
ウィーンの余韻☆ザッハトルテ
この夏ウィーン行きが決まった瞬間、甘党ケーコは、ついに本場でザッハトルテだ!と一人心の中で小躍り♬
「今度ウィーンに行くんです。ザッハトルテはどこで食べるのがいいですかね?」
と、ウィーンに行ったことがある友人、知人達に尋ねまくり。
みんなの答えは同じ。
「無理に現地で食べなくていいかも…」
えーーーー。どういうこと?!
(↓Wikipediaより)
と、その前にスイーツラバーにはよく知られる話ではありますが、ザッハートルテ(現地ではザッハよりザッハーな発音に近いそう)には「トルテ戦争」なる仁義なき戦い(←言い過ぎ)の歴史があります。
一言で言えばザッハートルテの商標をめぐる訴訟。
ザッハートルテの発祥はホテル・ザッハーの料理人「フランツ・ザッハー」という人が考案し、彼の名前をとって「ザッハートルテ」と名付けられたのが始まり。
(ウィーン中心部フィルハーモニカー通りにある5つ星ホテル・ザッハー)
1930年代の3代目のエドマンド・ザッハーの時にホテル・ザッハーが財政難に陥った際に資金援助をしたのが、ウィーン王室ご用達ケーキ店「デーメル」(これまた現地ではデメルではなくデーメルな発音に近い)。
この際にデーメル側はザッハートルテの販売権を得ました。
エドマンド・ザッハーの死後、ザッハーの遺族がデーメル側が「オリジナル ザッハートルテ」と表示するのは権利の侵害として差しどめを求める裁判を起こしました。
どっちが正当かを巡って双方の証人として歴史家、古文書家、料理研究家が登場して正当なザッハートルテについての証言、論争が続くことかれこれ10年。
1962年に結審。
判決は双方ともに「ザッハー・トルテ」を生産、販売してよろしい!
但し「オリジナル」の標示はホテル・ザッハー側、デーメルは「デーメルのザッハー・トルテ」として販売。
ダンダン!(ハンマー音)
さて、友人知人たちがウィーンで無理に食べなくてもいいと言った理由は、時間がないとか食べる体力がなければウィーン・シェヴェヒャート国際空港でお土産用ザッハートルテを買えるから。
確かに、たくさん売ってました!
似たように木箱に入っているもの多く間違えそうに…。
ケーキばかりを見続けたため一番惹かれたのはチーズだった?!
更にデーメルは空港内にカフェもあったので、帰国直前に食べることも可能。
今でもしっかり覚えているのは、初めてのデメルは19歳のバレンタインの時。
友チョコとしてYちゃんがプレゼントしてくれたのが、デメルのソリッドチョコ。
その猫デザインのボックスといいチョコの美味しさといいハイティーン・ケーコは大感激で、ムシャムシャとあっという間に食べてしまった記憶。
で、空港でラストミニッツショピングをしながらふと疑問が。
現地ウィーンのホテルやカフェのものとお土産用のザッハートルテは全く同じなのか?!
ホテル・ザッハー、デーメル、いずれもお店の方に伺っていないので実際はわかりませんが、調べてみると空港販売のお土産用は日持ちが考慮され、お店のものより甘めに作られているとの記述も。
K「で、ホテル・ザッハーとデーメル、どっちをお土産にする?私はもうインペリアルケーキ(←もっと買えばよかったと後悔した例のホテルインペリアルのケーキ。すっかりファン♡)で満足しそうだからあなたの食べたい方でいいよ」
夫「デメル!」(即答)
K「デメルは日本でも買えるらしいけど」
夫「デメル」(迷う様子微塵もなし)
K「二つの違いをざっくり言うと、ホテルザッハーはスポンジの間にアンズジャムが挟んであって、デーメルはコーティングしたチョコとスポンジの間にアンズジャムが塗られてるんだって。よりアンズを感じるのはホテルザッハーらしい。」
夫「デメル。アンズは感じなくていいんで。チョコの味を楽しみたいんで!」
こんだけホテルザッハーに誘導してもデメルと言い張るってことは、デメルにいい思い出があるのかもねぇ…私みたいにバレンタインでもらったとか?などと思いながら、この日この瞬間やや食傷気味だった私はその選択は胃腸絶好調な夫に委ねました。
その結果、お土産にした“DEMEL”(デーメル)のザッハートルテ。
ホールサイズの中での一番小さかったもの。
コーティングしているチョコレートは「ザッハ・グラジュール」と呼ばれるもので、大理石の上で精錬して粒子を丸くする高度な技術によって生まれる独特食感なのだそう。
甘さ具合がわからなかったので、最初はとても小さめカット。
寄り過ぎてブレました。。
三角チョコの上には「フランツ・ザッハの息子・エドワードによる正真正銘のザッハートルテ」と文字が刻まれています。
コーヒーと共に。
うーん、美味しい!!
思ったよりは甘さは控えめ、アンズジャムがほんのり優しく感じる程度で口どけの良いチョコレートの美味しさが全面に出ていて、スポンジも程よい軽さとしっとり感。
が、この日肝心なことを忘れました…。
ザッハートルテには砂糖なしで仕立てたホイップクリーム(生クリーム)を添えてこそ!
クリームと一緒に食べることでその味わいは一層美味しくなると説明書きにも書いてあったのに〜。
とにかく、ウィーンの余韻に浸って帰国後に楽しんだザッハートルテなのでした。
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