Musée de l'Homme(人類博物館)
昨年リニューアルオープンしたパリ16区シャイヨー宮にある“Musée de l'Homme”(ミュゼ・ド・ロム 人類博物館)へ行ってきました。
シャイヨー宮は複合施設で国立海軍博物館(Musée national de la Marine)、国立フランス文化財博物館(Musée national des Monuments français)、シャイヨー国立劇場(Théâtre national de Chaillot)、そしてこの人類博物館(Musée de l'Homme)などの文化施設から成っています。
広場からのセーヌ川対岸のシャン・ド・マルス、エッフェル塔の景観が素晴らしく、人気フォトスポットの一つ☆
が、最近の私は朝ランニングでのまだ薄暗い眺めしか見ていない…。
人類学、先史学、民俗学的なことにあまり興味がなかったこともありこれまで一度も訪れたことがなかったのですが、朝ランしながらちょっと気になり、今回初めて訪れてみました。
率直な感想としては、意外に面白かった!!
チケットを買ったらまずは2階へ。その階段の壁にはいろんな言語で書かれた「ようこそ」の言葉が。
圧倒的に知らない言葉の数々に世界にはどれほどの言語があるのだろう…とぼんやり思う。(その答えも後で知りました)
階段を登ると窓越しからエッフェル塔がお出迎え。
私達は何者?、どこから来たの?、どこへ行くの?
その疑問の答えを探るべくココへやってきた〜!と心に留めて鑑賞スタート。
勝手な私のイメージでは先史学・人類&生物学などは暗く、カビっぽく、埃っぽく暗幕の部屋に広がるちょっと怖いマニアックな世界だったのですが、自然光の採り込んだ館内はどこも明るい☆
いろんな動物の脳みそのホルマリン漬けを見ても、その手のものが苦手な私でさえ「へーー、ネズミの脳ってホント小さい」と結構冷静に見れたり。
ガラスのショーケースの中に剥製や模型が飾られ、更に詳しい説明はタッチパネルを操作して読むことができるという展示。
孔雀を見て思い出したのは、昔サークル内でメンバーを動物に喩えてあれこれ盛り上がったこと。
当時おもいきりソバージュヘアだった(時代を感じる…)私に先輩たちは「ケーコはオスの孔雀だな」と。友達がリスとかアライグマと言われてるのに孔雀って…羽根を広げた時の自己顕示欲、攻撃性、そんなものないですッ!と反論したけれど(=_=)
夫を喩えるなら…と見ていたら、やっぱりコレかな?!
オオカミ。じゃなかったら猟りに優れた猟犬。
と、いきなり話がそれてしまったけれど、最初の展示から全ての人間はアフリカから来たことを知りました。
頭蓋骨を比較しても人種によりこんなに違いがあることに驚く。
人類と動植物が一緒に展示された様子に地球上で人間はその自然界のほんの一部だと改めて思い知る。
そして人間はその歴史と発展の中で体に刺青をしたり、宝飾品を身につけたり、着飾ることを覚える。
動植物と違うのは人間は思想を持ち、言葉を持ち、考える生き物だということ。
病と戦い、災いと戦い、「死」を意識したところから様々な慣習や儀式が生まれる。
それぞれの民族や国、宗教によって死生観の違いは様々。
個人的には一番楽しかったのは、この「舌の壁」。
言葉は人間が他者と関係を築く上で欠かせないもの。現在7,000以上の言語が70億の人間によって話されているのだそう。
少数言語がこの壁に舌のカタチで展示され、その舌をピーっと引っぱるとその言語が流れきます。
適当に掴んだその舌は日本最西端の島・与那国島の言葉。
100歳のおばちゃんが桃太郎のお話をしているようなのですが、ところどころの単語はわかるものの、日本人の私が聴いてもその内容は理解不能でした。
言葉の不思議と魅力を音で体験できる興味深いコーナーでした。
2階フロアの後半は20万年前のホモ・サピエンスの出現に至るまでの人間の系譜を辿るというもの。
人間は「火」を使えるようになって生活が大きく変わり、更に旧石器時代、新石器時代の展示に繋がり、洞窟壁画の復元なども。
思わず駆け寄ってしまってのは実物大らしきモンゴルの遊牧民の移動式テント☆
「ゲル」と呼ばれるこのテントは円形で中心の柱2本で支える骨組み。屋根部分には中心から放射状に梁が渡されていて、それがなかなかキレイでした。それに羊毛のフェルト被せて屋根・壁を形成するそう。
ちょっと経験してみたいテント暮らし。でも実際色々大変だろうな…と思いつつ、テント内のテレビに目をやると小さな子供たちがテントの外で普通にiPhoneいじってる…、現在のグル暮らしの様子が流れていました。
今では多くのゲルでソーラーパネルを備え、テレビもPCも普通に使っているそうで、そんな光景からも現代のテクノロジーの進化と広まりをまざまざと感じました。
派手なバス!
現代アートかと思いきや、これはダカールで使用されていたルノーのバス。バスに乗るとセネガルの景色が見れ、まるでドライブしている気分に?!
そして最後は義手義足などの展示があり、人間の未来への挑戦と問いかけで終わりました。
その後、科学のギャラリーがありましたが、時間がなくスキップ…。
同じフロアにカフェがあり、エッフェル塔を眺めながら軽食がいただけます。
そしてフランソワ•ポンポンの大きな「白熊」が置かれた1階の奥のスペースでは“MAPUCHE”という写真展を開催中でした。
ポンポンのこの有名な彫刻はどの角度から見るのが自分にとって一番か?を毎回自問中。
右側の顔は可愛い、左側はカッコイイ♥︎
今まであまり正面顔から見てなかったかも?!
帰り際、12時を過ぎた頃に博物館を出ようとすると、カチっとスーツを着た男女が何組もやってきて1階奥へそのまま行くので思わず後を目で追うと、奥にはレストラン“Cafe de l'homme”。レストランだけの利用も可能ということで近所のお勤めの方のランチスポットらしい。
次回は食事だけに来てみようかな♬
À demain(^^)/
☆おまけのパリ話・Belle et Bonne Blogも更新☆
今日は、「春は足下から♬」
⇒ http://belleetbonne.blog.fc2.com/blog-entry-1440.html
<info>
Musée de l'Homme(人類博物館)
17 Place du Trocadéro et du 11 Novembre, 75116 Paris
http://www.museedelhomme.fr/
<Profile>
KEICO
新潟県の旅館に生まれるも女将にならず、上京、進学、就職、まさかの出逢いと結婚。
約10年間のOL生活の後、2004年渡仏。
現在は夫と共にパリ・東京を行ったり来たりな生活中☆
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