
"Blue Jasmine"でブルー?!
ここは神社?お寺?と思うパリっぽくない屋根。
現在修復中なことと、落葉してないので、その不思議なオリエンタル感は
半減してますが、ここは"La Pagode"(ラ・パゴッド)。
もともとは、「ボン・マルシェ」(左岸にあるデパート)のオーナーが奥様のために建てた
私邸だそうですが、1931年から映画館に。
まだこの映画館で映画を観たことはないのですが、前を通ったら、先日自宅近くの
映画館で観たウディ・アレン監督の最新作"Blue Jasmine"(ブルー・ジャスミン)を
ここでも上映していました。
ロンドンを舞台にしたMatch Point(マッチ・ポイント)やVicky Cristina Barcelona
(それでも恋するバルセロナ)、To Rome with Love(ローマでアモーレ)、そして記憶にも
新しいパリが舞台のMidnight in Paris(ミッドナイト・イン・パリ)などなど最近は大好きな
ヨーロッパの風景が多かったので、最新作の舞台は?と気になっていた1本☆
最新作"Blue Jasmine"(ブルー・ジャスミン)の舞台は主にサンフランシスコとその近郊が
舞台。
ネタバレなあらすじは割愛ですが、NYでお金持ちなご主人Hal(アレックス・ボールドウィン)
と何不自由なく、ゴージャスに優雅な生活を送っていたJasmine(ケイト・ブランシェット)が、
ある日全てを失い、サンフランシスコに暮らす妹(と言っても血がつながっていない)
Ginger(サリー・ホーキンス)のところへ転がり込んで人生を立て直そうとするが・・・なお話。
ウディ・アレン監督の映画は、グサっと胸に刺さるというより、小さなトゲでチクチクと
刺す皮肉っぽさが好きなのですが、今回もそんな皮肉はたくさんあって
最初は傍観者的に見ていたももの、仕事もなく、手に職もなく、母でもなく、そんな人間が
明日突然放っぽり出されたらどうやって生きていくのか?人生を立て直すのか?
何が心の支えになるのか?と自分に置き換えると、壊れてゆくジャスミンの心情が
他人事とは思えないところも・・・。
映画鑑賞後は、 チュイルリー公園へ。
もし何か事件が起こって身一つになった時に、一人じゃ何もできない女じゃ困るし、
内面的にカラッポだとやはり魅力がなくて、次に繋がる仕事や人との出会いが生まれない。
どんな立場であれ普段の些細なことでも自分がしたこと、やることに責任の取れる覚悟も必要・・・
などと鑑賞後はちょっと落ち込み、少しブルーに、そしてちょっと考えさせられつつ
チュイルリー公園に集まったたくさんの人達を眺めながら鑑賞後の余韻に浸りました。
こんなにたくさんの人がいても誰ひとりとして同じではなく、それぞれ自分だけの人生を
生きているんだよね...と思いながら私も私の人生を大切に、と思いました。
おまけのパリはBelle et Bonne は気分をかえて。
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