Comme d'habitude 〜パリ・東京行ったり来たりblog〜

ダークな魅力:"L'ange du bizarre"

只今"Musee d'Orsay"(オルセー美術館)で開催中の特別展、

"L'ange du bizarre-Le romantisme noir de Goya a Max Ernst"
(奇妙な天使 ゴヤからマックス・エルンストにみる黒いロマン主義)

を鑑賞に行ってきました

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この展覧会は、イタリアの美術史家で著述家のマリオ・プラーツが
1930年代に指摘した「黒いロマン主義」を美術史的観点から探る
というもの

18世紀後半のイギリス文学に始まった「黒いロマン主義」は
同時代の画家や版画家たちも魅了し、幻想、死、暗闇、怪奇、恐怖
といったテーマを扱う作品が数多く制作されました。

絵画をはじめ映像作品も含めた約200点が集められた展覧会。
印象に残ったものを少し
(以下の画像はLe Figaro Magazine No.21235より)


飛び出た目玉が怖い骸骨
("Crane aux exorbites" Julien Adolphe Duvocelle作)



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清く正しく明るいヒーローではなく、闇に生きるもの。
それは古くから人々に恐れられていた魔女、吸血鬼、亡霊たち


絵画の中は暗くて、おどろおどろした世界が広がるものが多かった
のですが、その世界観をとても沢山の画家がテーマにしていたこと
を知りました

有名なところではゴヤ、ドラクロワ、モロー、ルドン、ダリ、マグリット。
更には映画監督のヒッチコックまで。

ムンクの"Vampire"(ヴァンパイヤ)


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優しい包容に見えそうで見えないのは、やっぱり背景が暗く、
男性の顔がぐったり下を向いてしまっているから


ゴーギャンの"Madame la Mort"(死のマダム)

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ゴーギャンがイメージした「死」はこんな感じだったのかな・・・。
目が合ったらもう逃れられないような怖さが潜んでいました。


”La Folie de Kate"(ケイトの狂気・錯乱)


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何か得体の知れないものにとり憑かれてしまった女性の恐怖の
表情が印象的でした。


絵画ではなくレリーフ彫刻作品だった「メドゥーサ」。
石になるかも?!と思いながら、おもいきり目を見てみました。
眼球部分はとても精巧にできていて、瞳は綺麗でしたが、やっぱり怖かった

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今回一番印象に残ったのは、これ。
壁一面のとても大きな絵でとても迫力があった、
William Bouguereauの"Dante et Virglie aux Enfers"
(地獄のダンテとウェルギリウス)

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ダンテの神曲の地獄編の場面。

こんな風に人が人を襲い、喰らい合う?地獄を見せられたら恐怖以外の
何物でもない…。

が、その躍動感に溢れる二人の男性と怖がるダンテたち、そんな様子を
見て喜ぶ悪魔?の一枚は、しばらく足を止めさせられる一枚でした


現代の映画や小説、ゲームにも登場して人々を夢中させるダークな世界な
主人公たち。

人の弱さやズルさ、怖さ、悲しさが凝縮されたような存在。
それは普段、自分が意識しない、見たくない、表に出したくない部分
だったりするのかな~と。
だから逆に人はそういう世界に惹かれることもあるし、重ねる部分もあり
古くから人々がカタチにしてきた世界なのだろう思いました。


改めてヴァンパイヤが主役の映画とか、やっぱりわりと私も好きだな~
なんて思いましたし
ロバート・パティソン&クリステン・スチュワートのTwilight(トワイライト)以外


「トワイライトは台詞が甘くて、ついていけない」と言ったら、

20代の女子から
「あの甘さがイイんです!若くないとあの甘さは理解できないの~。」と。

確かに若くない・・・と納得


おまけのパリ
前方からとても可愛いワンちゃんがやってきた

目がとても大きい
それは目の周りが黒いのでデカ目効果?!

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あまりに可愛いので写真をお願いすると、一度ご主人に返した
オモチャを再度くわえてポーズ。

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とても元気なワンちゃんでした
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<INFO>
Musee d'Orsay(オルセー美術館)
5 Quai Anatole France, 75007 Paris
http://www.musee-orsay.fr/

L'ange du bizarre-Le romantisme noir de Goya a Max Ernst展は
2013年7月9日迄
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KEICO

新潟県の老舗旅館に生まれ育つ。
上京、進学、就職、まさかの出逢い?で結婚し2004年渡仏。
現在は夫と共にパリ・東京を行ったり来たりな生活中☆
そんな毎日からのグルメ・ファッション・カルチャー・バカンスなどの話題を中心にブログ更新致します。

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