A Number 数☆What If If Only もしも もしせめて
世田谷パブリックシアターで上演された、現代イギリス演劇を代表する劇作家の一人、キャリル・チャーチル氏の連続2作品公演を観劇してきました。
ここではネタバレなあらすじは割愛ですが、ご興味がある方は、公式サイトをご確認くださいませ。→https://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/24_churchill/topics/9028.html
ざっくりな感想としては、
最初に上演された大東駿介さん、浅野和之さんらによる『What If If Only もしもせめて』は、深い喪失感や時間、後悔、そして「もしも」という問いかけに焦点を当てたお話でした。
主人公が愛する人を失った後、その喪失にどう向き合うのか、また時間を巻き戻してやり直せたらという願いが、どのように心に影響を及ぼすのかを探っています。
人生で誰が思う、考える「あの時、もしも」な想像、妄想、夢。
「もしも」によって、その後の人生をどんな風に変えられたかについて思いを巡らせる主人公の気持ちについ感情移入。
喪失と向き合い、その中で希望や後悔、再生への願望を織り交ぜた感情的で知的な作品で、普遍的な感情に対する洞察が、観る者に強い共感を呼び起こす、詩的お話だったな、と。
幕間にパン・オ・レザン。
何かお腹の入れておかないと観劇中にお腹が鳴る鳴る。
しかも静かでシリアスなシーンの時に限って私のお腹の虫は騒ぎだす。
鳴るな!とお腹を抑えると益々ボリュームを上げる困った虫がいる...。
そして後半は、堤真一さんと瀬戸康史さん(←顔が小さくてカッコよくて見惚れたミーハーケーコ♡)による『A Number―数』。
こちらは、クローン技術やアイデンティティ、親子関係といったテーマを中心にしたこちらも短編戯曲。
(よく来る劇場ですが、久しぶりに天井を見上げると青空デザインだったことを思い出した↓)
物語は、父親と息子たち(クローン)の対話を通して展開されますが、クローン技術の使用により、個々のアイデンティティがどのように揺らぎ、親子関係にどんな影響を及ぼすのかが鋭く探求されるストーリー。
登場人物たちは、自分が「オリジナル」なのか、それとも「複製」なのかという問いに直面し、自己の存在意義を問い続けます。
この葛藤を通して、見ている私たち観客は「本当の自分」とは何か、また親子関係の本質とは何かという普遍的な問題提起。
テクノロジーの進歩によってもたらされる倫理的なジレンマだけでなく、家族の絆や人間の存在意義に対する深い考察を与える作品...そんな感想です。
ただただ笑って泣ける明朗快活な舞台も好きですが、観劇後にいろんなことを考えさせる作品はやっぱりいい!と思いながら帰宅の途に。
*****プチッとパリ*****
お土産にと日本から持っていくと、パリの友人にウケているのがバターサンド専門店『PRESS BUTTER SAND』のお菓子。
もちろん自宅用、自分用にも買うことは忘れない♡
福岡県産あまおう苺を使用した色鮮やかな苺バターキャラメルと、コクのあるなめらかなカスタードバタークリームを2層にサンド。
クッキー生地には全粒粉とグラハム粉を加えられてプチプチ食感の香ばしいタルト。
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