
ハンガリー料理☆パプリカ ドット フ
こんなところにこんなお店が!?
と、パトロール中に偶然見つけてから気になっていたハンガリー料理レストラン“Paprika.hu”(パプリカ ドット フ)。
ハンガリーには一度も行ったことがなく、ハンガリー料理を私が食すのは毎年スキーで滞在するオーストリアのホテルで。
あのホテルにはハンガリー出身の従業員さんが結構働いています。
そんな彼らによると、「このホテルのハンガリー料理は美味しいです。でも本国ハンガリーのものはもっと美味しいです!!パプリカ使いがもっともっとすごいから!」と。
そんな彼らのことを思い出し、食べてみたくなったのです。
この時期なので店内はクリスマスデコレーション☆
そして一言で言うと、こちらのレストランは美味しくて面白かった!
と言うのもハンガリー愛に溢れたサービス担当のマダムのトーク力がすごい。
席に着くと、いきなり問題。
M「ハンガリーはどこにあるか知ってますか?」
夫「ヨーロッパ」
K「東の」
M「はい、正解です。ここに来るお客さんはハンガリーが好きでよく知っている人と全く知らない人と両極端なのよ。これまでで一番ひどい答えだったのは、自称世界中を旅して色々なものを食べ尽くしたと得意げな人がハンガリーは真顔でアフリカだと言ったことよ!!」
K「なるほど。ちょっとくるくるパーですね」
M「ハンガリー人はものすごく親日家な人が多いんです。それなのに日本人はどれくらいハンガリーを知ってる?知られてないでしょ。そのギャップにショックを受けて、もっと日本人にハンガリーを知って欲しくて、そのためにはまずは食だってことでオーナー(ハンガリー人)がここにこのお店を開いたのが始まりです!」
という訳で、最初から最後までマダムからハンガリーのあれこれをお聞きしながらのディナーとなりました。
伺った内容をここに全て書いてしまっては、これからお邪魔する方の楽しみも半減してしまうので割愛ですが、私はハンガリーについて知らないことばかりだったので「へーー!」の連続でした。
じゃ、まずは簡単なハンガリー語から!?
ハンガリー語は原則としては発音する通りに書き、書いた通りに発音するそう。
なのでローマ字読みすればよいのですが、長い長い歴史の間に綴りと発音が乖離してしまったものも。
とりあえず、クスヌム(ありがとう)、フィノム(美味しい)、日本語ダジャレ的に覚えやすい「シオタラーン」で「塩足らん」は覚えた!
さて肝心のお料理ですが、マダム曰く、こちらのレストランの料理はオーセンティックな味にこだわって作ったものばかりなので日本人向けのアレンジなど無し!でもこれが不思議と日本人の口に合うのよぉぉと。
それは我々夫婦の望むところ、おもいきり現地味を体験したく、それが叶うとは楽しみ♬
夫「これこれ!!Tくんのバカンス写真を見てから気になって、俺も欲しくなったやつ」
K「なにこれ?」
夫「グヤッシュスープを食べる時は、こういう出し方をするらしい。うちにもあったら面白いでしょ。欲しいだろ?」
K「欲しくないです」
夫「ネットで買えるのかな?」
K「いらないってば!!」
たっぷりのパプリカと玉ねぎ、牛肉、ジャガイモ、そしてラード等で煮込むグヤッシュは、日本のお味噌汁のようなものだそう。
優しいお味で美味しい♡
M「はい、そこ見て!それがハンガリーのパプリカです」
ハンガリー料理の特徴は、とにかくパプリカ使いだと。
その種類は130種類以上あるそうで、最初にいただいたグヤッシュスープなどもパプリカの使い方、配合はいくつもあり、各家庭の味噌使いのように千差万別、十人十色、正解はないと。
ハンガリーのパプリカはピリリとした辛みは無く、カプサイシンとビタミンCが豊富で、冬が厳しい国なので体を温めるのに重要な欠かせぬ食材なのだそう。
そしてワインは甘めが主流、所謂「トカイワイン」というやつ。
このワインと素晴らしい相性だったのは、フォアグラと林檎のソテー。
ハンガリーは良質なフォアグラの生産国としても有名。
M「フォアグラ、林檎、林檎のコンフィ、クルミ、ぜーんぶ一緒に口に入れてそれからワインを飲んで!最高だから」
夫「うまっ!」
K「最高です」
ハンガリーの美味食材と言ったら「マンガリッツァ豚」だそう。
その特徴、歴史についてもマダムはわかりやすく説明してくれました。
という訳で、メイン料理はそれぞれそのマンガリッツァ豚を使ったものをチョイス。
最もシンプルなマンガリッツァ料理と言ったらジプシーロースト風で、それはガーリックソースとベーコンを合わせたもの。
こちらはクリスマス限定メニュー。
マンガリッツァ豚はシンプルなローストですが、付け合わせに酸っぱくないザワークラウトにカリフラワーソースを合わせたものが添えられ、それが想像以上に美味しくてペロリ。
M「この国旗を見てイタリアとかメキシコって言っちゃう人、かなりいるのよねぇ。悲しくなっちゃう!」
デザートは、ハンガリーのクリスマス菓子「べイグリ」なるもの。
M「一言で言ったら脂っこくない、軽い月餅」
ケシの実(左)とクルミ(右)のペーストを入れた生地をロールケーキのように巻いて焼いたもの。
表面サクッと焼かれ、食べるとホロホロサクサク食感で確かに軽い月餅みたい。
M「食後に、というか最後に席を立って帰る直前にカッ!と一気飲みするのが食後酒ウニクム」
夫「すごいポスターですね…」
M「魔法の薬草酒と言われてて消化を助けるのにとても良いお酒。飲んだ後はしばらくは何も食べたり飲んだりしない方がいいです」
夫は言われたままにお会計等、全てを済ませた後にウニクムを一気飲み。
私はその前にちょっと味見程度にいただいたのですが、リコリスっぽい味で確かに薬酒。
よく眠れて翌朝はスッキリできそうな感じでした。
そしてマダムの言葉通り、ハンガリー料理は味覚的に比較的日本人には食べやすく美味しくいただける料理の印象でした。
それにしてもまるで3人で食事を楽しんだような面白ろおかしいディナーでした。
また他のメニューも食してみたく、お邪魔したいと思います。
料理を作ってくださったシェフとたくさんのお話をしてくださったマダムにクスヌム!(ありがとう)
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パリの1枚。
いつも正面から見ているので、この角度から見るのはちょっと新鮮だったアンヴァリッド( L'hôtel des Invalides)。
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