ヘンリー五世☆
パリ出発直前に大好きなシェイクスピア!
という訳で只今「新国立劇場」で上演中の「ヘンリー五世」(Henry V)を観劇してきました。
昔のOL時代、ボスに
K「明日はマクベスを観るのでベルサッサさせていただいていいですか?」
B「いいですよ。でもシェイクスピアとは〇〇さんて意外と高尚なものが好きだよね〜」
K「意外とってどういう意味ですかっ!?」
という感じで上司とは言え、ざっくばらんな会話ができる自由闊達な社風の職場でした。
確かにシェイクスピアは高尚なイメージもあるけれど、そもそも作られた当時を思うと特別に高尚なものではなく、一般大衆向けエンターテイメント☆
大掛かりな舞台セットもなく、セリフと観客の想像力で場面が展開していくので、その様式にハマるとどの作品も興味深くなります。
言わずと知れたイギリス・エリザベス朝時代の劇作家で詩人のWilliam Shakespeare(ウィリアム・シェイクスピア)。
生涯に37本を越える劇作を残し、死後出版された全集ではその作品が歴史劇、悲劇、喜劇に分類されました。
そのうち歴史劇は10本を数え、イギリスの王権史に題材をとった『ジョン王』『リチャード二世』『ヘンリー四世』第一部、第二部、『ヘンリー五世』『ヘンリー六世』第一部、第二部、第三部、『リチャード三世』『ヘンリー八世』があります。
本会場には、わかりやすく世界史・日本史と並べながらシェイクスピアの経歴年譜を紹介。
シェイクスピアの作品が初めて日本に紹介されたのは明治時代だそう。
以来、舞台はもちろん歌舞伎公演など広範囲に影響を与え続けていると思うと、海を越え、時代を超えた偉大な作品たちだと感じます。
本作「ヘンリー五世」のストーリーについては、とてもわかりやすく特設オフィシャルサイトに記されているので、ご興味があればこちらを→ http://www.nntt.jac.go.jp/special/henry5/story/
ざっくりお話すると、イングランド対フランスのお話しで圧倒的にヘンリー五世率いるイングランド軍が劣勢だったにもかかわらず、5倍の敵のフランス軍に勝利するという、イングランド側から見たら痛快なストーリー☆
(プロフィール画像はヘンリー五世オフィシャルサイトより)
カリスマ性があり、ウイットに富み、リーダーの素質を備えた若き王のヘンリー五世を演じたのが浦井健治さん。
何度が舞台で拝見していますが、スラリと長身で颯爽と軽やかに舞台を飛び回る姿がカッコよかった♡
劇中ではフランス語会話シーンも少しあり、英語のイングランド人から見たら「何言ってるのか全然わかんねーよ」的な、フランスをディスる台詞が幾度となく笑えました。
当時のイングランドから見ても、ヨーロッパの中でもより貴族的で洗練された感のあるフランスはイジりどころ満載?!
個人的にはそんな風にイジられ、ディスられるフランスも好きなのですが…♡
こちらも会場にあった資料ですが、イングランドとフランス、ヨーロッパ史は現在の国のくくりでは区切れないので家系図がややこしてくて、一度覚えても似たような名前も多いのですぐ忘れてしまう。世界史が苦手だった理由かも。。
グローブ座の模型も展示されていました。
グローブ座はロンドン・テムズ川の南岸に位置し、1598年に創設されたエリザベス朝を代表する劇場です。その様子は映画「恋するシェイクスピア」を観るとよくわかります。
当時から多くのシェイクスピア作品が上演されていましたが、1613年に「ヘンリー八世」を上演中に出火し焼失。
1997年に再建され現在でも多くの作品が上演されているそうなので、いつかはここでシェイクスピア作品を観劇してみたいものです。
幕間に以前から食べてみたかった新国立劇場のプロフィットロールを食べてみました。
シューの中はアイスクリームではなく甘さ控えめの生クリーム。
会場の記念撮影コーナーで目立っていたぬいぐるみは本作品とどういう関係なのか…。
劇場のマスコットキャラクター?!
それにしても古典シェイクスピアは何度も観ても面白い。
ううだうだと長いセリフも他のお芝居では冗長に感じてしまうこともあるけれど、シェイクスピア作品の中ではそう感じず、言葉が言葉を紡ぐようで耳に心地よく入ってきます。
という訳で今後もシェイクスピア作品は観続けたいと思っています。
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