
仔牛の煮込み☆Blanquette de veau
厳しかったこの冬も足繁く通ったパリ5区のワインカーヴビストロ“Les Papilles”(レ・パピーユ)。
今滞在中はこれが最後かな〜とディネとお邪魔しました。
オーナーから「日本の春をエンジョイして!ボン・ボヤージュ♬」と生ハム&シャンパンのサービス。
テーブルには春らしいお花が飾られていました。
このビストロは創業当初からいつもテーブルのお花を欠かしません。
未だ造花みたいな女だと言われ続けている(by 辛辣な夫)私でも来る度にいつも可愛いお花があることを嬉しく感じてます。
(誕生年があればお土産にもいい年代物アルマニャック)
もっと美味しいお店、もっとリーズナブルなお店(パピーユは比較的コスパの高いビストロですが)はパリにはいくらでもあると思う。それでもここに通うのは美味しさやお値段とはまた違った理由があります。
この活気あるお店の雰囲気が好きなのに加えてオーナーのホスピタリティに毎度感激するから。
(南西部出身のオーナーは無類のラグビーファン。店内のサイン入りシャツは時々入れ替わります。とにかくたくさん持っている)
オーナーがこの場所にお店をオープンして数ヶ月後、たまたま当時近所に住んでいた私達夫婦は通りがかりにぶらっとデジュネにお邪魔しました。
まだオープン当初で初々しかった?オーナーは慣れない接客に一生懸命。
そしてとにかく記憶力が抜群で、初めてのランチの1週間後に改めてディネにお邪魔すると、覚えづらいであろう日本語ネームなのに私達の名前をしっかり覚えていてくれました。
その後10年以上通う中で私達が飲んだワインをほとんど全て記憶していることにもビックリ。
ワインの記憶だけでなく、ざっくばらんな会話も覚えている彼は
「こないだ誕生日だったよね?」
と実は去年10月下旬にお邪魔した際もサプライズのデザートプレゼントを用意してくれていて、これにはビックリ&感激でした。
そんなスペシャルな時にはとっても美味しいフォアグラも豪快にサービス。
K「なんで誕生日知ってるの??」
O「ケーコはうちの店のスターだからね。プププ!」
スターとか言いながら思いきり笑ってるオーナー。。
そしてふと彼がしみじみ「俺たちも長い付き合いだね。お店の歴史はケーコたちのパリ生活の歴史と同じ」と言ってくれたのが、なんとも嬉しかった。
「さ〜、今日は二人の大好物。しばらく会えないからゆっくり楽しんで行ってよ!」
と、本日のスープはポティロン(かぼちゃ)のポタージュ。
ポタージュを注ぐ前のお皿には、カリカリのベーコン、クリーム、かぼちゃペースト、クルトン、シブレット&パセリ。
優しく、体の芯から温まる美味しさ。
珍しい!
メインに登場したのはホワイトソースの煮込み料理Blanquette de veau(ブランケット・ド・ヴォー)。
仔牛肉と人参や玉ねぎなどの野菜をフォン(または水)で煮込んで生クリームなどを加えて白く仕上げるフランス伝統料理。
メイン料理は肉の煮込み料理が基本のこの店ですが、ブラウンや赤ワインソースのものがほとんどなので、この料理の登場は意外でした。
付け合わせは、ライス。
ブランケット・ド・ヴォーの付け合わせは、ライスかパスタ、蒸したじゃが芋のことが多い。
昔、ホワイトシチューとお米を一緒に食べることにちょっと違和感を感じる子供だった私(ごはんが進まない…)、シチューにはパン!と主張してました。今もそんな傾向はあるけれど。。
パリでいただくブランケット・ド・ヴォーは、子供時代のトロトロのシチューに比べるとサラサラなことが多く、粘りの少ないロンググレインライスに合います。
実はパリを離れる前に食べておきたいね、と夫婦で話していてたのがブランケット・ド・ヴォー。
以前紹介したフィガロ誌の選ぶパリのブランケット・ド・ヴォー ベスト10のお店リストをチェックしてたところ。
もちろんこのお店のオーナーにそんな話はしていないのですが、偶然とは言え、食べたい!と思っていたものをいただけて本当にラッキーでした。
チーズは久しぶりの青カビ、“Fourme d'Ambert”(フルム・ダンベール)にプラムの赤ワイン煮ソース。
チーズまでなんとか少し残しておいた赤ワイン。
様々なワイナリーのコンサルタントを務めていることでも知られるネゴシアン醸造家Dominique Laurent(ドミニク・ローラン)のPommard(ポマール)☆
デセールはスペキュロスのパンナコッタ。
このお店に限らず、コース料理1本の食事となると、時にはあまり好きではないものがコースの中にあったりしますが、このように最初から最後まで大好きなものオンパレードだととても嬉しく、幸せ!気分を思いきり実感した夜でした。
☆Belle et Bonne Blogも絶賛更新中☆
⇒ http://belleetbonne.blog.fc2.com/blog-entry-1820.html
Les Papilles(レ・パピーユ)
ARCHIVE
MONTHLY