
Esthétiques de l'Amour@ケ・ブランリ美術館
寒そうなエッフェル塔と輝く"Flamme de la Liberté"(自由の炎)。
アルマ橋近くにあるこの「自由の炎」は、1989年にニューヨークの自由の女神像の修復作業
に対するお礼としてアメリカからフランスに送られたものだそうで、自由の女神の持つ
松明の部分☆
その自由の炎がある広場の真下のトンネルで1997年8月ダイアナ妃が事故に遭い、
亡くなりました。
そしてこの炎がダイアナ妃の慰霊モニュメントに...。
あの事故からもう何年も経ったんだな...と思いながら左岸へ渡り、目指したのは
"Musée du Quai Branly"(ケ・ブランリ美術館)。
気になった展覧会の一つ、"Esthétiques de l'Amour"(アムールの美)展。
シベリアのアムール川流域とサハリンの住民、北海道に暮らすアイヌの人々の衣装や
装飾品を美的観点から紹介するという展覧会です。
小学生の頃、国語の時間にアイヌの人々の暮らしについてちょっと触れた記憶があるものの、
その美術や文化についてほとんど知らないので、この機会に見てみようと。
たゆたゆと流れる美しいアムール川。
モンゴル高原に源を発し、ロシアと中国の国境を流れる大河で、その長さは4350キロ。
まず最初に驚いたのが、このバッグ。
素材は何?
いろんな角度から見てもなかなかわからない。
でも、このカタチは...と思いながら説明を読むと、それは鮭の皮で作られたバッグでした。
そして展示作品を順次追って見て行くと、そのコートやブーツの多くは鮭などの魚の
皮を干して作った生地を繋いで作られていることを知りました。
これで防寒になるのか?と思ったのですが、いくつも重ねて履く、着ることでかなり防寒
になり、また丈夫なのだそうです。
特に装飾が凝ったものなどは、祈祷師が着たり、祭り事の際に着るもの。
マントに施された模様を一つ一つ見てみると、丁寧に縫い付けられ、どれも色が綺麗で、
中東からロシア、モンゴル、中国へとそれぞれの国を連想させながら繫がってゆくような
図柄がユニークで見ていて飽きませんでした。
熊やキツネなどの動物モチーフも多くあり、それらは魔除けや厄除にしていたと。
祈祷師、シャーマンが精霊と会話し、契約を結ぶ。
そしてそのオブジェの中に精霊が宿る...。
偉大な自然の中で、そこに畏怖と敬意を持ちながら生きる、なんとも神秘的な世界、
素朴な美しい文化・芸術を垣間見ることができた興味深い展覧会でした。
おまけは「週末の女子会は」をBelle et Bonneで
⇒ http://belleetbonne.blog.fc2.com/blog-entry-838.html
à demain(^.^)/~~
<info>
Musée du Quai Branly(ケ・ブランリ美術館)
37 Quai Branly, 75007 Paris
01 56 61 70 00
* "Esthétiques de l'Amour"(アムールの美)展は2016年1月17日迄
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