王の休日」公式サイト
http://romahouou.gaga.ne.jp/
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KEICO

新潟県の老舗旅館に生まれ育つ。
上京、進学、就職、まさかの出逢い?で結婚し2004年渡仏。
現在は夫と共にパリ・東京を行ったり来たりな生活中☆
そんな毎日からのグルメ・ファッション・カルチャー・バカンスなどの話題を中心にブログ更新致します。

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