
パリ5区☆Baca'v(バカーヴ)
友人でシェフのEmile Cotte(エミール・コレット)が独立、ビストロをオープン☆
という知らせをもらってから今回のパリで絶対行く!と決めていた彼のお店『Baca'v』へ。
場所は、5区の閑静な住宅街。
周りにはレストランやお店はあまりないので本当に静かな界隈で、暗めの通りにレストランの灯りがポッと灯っていました。
自身のお店を構えるにあたり、エミールがこの地を選んだのは、ちょっと意外に感じました。
というのも、彼はこれまで老舗、ミシュラン星付きレストラン等で腕を振るい、イベント等でも世界中のあちこちを訪れる華やかなシェフライフ。
なので自分のお店は、きっと賑わう繁華街でモダンな内装の今風オシャレレストランだろうなぁと想像していました。
それがパリ5区、フォッセ・サン・マルセル通り(Rue des Fossés Saint-Marcel)とは!
再会も楽しみにディネに伺ったものの、コロナ禍もあってエミールと直接会うのはとても久しぶり。
もう私達のことなど覚えてないかも…友達ヅラなんてできないな…と思いながらお店のドアを開け、テーブルに着くや、エミール登場。
変わらぬ大きな体に満面の笑みで「ようこそ!久しぶり〜っ!!」(ビズビズ、ビズ~)。
どうでもイイことですが、すっかりノーマスク生活(引き続きメトロ、バス、人混み室内によっては装着)で友人に会えばハグハグ&ビズー、時々携帯用消毒ジェルも忘れる…こんな生活でコロナに罹らない方がおかしいと思える毎日ですが、今のところ感染していません。(集団免疫?!)
K「ほんと久しぶり!」
E「そうだよね、10年ぶりぐらい?」
K「いやいやそれは言い過ぎ。そんなに私、年取ってないから」
E「ププっ!」
夫「3、4年ぶりぐらいかな?」
E「そうだね」
(再会記念の1枚にケーコ目をつむる。もう一度撮り直しを要請)
E「今日は楽しんでって。とりあえず、これどーぞ」
と、シャンパンと生ハムをサービスしてくれたエミール。
カウンターには、Limousin(リムーザン地方)の食材・瓶詰めなどが並び、壁には同じくリムーザン地方の名物陶器「リモージュ焼き」のお皿が飾られていました。
エミールによると、このお店は彼の出身地のリムーザン地方の食材をふんだんに使ったオーセンティックなビストロ料理のお店と。
なので、お料理もこれまでエミールが作っていたsophisticateなレストラン料理とはちょっと違うビストロ飯。
とはいえ、ガツンとボリューミーではなく、エミール風なガストロノミーなエッセンスが感じられるものでした。
看板メニューの「鴨とグリーンペッパーのパテ・アン・クルート」。
oeuf parfait(ウフ・パーフェ)と名付けれたポーチドエッグの一皿は、パルメザンクリームと季節のキノコ。
そのキノコは、もちろんセップ!
続くメイン料理ですが、夫と私の選んだものは方向性がおもいきり異なるのでワイン選びが難しく、ソムリエに相談。
ロワールのコレなんていかが?と、ワインリストを指差したのは意外にもpouilly fume(ピュイフュメ)。
K「軽めの赤と思ったけどね」
夫「白とは意外。しかもピュイフュメとは、おもしろそう、美味しそう!」
そのオススメに決まり。
夫「よくよく考えれば俺のメイン、ヴォロヴァンにはオマールも入っているから白も合うね」
その料理とは、Vol-au-Vent Cardinal(カーディナル風ヴォル・オ・ヴァン)。
vol-au-vent(ヴォル・オ・ヴァン、ヴォロヴァン)とは、vol=飛ぶ、vent=風。
直訳では「風で飛ぶ」ということですが、フランス料理では、風で舞うように軽く膨らんだパイという意味で、パイ料理のこと。
しかも、エミールのこのお料理は、今年フィガロ紙でパリのオススメ美味ヴォロヴァン(Les meilleurs vol-au-vent de Paris)に選ばれたもの☆
パイ生地の中にはリー・ド・ヴォ、鶏肉、そしてオマール。オマール出汁が効いたクリーミーなソースの中にはマッシュルーム。なんとも贅沢なひと皿。
こちらは、タコのロースト。
ひと昔前はタコ料理は珍しかったパリですが、最近はメニューに見かけることが増えました。
タコの弾力、美味しさもさることながら、私が感動したのはカリフラワー、ケールなどの野菜の旨味。
味わいが濃く、それぞれの甘みと苦味が素晴らしい。
おすすめ白ワインともよく合い、美味しくいただきました。
デセールは、一人でリオレを食べたいという夫を制して、大きめな平たい鉄鍋で焼き上げる、これまたリムーザン名物の「Flognarde limousine aux Pommes」(フロニャルド・リムーザン・オ・ポム)をシェア。
リムーザン地方の林檎のクラフティーです。
焼きたて熱々生地とフレッシュな林檎の酸味とのバランスもよく、見ためよりサッパリと食べやすくペロリ。
食後、エミールとしばし歓談。
そして、お店オープンにあたり発売されたレシピ本をプレゼントしてくました。
嬉しー&メルシー♡
一筆メッセージとサインも添えて。
夫「ところで、お店の名前(Baca'v)なんだけど、正しい発音は?」
K「バカヴェ?バカヴ? パリ5区(V)だからバカ・サンク?!」
E「ふふふ。正解は、バカーヴ。ここは食べて飲めるCave a Mangerなビストロ」
夫「なるほどね!」
店名の「Baca」は、リムーザン地方の方言で「manger」(食べる)を意味するそうで、そこにcave (カーヴ=ワインセラー、地下倉庫)を合わせた造語な店名の『Baca'v』(バカーヴ)。
E「いつまでパリ?ノエルはどうするの?」
夫「年末年始は日本だけど年明けすぐまた戻ってくるよ〜♬」
K「1月にまた来ます!」
E「OK。1月ね!」
という訳で、今後もリムーザンのお話、名物な美味しいもの色々を教えていただきたくお邪魔したいと思います。
別れ際、撮り直した写真ではエミールが目を瞑ってしまった…。
再会と歓待が嬉しい夜でした☆
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