ウィーン最古のグリーヒェンバイスル☆
宿泊ホテルフロントにて。
F「お帰り〜」
K「ただいまで〜す」
F「今晩のディナーはどこで食べるか決めてます?よかったらいくつかオススメがありますけど」
夫「ありがとう。でもグリーヒェンバイスルってレストランを予約済みです。そこ知ってますよね?ウィーンで最古のレストランだとか」
F「グリーヒェンバイスル??知らないけど…。どこそれ?」
ブラブラブラと説明する夫。
F「ウィーンでギリシャ料理食べるの?(笑)」
最後は軽くディスられた…。
と言うのも“Griechenbeisl”(グリーヒェンバイスル)は直訳では「ギリシャ食堂」だから。
そんなフロントの反応にミスチョイスだったかも…と思ったけれどドタキャンする訳にもいかず、Googleマップを頼りにレストランを目指しました。
途中華やぐ旧市街を通ったり、地元っ子風の人たちで賑わうレストランを見ながら私達の行くレストランはどんなところなんだろ…な不安と期待。
そもそもそのレストランを選んだのは私だ。
春先に日本で週末にやっていたTVの旅番組を見まして、元タカラジェンヌによるウィーン旅で紹介されていたのでメモ。
「雰囲気すっごくステキ〜!お料理とっても美味しいっ!!」と彼女は大絶賛。
それがココ。
旧市街地エリアに位置し、創業1447年頃と言われるウィーン最古のレストランなのです。
レストラン創業当時はこのエリアにはオリエント各国との貿易に携わった商人が多く暮らし、隣りにはギリシャ正教教会がありギリシャ人が集まったことから「ギリシャ食堂」=「グリーヒェンバイスル」と呼ばれるようになったそう。
更にこの建物の歴史は古く、基部には2000年前の古代ローマ帝国時代の建造物が含まれ、傾斜の大きい屋根にはウィーン最古の建築様式が認められ、建物の壁の一部は800年前のものだそう。
エントランスの壁には第1次トルコ包囲(1529年)の時にトルコ軍がウィーン市街へ打ち込んだ二つの大砲の玉が埋め込まれていたりもする、とにかく歴史的建築物。
そして何よりこのレストランを有名にした理由は、ベートーヴェン、シューベルト、ワーグナー、シュトラウス、ブラームス等の音楽家、「トムソーヤの冒険」のマーク・トゥエイン、飛行船の設計で知られるツェッペリン(フェルディナント・フォン・ツェッペリン伯爵)等の著名人が訪れ、壁には彼らのサインも残されていること。
店内は想像以上に広く、たくさんの部屋がありました。
中でも有名人のサインが集まっているのはマーク・トゥエイン ルーム。
さてスキーでオーストリアを訪れて以来、すっかりオーストリアワインも好きになりました。
白が美味しいイメージですが、赤もイケるのです。
しかもフランスワインに比べるとリーズナブル。
「ギリシャ食堂」な店名ですが、こちらでいただけるお料理は伝統的ウィーン料理。
という訳で私は、トラディショナルなウィーン風スープを。
さいの目のジャガイモと人参がゴロゴロ入った素朴で優しいズッペ(スープ)。
こちらは2つ方法(燻製と炙り)で調理されたサーモントラウト。
メインに私は、大好きな「グーラシュ」をチョイス。
パプリカがたっぷり入ったソースで煮込んだ牛肉シチューです。
そもそもはハンガリーから伝わって今はオーストリア、ドイツでも定番料理に。
添えられた丸いものはジャガイモのガレット。
じっくり煮込まれたお肉はホロホロで脂身がほとんどなく、さっぱり。
インテリアとしての古いオルガンだと思っていたところに男性がやってきて弾き始めました。
それはオルガンではなくピアノ。
その男性はラフな格好だったので、お客さんの1人かと思いきや生演奏をするピアニスト(目つむり写真でごめんなさい)。
次から次にクラシック名曲のサビを演奏してディナーシーンを盛り上げてくれました。
私達を日本人と思ってくれたようで、最後は「島唄」(THE BOOM)。
ここで島唄。微妙な空気だ。。
さて夫のメインは定番ヴィエナ(ウインナー)シュニッツェルかと思いきや「ターフェルシュピッツ」 。
これもウィーン名物料理の1つで、スパイス入りのビーフブイヨンで牛肉を煮込んでスライスしたもの。
夫「俺としては、煮込んだブイヨンスープが気になる!飲みたい」
でもそれは料理としてはサーヴされず、お肉(と野菜)をいただくお料理です。
そんなさっぱりなお肉につけて食べるのがサワークリームのようなクリームと林檎ソース&ホースラディッシュというのがユニーク。
付け合わせはポテト。
そのポテトを完食!
私も奪うように手を伸ばしてしまったのですが、ただのジャガイモなのに甘味が強く感動的美味しさ。
私史上ジャガイモNo.1はベルギーなのですが、それに匹敵です。
こうしてポテトとお肉ですっかり満腹。
別腹デザートの余力なく、食後はコーヒーのみ。
そして今回観光をしながら休憩の度に飲んでいるのが、この「メランジェ」。
パリでは食後のコーヒー=エスプレッソですが、オーストリアではコーヒー=メランジェなのだそう。
メランジェとは、正しくはWiener Melange(ヴィーナー・メランジェ)といい、最も飲まれている代表的コーヒーで、エスプレッソと温かいミルクが1対1の割合で上にミルクの泡をのせたものです。
コーヒーについてはまた別途記したいと思っているのですが、ウィーンのコーヒーは美味しい☆
さすがのカフェ文化が花開いたウィーンだわ!な感激しきり。
21時を回ってもまだうすら明るい夏のウィーン。
レストランのテラス席は満席の賑わってましたが、この日室内も含めてお客様はほぼツーリスト?!
けして不味かった訳ではないのですが、安易にテレビ情報に乗った自分をちょっと反省。
やはり現地情報は住んでる人、ホテルマンに尋ねるのがベター。。
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