Comme d'habitude 〜パリ・東京行ったり来たりblog〜

Museo e Galleria Borgheseでベルニーニ♥

ローマの北東部にある広大な公園、ボルゲーゼ公園。

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たくさんの人が集まる憩いの場所。

もともとは16世紀末に貴族ボルゲーゼ家が所有した別荘地なのだそう。

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園内にはたくさんの彫刻や噴水、建築物が点在していてとにかく広い!

公園というより「森?」な印象です。

その一角、17世紀に建てられたボルゲーゼ家の邸宅が現在美術館として公開されている

"Museo e Galleria Borghese"(ボルゲーゼ美術館)へ行ってきました。

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枢機卿シピオーネ・ボルゲーゼが収集したコレクションを展示する美術館で、たくさんの

傑作を所有していることでも有名です。

人気美術館なので事前に予約をしてから出かけました。

(館内は撮影禁止のため、作品画像は図録から)

前日アップしたバルベリーニ宮にカラヴァッジョ作品は3作品所蔵ですが、作品数では

6作品を所蔵するボルゲーゼ美術館は世界最多コレクション。

「果物籠を持つ少年」は、手にした花籠がとにかくキレイですごい描写力!

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「ゴリアテの首を持つダビデ」は旧約聖書の話をモチーフに描いたものですが、

興味深いのは生首のゴリアテがカラヴァッジョの自画像だということ。

ローマで殺人を犯して逃亡したカラヴァッジョがその逃亡生活中に描いた絵で

自分の生首を描くことで犯した罪を認め、反省し、教皇から特赦を得ようとしたのだそう。

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他にも「病めるバッカス」、「執筆する聖ヒエロニムス」、「聖ヨハネ」「馬丁たちの聖母」

4作品が所蔵されているので、カラヴァッジョファンには必見です。

 

私がこの美術館で夢中になったのは、彫刻の数々!

中でも今回のローマでもあちこちで作品を目にしているGian Lorenzo Bernini

(ジャン・ロレンツォ・ベルニーニ)の作品。

以下の2作品は、これまでの人生でこんな美しい彫刻は見たことがない!

と思えるほど素晴らしかったです☆☆☆

一つ目は、「アポロンとダフネ」。

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ある日、アポロンは弓矢で遊ぶエロス(キューピッド)に対して

「子供が弓矢をおもちゃにしちゃいけないよ~」とバカにします。

怒ったエロスは、恋に落ちる金の矢をアポロンに放ち、恋を拒む鉛の矢を

ダフネに放ちました。

ダフネに恋したアポロンはダフネを追う、追う。ダフネはアポロンから逃げる、逃げる。

(もはやストーキング状態?!)

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ついにダフネは父親の川の神のところへ駆け込み 、「お父様、私の姿を変えてください!」

と懇願。

するとダフネの体は足元からみるみる月桂樹の木に変わってしまいました。

アポロンはダフネの月桂樹の葉で冠を作り、生涯それを頭にかぶって過ごしました。

というお話ですが、ダフネに追いついた!と思ったその瞬間に月桂樹に変わっていくダフネは

躍動感があって今にも動きだしそうで、しかもとても綺麗でした。

 

それにしてもアポロン。

太陽神で、音楽、詩歌、医術、予言を司る神で、弓術にも優れ、ルックスも良し!

そんな文武両道で芸術にも理解ある理想的な男性。

それなのに女性にはモテないというか、女運が無い。

アポロンを見るたびに「どうしてモテないんだろうね~」と語りかけたくなります...。

 (余計なお世話)

そしてもう一つは「プロセルピナの略奪」。

冥王プルートーは春の女神・プロセルピナ(ギリシャ神話のペルセポネ)に一目惚れして

無理矢理彼女を奪っていくというシーン。

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この略奪された後のお話。

プロセルピナ(ペルセポネ)の母親ケレース(デメテル)が娘がいなくなったことに気づき、

冥界から娘を連れ戻そうしますが、腹ペコだったプロセルピナは冥界の食べ物ザクロを

6粒食べてしまいます。

ザクロを食べた彼女は自分の花嫁だと主張するプルートー(ハデス)。

娘を返さないと世界を飢饉にしてしまうわよ!と、ご立腹の母ケレース(デメテル)。

結局ゼウスが仲介に入って、ザクロを6粒食べたので6ヵ月を冥界で、もう6ヶ月を

地上で過ごすことになったプロセルピナ(ペルセポネ)でした。

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画像ではよく見えませんが、プロセルピナの目から涙が流れていました。

一方的に一目惚れされて、こちらの気持ちも無視されて力づくで連れ去られるなんて

絶対イヤですが、その相手がその後とても自分を大事にしてくるヒトなら、男気にあふれる

頼もしい王なら、そんなヒトに自分の人生を委ねて生きてもいいのかな~

なんて思いながら見つめてしまった彫刻でした。

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そして驚くのは彫刻なのにとても柔らかく見えたこと。

プルートーの右手がムギュっと彼女の太ももを掴んでいるところがリアル。

 

ゆっくり館内を見た後にまた戻ってこの2作品をじっくり鑑賞。

本当にとても美しく、ちょっとエロティックというか妖艶な魅力もあり、

圧倒的な存在感を放っていた彫刻にすっかり酔いしれました☆

 

おまけは、Belle et Bonneで。

 

<INFO>

Museo e Galleria Borghese(ボルゲーゼ美術館)

Piazzale del Museo Borghese, 5, 00197 Roma

http://www.galleriaborghese.it/

 

 

KEICO

新潟県の老舗旅館に生まれ育つ。
上京、進学、就職、まさかの出逢い?で結婚し2004年渡仏。
現在は夫と共にパリ・東京を行ったり来たりな生活中☆
そんな毎日からのグルメ・ファッション・カルチャー・バカンスなどの話題を中心にブログ更新致します。

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