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クリムト展☆Au temps de Klimt, la Sécession à Vienne
個人的に好きな画家ベスト5に入る"Gustav Klimt"(グスタフ・クリムト)。
こんなに好きなのに、、いまだウィーンに行ったことがありません(=_=)
本物を見たのは、2012年の春のヴェネツィアでした。
(関連ブログ⇒https://madamefigaro.jp/paris/blog/keico/51895242.html )
(↓ヴェネツィア・サンマルコ広場★懐かしい...♡)
そんなクリムトの絵がパリで観れる!
というワケで只今Pinacothèque de Paris (ピナコテーク・ドゥ・パリ)で開催中の
Au temps de Klimt, la Sécession à Vienne(クリムトの時代、ウィーン分離派展)
へ早速行ってきました。
ちなみにPinacothèque de Paris (ピナコテーク・ドゥ・パリ)は「1」と「2」があり、
クリムト展は「2」です。こっち↓
開館時間の朝一番で行くと、既に外は長蛇の列。
インターネット予約をしていたので行列をパスして中へ。
今回の展覧会は、グスタフ・クリムトの作品180点の他に同時代のSécession(セセッシオン・
ウィーン分離派)と呼ばれる芸術家たちの作品を集めた展覧会です。
ウィーン分離派って何から分離したのか?
それは、アカデミックな古い芸術から分離!
ということで、ウィーン分離派は、1897年にウィーンでクリムトを中心に結成された新しい
造形表現を主張する芸術家グループのこと。
では、ワクワクしながら館内へ♫
(イヤホンガイドは無料でした)
グスタフ・クリムト以外には、エルンスト・クリムト(弟)やカール・モル、ヨーゼフ・ホフマン
等々の作品もありましたが、こちらのブログではグスタフ・クリムトピックアップで...。
Judith(1901) ユディトに再会♡
相変わらず艶かしく、官能的にこちらを見下ろしている...。
こんな表情はどんな気持ちになったらできるのか?!
コレだ!と、今回私が一番楽しみにしていたのは、フランス初公開の
Reconstitution de la Frise Beethoven(ベートーヴェン・フリーズ)。
1902年に制作された壁画シリーズ(34x2メートルの壁画3面)で、作曲家ルードヴィヒ・
ファン・ベートーヴェンに捧げられたもの。
ベートーヴェンが手がけた最後にして最大の交響曲と言われる「交響曲第9番」へのオマージュ、
絵画化したものです。
長い壁画は「幸福への憧れ」の場面からスタートです。
苦悩する裸の男女が「完全武装の勇者」に助けを請う。
そして勇者は人類の代表者として、幸福を探し求めることに。
勇者は、剣も含めて金箔でピカピカです★ この華やかさがクリムト!
勇者に寄り添う二人の女性は、「同情」と「功名心」を偶像化したもの。
幸せ探しに向かう中で同情と功名心が寄り添っているとは、ちょっと考えさせられる...。
次の場面は、人類が敵対する危険や誘惑に立ち向かう場面。
(この画像ではまず壁画の左半分↓)
毛深い奇妙な動物は、神話の怪物・テュフォーン。
そして壁画の右半分には、テュフォーンが広げた翼の下に女性がいます。
その女性は、「悲しみ」の象徴。
本当に悲しそう...。
また壁画の左半分に戻って、左上にいる黒髪の女性たちに注目。
彼女たちはゴルゴン三姉妹という姉妹だそうで、「病気・狂気・死」を表現しています。
更にテュフォーンの右側の3人は、「淫欲・不貞・不摂生」を表現した女性たち。
二人は淫らな色気を放ってまして、一人だけお腹が出たぽっちゃりさんです。
ぽっちゃりさんは、「不摂生」なのだそう...。
不摂生は止めよう...と強く思わせる。
続く場面は「詩」。
竪琴から奏でられる音楽に癒されそうな雰囲気です。
サイズ的にはそれほど大きく描かれていないものの、やはり金色がインパクトがあって綺麗★
そして最後の場面がDiesen Kuss der ganzen Welt(この接吻を全世界に)。
楽園の天使たちが合唱する前で抱き合う男女のシーンで、芸術が神格化されて完結★
第九の最後の合唱、"An die Freude"(歓喜の歌)の場面だそう♫
ダイク(第九)と言ったら年末の定番コンサートなイメージですが、あの合唱を思い浮かべながら
この絵を見つめるとなんだか深い★
第九の歌詞を調べてみると、なるほど...な感じも。
歓喜よ、神々の麗しき霊感よ
天上楽園の乙女よ
我々は火のように酔いしれて
崇高な汝(歓喜)の聖所に入る
抱き合おう、諸人(もろびと)よ!
この口づけを全世界に!
兄弟よ、この星空の上に
愛する父がおられるのだ
この連作壁画Reconstitution de la Frise Beethoven(ベートーヴェン・フリーズ)の
オリジナルは、ウィーンのセセッシオン(分離派会館)にあり、今回の展示はそのコピー作品。
壁画なので持ってくるのは無理なのでしょうが、こうして等身大迫力で観れただけでもクリムト
ファンとしては嬉しかったです♥︎♡
この作品は公開当時は、卑猥で醜悪、ベートーヴェンを冒涜してるとされ、批判を浴びた作品
だったそうです。
でも、やっぱり観ていると本物が観たくなってきました...。
ウィーン、行きたい!な気持ちで最後にお土産コーナーへ。
今回沢山の作品を見ながら改めてクリムト、ウィーン分離派が好きだな〜と思ったのですが、
その理由は、アール・ヌーヴォー的な甘さというか官能的なものを感じつつも、そこには新しい
モダンな空気が流れ、日本の家紋や浮世絵の影響を受けたという画風には、なんとなく親近感
も感じるからかな...と思いました。
記念に買ったのは、ポストカードセット。
こちらは額装して飾りたいと思います♡
おまけのパリは「青い猫」をBelle et Bonneで
⇒ http://belleetbonne.blog.fc2.com/blog-entry-529.html
à demain(^.^)/~~
<info>
Pinacothèque de Paris (ピナコテーク・ドゥ・パリ)
28 place de la Madeleine 75008
Au temps de Klimt, la Sécession à Vienne(クリムトの時代、ウィーン分離派展)は
2015年6月21日迄。
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