
パリ6区☆Le Relais de l'Entrecôte(ル・ルレ・ド・ラントルコット)
少し落ち着いた今だから、振り返えって、テロ事件直後から元気になれたSteak frites
(ステック・フリット)までのお話をパリスナップと当時の写真とともに。
11月18日の金曜日の夜、日本から来たのんちゃんと夫の3人でレストランで楽しく美味しい時間
を過ごしました。
のんちゃんとバイバイしてから11月にしては暖かい夜、夜風にあたりながら帰宅。
23時ぐらいだったと思います。
K「今日のジョナタン(ソムリエ)、ノリノリだったよね。いつもよりワインの種類も量も
多くなかった?!」
夫「ジョナタンは、のんさんのことタイプなんじゃないの?」
K「あ、やっぱり!そういうことか〜♡ で、急に酔いがまわってきた。寝ます!」
真夜中。
K「もーーうるさい! さっきからあなたのiPhoneがうるさいよ!」
夫「俺の?」
K「私のは22時〜8時までおやすみモードだから。あ、また電話鳴ってる...」
と、夫のiPhoneを取り、ついでに私も自分のものを手に取ったらビックリ!!
着信、メール、LINEがいっぱい。
一瞬頭に浮かんだのは「日本で何かあった。地震だ...。でなきゃ家族に何か...。」
最初のメールを開く時に緊張して身構えました。
『パリでテロ!大丈夫??日本ではすごい報道になってるよ!心配してます。』
K「パリでテロ... なんかそんなメールとか来てるけど...」
夫「テレビつけろ!」
夢にも思わぬ出来事に、ただただ呆然。
そして連絡をくれた皆にとにかく返信。『無事です!』
K「明日からどうなるんだろう...。」
夫「今はまだ事態がわからないからとりあえず寝よう。」
という訳で寝たものの、気持ちが興奮してうつらうつらしながら朝に。
翌朝テレビをつけたものの、まだ事件の全容は見えず、犯人グループがまだ逃走中なのかどうか
も含め、断片的にしかわからない中で、昨夜の事件現場映像と不必要な外出を避けるようにと言う
警告が繰り返されるだけ。
得体の知れない不安と怖さの中、小走りで近所のスーパーへ行き、食料の買い出し。
いつもは賑わう界隈が閑散とし、スーパーの生鮮食品コーナーはほとんど空。
時々小雨も降る暗い空だったこともあり、人通りはあるもののなんとも言えない気持ち悪い雰囲気が
自宅周辺には漂っていました。
スーパーから自宅に戻った後は自宅を出ず、テレビとネットでの情報収集で一日が終わりました。
翌15日の日曜日。
前日とは打って変わって晴天。
実行犯数人はベルギーに逃亡したらしい(実は首謀者も含めてまだパリに潜伏していた...)という
一報があったせいか少し気持ちがラクに。
あまりに天気もイイのでちょっと近所の様子を見に出てみると、普段よりは人は少ないものの
前日の土曜日とは違って、人通りも増え、いつもの日曜日に近い光景に驚きました。
そして、ボーヌ、ニーム行きを取りやめパリに残ったのんちゃんと連絡をとり、左岸で
デジュネをすることに。
待ち合せはサンジェルマン教会前。
ちょうどミサが終わった人達が教会からどんどん出てくる頃でした。
公共交通機関を避け徒歩でやってきたのですが、左岸へ来たら緊張感漂う自宅周辺とはまた
違った空気というか、賑やかで家族連れも多く、いつも通りの日曜日の雰囲気に益々びっくり。
あんな事件の後じゃ食欲は出ないかも...と思いながら来たのですが、カフェでモリモリ食事を
しているパリジャンたちの姿を見ていたら少しずつお腹もすいてきました。
よし、肉食べよう!
と向かったのが久しぶりの"Le Relais de l'Entrecôte"(ル・ルレ・ド・ラントルコット)。
(関連ブログ⇒ https://madamefigaro.jp/paris/blog/keico/archives/51603464.html )
こちらは、Steak frites(ステック・フリット)ワンメニューのステーキ専門店。
テーブルについてまず聞かれるのはお肉の焼き加減と飲み物のオーダーのみというシンプルなお店。
13時過ぎに行くと店内は満席、20分待ちと。
そして後からも続々とお客さんがやってきていて、それがほとんど地元風パリッ子たち。
前菜は、レタスサラダ。
マスタードのドレッシングと胡桃が美味しい、これも通年変わらぬもの。
唐突に起こったテロ事件の後、日本人の私は何をどう考えて行動したらいいのか?
動かないことが一番なのか?と考えていた時に、こうした左岸の雰囲気、お店の活気に驚き、
テーブルについてようやくちょっと気持ちが落ち着いた感じでした。
ワインはボルドーワインに。
軽めのテーブルワインとは言え、なんだか無性に美味しく感じたというか沁み入るような味わいでした。
そして周りで賑やかなフランス人ファミリーの集う中で、のんちゃんと夫と改めて色々話す中で、
どんどん気持ちがほぐれていきました。
ますは、Entrecote(アントレコット、リブロース肉)の半分量が自家製の揚げたてポテトと
一緒にサーヴ。
ソーズは、バジルが効いた秘伝のソース。
残りの半分のお肉は、隣りのサーヴ用テーブルの上でロウソクの炎で少し温めながらスタンバイ。
最初の一皿を食べ終わると残りのお肉をお店の方がまた盛りつけてくれます。
そしてポテトも好きなだけおかわり☆
こうして食べながら、本当に美味しい!!と思いました。
あんな事件の後だけに...と思っていたけれど、周りでモリモリ食べるパリッ子たちにも触発され、
こんな時こそしっかり食べて気持ちも体も強くしないと!と本気で思えました。
いざっという時にチカラが出なくて助かるものも、また助けることもできないじゃ情けない。
3人で笑ったのは、渡されたデセールメニューが写真の指先メニューだったこと。
説明が一切ない...!
もちろんきっと3人とも事件後に笑ったのは、この瞬間が初めてだったと思う。。
でも笑ったら、またどこからか違った元気が出てくるようにも感じました。
食べきれるかどうかは別としてとにかく頼もう!で選んだのは、お店のイチオシメニューという
チョコレートソースたっぷりでタワーのような高さで登場したヴァシュラン☆
(Vacherin 生クリームとアイスクリームをたっぷり使ったメレンゲケーキ)
見た目もよりも口当たりの軽かったババ。
ブリオッシュではなく、きめ細かいスポンジにラム酒たっぷり。
タルト・フィーヌ・オ・ポムはバニラアイス乗せで。
デザートまでしっかり食べて満足。
こうしてゆっくりデジュネをした日曜日。
最初はずっと自宅に籠ろうかと思っていたけれど、外へ出て、3人で話し食べることができて
良かったと思いました。
あんな事件の後にパリッ子たちはどうするのだろう?と思ったのですが、他人事とか能天気
ということではなく、努めて自分たちの日常を過ごそうとする様子には色々考えさせられました。
天災と無差別テロは違うので、それによるその後の行動は違ってくると思うのですが、
怖いから、悲しいからで止まらず、自分たちの日常生活、社会生活、経済生活、文化的生活を
それぞれ自分で考えて、自分の判断で進める、動かす。
怖くないわけがないだろうけど、止まらないで、顔を上げて前に進もうとするパリの人達の姿
は強く印象に残りました。
歩道の落ち葉の横に見つけたLiberté(リベルテ・自由)のスローガン。
自由を奪われたり、脅かされてなるものか!と私には伝わってきました。
やっぱりこの国はスゴイな...。
おまけのパリは「パリ1区の人気デポ 」をBelle et Bonneで
⇒ http://belleetbonne.blog.fc2.com/blog-entry-812.html
à demain(^.^)/~~
<info>
Le Relais de l'Entrecôte(ル・ルレ・ドゥ・ラントレコット)
20 Rue Saint-Benoît, 75006 Paris
01 45 49 16 00
http://www.relaisentrecote.fr/
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