
首切り王子と愚かな女☆
今月楽しみにしていた『首切り王子と愚かな女』を観に渋谷PARCO劇場へ。
開場までのしばらく間、パルコをぶらり。
若い頃はよく来ていたものの、いつからか買い物をすることもなくなっていた渋谷パルコ。
でも、ここ1年間で何かと渋谷で用事があり、そんなタイミングで50周年を迎えて昨年リニューアルオープンしたこともあり、最近は時々立ち寄るようになりました。
グッチやロエベなどのハイブランドから注目の日本ブランド、ヴィンテージショップなどもあって、ちょっと気になるお店も色々。
今回は観劇目的だったので時間もなく、ウインドーショッピングでしたが。。
で、パルコ劇場は8F。
こちらもコロナ感染予防対策はきちんとされていました。
さて『首切り王子と愚かな女』のキャストは、
井上芳雄 伊藤沙莉
高橋 努 入山法子 太田緑ロランス 石田佳央 和田琢磨
小磯聡一朗 柴田美波 林 大貴 BOW 益田恭平 吉田萌美
若村麻由美
こんなストーリー。(PARCO SATAGE公式サイトより引用)(ネタバレしません)
雪深い暗い王国ルーブ。
英雄であり人格者であった先王バルが早くに没して20年。
女王デンは「永久女王」としてルーブを統治していたが、溺愛していた第一王子ナル(井上芳雄)が病に倒れてからは国のことを見なくなり、魔法使いを城に招き入れ、閉じこもるようになった。
ルーブ国は統治者を失った国になっていた。国は呪われ、民は貧しさに疲弊し、反乱の気運が高まっていく。
そこで城に呼ばれたのが第二王子トル(井上芳雄 ナルと二役)であった。トルは幼い頃から「呪われた子」とされ城から遠ざけられていたが、反乱分子を鎮圧するために再び城に戻される。使命に燃えたトルは、反乱分子の首を次々に落とし「首切り王子」として恐れられるようになる。
リンデンの谷に住む娘、ヴィリ(伊藤沙莉)は死ぬことにした。これ以上、生きる理由が見当たらなかったからだ。
最果ての崖にたどり着いたヴィリが目にしたものは白い空と黒い海と首切りの処刑であった。
首切り王子トルは死を恐れないヴィリに興味を持ち、召使いとして自分に仕えるように命令する。
城に連れられていくヴィリが耳にしたのは王子の歌であった。
美しくも悲しい歌。
ヴィリはトルに深く暗い孤独を見る。
こうしてヴィリは召使いとして首切り王子に仕える日々を送り始める。
そこに見たのは野心や愛憎、陰謀が渦巻く人間たちの姿であった。
伊藤沙莉(いとうさいり)さんを舞台で観るのは初めてだったのですが、その小柄な体から発せられるエネルギーがものすごく、すっかり心を持っていかれ、物語の中に引き込まれました。
そもそも伊藤沙莉さんをちゃんと知ったのは、ドラマ「獣になれない私たち」で主演のガッキー(新垣結衣)の後輩役。
今風で明るいけど仕事はサボりがち、上手く逃げてなんでも先輩に仕事を投げるし、責任感もないしで、はた迷惑な営業担当…そんな役をコミカルに演じていたのを観た時ですが、今回のお芝居で改めてプロフィールを確認すると、子役から活躍でキャリアの長い女優さんだと知りました。
(PARCO STAGE公式サイトより↓)
そのハスキーヴォイスから絶妙の間合いで出てくるセリフはコミカルだったり、シニカルだったり。
こういうコと友達だったらいちいち面白いだろうな〜、いや、実際こういう人いる!?
というような親近感、身近でリアルさが感じられるせいかセリフのひとつひとつが生きた言葉に聞こえました。
そしてもう一人の主演、一人二役だった井上芳雄さんは、歌も含めて安定感に溢れた演技で、溺愛されて素直で明るく育ったまっすぐで誰からも愛されるキラキラ王子と、疎まれて嫌われて居場所がなかった哀しい王子を熱演。
それぞれの立場での人のエゴや醜さ、狡さを見せつけられながらも最後は命ある限りは一生懸命生きよう、まっとうしよう…そんな気持ちになった笑えて泣けるお芝居でした。
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パリの1枚。
これ美味しかった〜と思い出したコンフィチュール。
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