Comme d'habitude 〜パリ・東京行ったり来たりblog〜

死者の書 ~古代エジプト展~

只今、六本木ヒルズで開催中の「大英博物館 古代エジプト展」
行ってきました

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毎日先着200名には、ポストカードをプレゼントだそうで、いただきました。
ちょっと嬉しい


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古代エジプト好きなら何度も耳にするのが、古代エジプト神話の中の冥界の王
「オシリス神」

オシリス神は元々は、エジプト最初のファラオ。
そんな彼には悲しいお話が
(展示作品、画像借用)

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↑オシリス神はみんなの人気者でした
でも、その人気に嫉妬した弟のセト神が兄オシリスを騙し、殺し、
ナイル川に沈めました。

オシリス神の妹であり、妻でもあるイシス女神は、オシリス神の遺体を探し
草むらに隠しましたが、セト神が見つけ遺体をバラバラにしてエジプト中に
ばらまきました

(男の嫉妬は根深いのぉ)

イシス女神は、ひとつずつ遺体のかけらを集めて、アヌビス神と一緒に
それらを繋ぎ合わせて最初の「ミイラ」を作り、呪術でオシリス神との間に
ホルス神を身ごもります

更にオシリス神も蘇ったのですが、この世には嫌気がさし、死後の世界に
留まることを決め、冥界の王となりました。(完)


ピカピカの黄金マスクも展示されていました。
今回初めて知ったのは、このマスクの後頭部にもデザインがあり、
オシリス神などが描かれているのです

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古代エジプト人にとって、死後の再生・復活こそが大切で、生きているうちから
その準備をしました。
それがミイラ作成だったり、それに伴う埋葬品の色々

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その埋葬品の1つが「死者の書」
この展覧会の目玉です

「死者の書」と呼ばれる「グリーンフィールド・パピルス」は、女性神官・
ネシタネベトイシェルウの為に作られた全37メートルの世界最長のもの。

古代エジプトでは、人は死後、冥界の旅を経て来世で復活すると
考えられていたそうです。「死者の書」は冥界の旅のガイドブックであり、
且つそこで様々な試練を乗り切るために必要な呪文が集められた
大切なもの
棺の中に直接書きこまれたり、パピルス紙の巻き物として棺に入れられたり
したそう。

そんな「死者の書」の内容をとは、

①葬式(死者の肉体をミイラにする)

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②「口開けの儀式」
口開けの儀式とは、神官の呪文により五感と取り戻す儀式。これにより
ミイラに宿るカーとバーという2つの精霊は供え物でエネルギーを取りながら
復活の旅に出る。

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③地平線上の太陽神ラーを礼拝する

④オシリス神の館を目指して船旅スタート

⑤旅を邪魔するワニや蛇を呪文で退治

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⑥オシリス神の審判
死者の心臓と心理の女神アマトの小像が天秤にかけられ、
生前の行いの告白を行う中で、天秤が釣り合わなければ
その場でワニの頭を持つ怪物アメミトに食べられてしまう。

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⑦罪の否定告白
42ヶ条「私は~しませんでした」と告白するのですが、ざっくり読んでみると
私はほとんど「~しました」状態 楽園には行けない感じです

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⑧楽園「イアルの野」へ
無事に審判を切り抜け、復活再生を遂げた死者は楽園
「イアルの野」に住むことを許される。

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もともとは1枚の長~い巻き物だったそうですが、大英博物館での
保管上の理由から96枚のシートに分割されて展示されていました。


この「死者の書」中で一番印象に残った場面は、「天と地のはじまり」の部分。


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この古代エジプト神話の「世界のはじまり」がちょっと面白い

最初に光のない混沌とした海「ヌン」があり、そこに突如、
太陽神「ラー」が誕生

ラーは自分の手と交わって、その液から大気の神「シュウ」と
湿気の女神「テヌフト」を産みます。

で、シュウとテヌフトは兄妹ですが結婚して大地の神「ゲブ」と
天空の女神「ヌト」を産みます
が、この二人がまた兄妹なのですが、お仕事そっちのけで
イチャイチャ三昧

いい加減に離れなさいと、パパである大気の神「シュウ」が二人の間に
割って入って(天と地の間に空気が入り)世界はできた、と

そんな神話場面でございます。


(↓肺、胃、腸、肝臓を分けて入れたカノポス容器)

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いつの時代でも、どんな人でも、気になるのは死んだらどうなるのか?
どこへ行くか?という疑問、不安。
宗教観としても避けられない話題。

こうした古代エジプトのミイラやその埋葬品を見ていると、死ぬことは
怖いことというより、死後もかなり大変かと思えたりも。

個人的には楽園で永遠の命はなくてもいいので、死後の世界で、
それまで別れた大切な人達と再会して色々な話がしたいです。


最後は、お土産コーナーへ。
エジプト製のミニ香水瓶を

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以前もう少し大きめのものをロンドンで開催されたツタンカーメン展
購入したのですが、昨年3月11日の地震の際に壊れてしまったので。

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続きもエジプト。

この展覧会と六本木ヒルズのバーがコラボしたお食事メニュー
でランチをしました。
会場出てすぐのかなり安易な選択に決めたしまった訳ですが

こちらは、エジプト風カレー。
インゲン豆、レンズ豆、キャベツやトマトを煮込んだヘルシーなカレー。
サフランライスは、ピラミッドパワー

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ピタパンとケバブ、モロヘイヤのスープ付き

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こちらには、ミニチーズケーキも付いてました

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そしてランチを食べながら見える高層からの景色

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東京の街を見下ろしながら、いつかエジプト、ルクソール、王家の谷
に行きたい!とぼんやり思った午後でした
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<INFO>
大英博物館 古代エジプト展
*2012年9月17日まで
森アーツセンターギャラリー
http://egypt2012.jp/
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KEICO

新潟県の老舗旅館に生まれ育つ。
上京、進学、就職、まさかの出逢い?で結婚し2004年渡仏。
現在は夫と共にパリ・東京を行ったり来たりな生活中☆
そんな毎日からのグルメ・ファッション・カルチャー・バカンスなどの話題を中心にブログ更新致します。

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